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2015年12月30日水曜日

開けましたらおめでとう。宮下公園閉めるな!DON’T CLOSE MIYASHITA PARK!

宮下公園終日閉鎖抗議絵巻

12月28日午後 緑と水・公園課に宮下公園閉鎖抗議(声明手交)-20151016渋谷越年越冬実とともに





12月28日夜 バナーづくり(ペンキを乾かすために閉園より1時間くらいねばる)



12月28日夜から翌朝にかけて施錠を阻止(守る会の行動後)



12月29日朝 宮下公園すべて施錠



12月​29日午後 バナー設置



​12月30日朝 FIDOによってバナーが撤去される



​12月30日午後 撤去されたバナーを取り返す


つづく









2015年12月27日日曜日

<声明>年末年始の渋谷区立宮下公園終日閉鎖に断固抗議する

渋谷区区長 長谷部健殿 
渋谷区土木清掃部部長 黒柳貴史殿

12月25日、渋谷区は当会の質問に、宮下公園を12月28日22時30分から1月4日8時30分まで閉鎖すると返答した。

宮下公園は2011年4月のナイキジャパン社によるリニューアルオープン以来、説明会などで行わないと渋谷区が約束していた夜間施錠が続いている。また、2013年12月29日深夜に公園内で行われていた「越年越冬闘争」を渋谷区は大量の警察官と職員によって排除し閉鎖した。2014年にいたっては、宮下公園、近隣の美竹公園・神宮通り公園を年末年始に終日閉鎖した。
24時間だれもが使えるべき公園に対して、渋谷区は利用者を無視した恣意的運用を行ってきた。

本年12月17日、美竹公園の公園閉鎖をしない旨を渋谷区はホームページ上で発表し報道もされた。一方で、宮下公園の閉鎖についてはぎりぎりまで答えず、明確な発表も行なわないまま渋谷区は本日12月28日業務を終えようとしている。(なお、神宮通り公園北側についても閉鎖するとのこと)

渋谷区は宮下公園閉鎖の理由を「外来者による治安上風紀上、問題がある行動が起きるおそれがあるため」と当会に答えた。しかし、そのようなおそれ自体はいつでもあり、公園閉鎖をする特段の理由になりえない。また、炊き出しなどの活動は「治安上風紀上」の問題行動ではない。

渋谷区の今回の決定の背景にあるのは、2019年に営業開始予定の新宮下公園等事業だ。3階だての商業施設の上にホテルを併設する形でつくられる新宮下公園は、商業施設に付随する場所にすぎない。そのような公園をつくるために渋谷区は今から「公園とはいえない公園」を維持し強化する必要があるのだろう。
しかし、わたしたちは「公園」を求めている。公園を必要としているのは、まずはお金を持っていない人や行き場所に困っている人だ。もちろん、それは年末年始も同様だ。

長谷部区長はナイキジャパン社と渋谷区の契約を違法とする判決に対して、渋谷区は適切に手続きを進めたとうそぶき、野宿者の強制退去を違法とする判決に対しては残念とするなど、これまでの経緯を反省する姿勢が認められない。その上で、宮下公園周辺の小屋に住む野宿生活者に対し、長谷部区長は「アイリブシブヤ」というホームレス支援事業を活用することを公言している。しかし、居場所を奪われる状況で提示される選択は、当事者の主体的な選択にはなりえない以上排除である。わたしたちは美竹公園の開放を手放しで喜ぶことができない。「アイリブシブヤ」事業や宮下公園を閉鎖したままでの美竹公園開放は、商業空間=新宮下公園の実現に向けてのガス抜き・アリバイづくりである懸念を拭えない。

わたしたちは、年末年始の宮下公園終日閉鎖に抗議し、即時開放を求める。

2015年12月28日

2015年12月25日金曜日

速報!宮下公園は今年も年末年始、終日閉鎖!

12月21日に当会で、緑と水・公園課に対して、年末年始に宮下公園を開園するように要望しました。
公園課の返答は関係部署と調整中で未定とのことでした。
本日、電話で聞いたところ、
12月28日夜10時半から1月4日朝8時半まで、宮下公園は終日閉鎖。

宮下公園はこれで3年連続年末年始閉鎖することになります。
断固、公園開放を求めます!



2015年12月1日火曜日

新宮下公園の問題1  <新宮下公園>は立体都市公園制度を悪用している

<新宮下公園>は都市公園法上の立体都市公園制度の利用を予定しているが、制度の趣旨を明らかに曲解している。
今年3月に廃案になった三井不動産による17階ホテル提案にも、それは表れていた。立体都市公園制度の趣旨は「都市公園の下部空間に都市公園法の制限が及ばないことを可能にし、当該空間の利用の柔軟化を図る」(都市公園運用指針 国交省 以下「」内は同指針)である。しかし、この三井案は都市公園法の制限を公園の上部にも及ばなくさせてホテルを建設しようとする違法の可能性が高いものだった。
今回11月に提出された案では、渋谷区は公園を一部廃止(用途変更)することでホテル敷地を確保しようとしている。行政が一企業(三井不動産)のホテルをつくるためにここまで強引なことをするのも異様である。
さらに、たとえホテルを公園敷地から外しても、3階立ての商業施設の上に公園を作ること自体が立体都市公園制度の趣旨に反している。
なぜなら、この制度は「都市部において都市公園の用地取得に膨大な事業費を要することから、他の施設との立体的利用により都市公園を整備することが効率的な場合」に適用されることが望ましい、とされているからである。
つまり、公園を新設する際の苦肉の策として基本的に案出されたものである。
既存の都市公園に適用することも可能であるとしているが「都市公園の機能・効用が低下するような場合には、立体都市公園制度を適用することは望ましくない」と厳しく制限している。また、「既存の都市公園に立体都市公園制度を適用するのは、原則として既存都市公園の地下を利用しようとする場合になるもの」と示している。公園が建物の上になれば当然利用しにくくなるわけで、既存公園を立体公園にした例は今までに知られていない(注)。
立体都市公園は、都市の中に公園(オープンスペース)を増やす制度であって、公園敷地を利用して商業空間を作るためのものではない。
渋谷区と三井不動産の計画案は、同制度の逆用であり悪用である。

注 既存公園での立体都市公園制度の利用ー国交省に問い合わせたところ、愛知県刈谷市にある野田公園で1例あるとのことでした。
ただし、野田公園の場合は浸水対策の貯水施設を地下につくる際に、都市公園法上2ha未満の公園(野田公園1.5ha)には同施設は出来ないという制限があり、公園地下を公園から外すために立体都市公園制度を利用しているものです。

2015年11月24日火曜日

公開質問状に対する長谷部区長の回答と私たちの見解

8月24日長谷部区長への公開質問状及び10月5日当会申し入れについての回答が長谷部区長から10月26日付で届きました。

以下、10月26日付回答及び9月7日付回答についての当会見解です(「」内は公開質問状や回答からの引用です)。

【10月26日回答について】
10月26日付回答は10月5日申し入れに書いてある「当会について正しく認識してください」という指摘に対しての回答が何もありません。
また、9月7日付回答が「質問4 新宮下公園等整備計画」について曲がりなりにも1項目ずつ回答しているのに対して、10月26日付回答は質問1~3について項目ずつ回答しておらず、いくつもの重要な質問について無回答のままです。
これらのことは、当会質問状に対して不誠実です。

●ナイキジャパン社との関係を誤魔化しています
長谷部区長は「株式会社ナイキジャパン社から宮下公園の整備について具体的な提案を受けた平成20年」と記していますが、それより以前に、ナイキジャパン社に対して提案するように働きかけたと言明(質問1b)しています。そのことに関連する質問(質問1a1b1c)について回答せず誤魔化しています。
また、都市環境委員会すら2009年(平成21年)6月まで報告されず、利用者や議会の水面下で行われた2008年2月3月の選定委員会委員ではなかった長谷部区長(当時区議)が「具体的な提案」を受けられたのは、ナイキジャパン社との密接な関係なしにはあり得ません。「渋谷区とナイキジャパン社とのやりとり」について把握していなかったとありますが、提案を受けたこと自体が渋谷区とナイキジャパン社のやりとりの一部であったと言えます。具体的な提案を受けたのであれば、質問1d(ナイキジャパン社提案書についての当時の見解)について故意に回答を避けています。

●野宿生活者の状況は把握していたはずです
また、当時の「宮下公園内の野宿生活者の状況等については把握しておりませんでした」と記しています。しかし、2006年6月13日に長谷部区長(当時区議)は文教委員として4日後にオープンするフットサルコートの現地視察を宮下公園で行っています。その当時50名以上の野宿者が公園内に生活し、このフットサルコート設置自体、当時同会派だった伊藤毅区議がホームレス対策として強力に推し進めたものです。長谷部区長が状況を把握していなかったというのは到底信用できません。また、本当に把握していなかったのだと強弁するのなら、同公園の状況を知らずに「整備の必要性を認め、整備の推進を支持」するという政治家としてあるまじき姿勢を認めていることになります。

●渋谷区が損害賠償をするのは当然です
強制退去については、地裁・高裁とも直接強制は国賠法上の違法であるとし損害賠償の支払いを命じました。裁判所が裁定している以上、渋谷区がその支払いをしたのは当然のことにすぎません。判決を「真摯に受け止め」たとしたら「残念ですが」という言葉が出てくる余地はありません。

●渋谷区の行政代施行が適切であったとは言えません
行政代執行について違法であるとは認められないという地裁判決をもって、渋谷区の対応が適切であったと言うことは出来ません。なぜなら、地裁判決において行政代執行の手続きについては違法を認めているためです。手続きが違法であったということは、行政としての対応が適切ではなかったということです。

●ナイキジャパン社と渋谷区の契約が違法であることは確定しています
地裁判決は<渋谷区立宮下公園ネーミングライツ基本協定>が地方自治法96条及び234条違反であることを明確に述べています。高裁は、控訴の範囲に当たらないことから渋谷区による反論を斥けました。つまり、この点における裁判所の判断は地裁判決以外に示されておらず、また渋谷区は最高裁への上告を断念しましたので、地裁(原審)の判断が確定したのは明らかです。
ましてや確定していないから「渋谷区は適正に地方自治法の手続きを進めたもの」というのは、理屈にもなっていません。
契約が違法(地方自治法違反)である以上「現状どおり~宮下公園の適正な管理に努めて参ります」というのは、違法状態を続けるということになります。それは言うまでもなく適正な管理ではありません。
ナイキ化計画に多大の責任があり、現在は区長という重責のある立場にあるにもかかわらず、回答からは自分の責任を認め反省する姿勢が見られず不信感を持たざる得ません。

【9月7日付回答について】
9月7日付回答について見解を述べます。

●新宮下公園で一貫しているのは公園の性質を商業化することです
私たちは、新宮下公園はナイキジャパン社による公園改造を上回る商業施設化だと考えています。その点では、長谷部区長が回答dで述べているように「一貫性に欠ける整備計画ではありません」。しかし、私たちが質問の中で一貫性に欠けると指摘していたのは、耐震性の問題が言われていたにもかかわらずナイキジャパン社は補強せずに公園施設の新設・改造を行い、今度はその公園を5年で壊すというありかたです。「財政負担を極力抑えて整備できる」から問題ないとの考えは実に皮相なものです。長谷部区長は、環境問題を旗印に街のゴミ拾いをするNPOグリーンバードを創設していますが、この一貫性のない計画により厖大な資材がゴミになります。また、耐震補強の概算すらしようとしておらず、新宮下公園は大企業による公園改造ありきで進められていることが分かります。

●<アイ リブ シブヤ>の位置づけが疑問です
回答f におけるホームレス支援プロジェクトはいわゆる<アイ リブ シブヤ プロジェクト>以外ないと思いますが、参加しているNPO団体の人々にこれらのプロジェクトが宮下公園1F部分の小屋の野宿者を対象にしていることを説明しているのか疑問です。排除が行われる場所を重点的に対象にするものならば、このプロジェクトは新宮下公園に賛同し排除に協力するものになります。

【直接の話し合いについて】
まず、当会に対する区長の認識が正しいものかどうかの確認が取れていません。
また、いただいた回答は言い逃れや誤魔化しが多く、渋谷区や区長の反省謝罪が述べられていません。判決の受け止めさえきちんとしない区長が私たちと何を話し合うつもりなのか不明です。私たちは、長谷部区長に真摯な反省と謝罪を求めます。

*******
2015年8月24日長谷部区長への公開質問状 http://tinyurl.com/o7cv77y
2015年9月7日長谷部区長からの回答1 http://tinyurl.com/p3rpmc7
2015年10月5日回答1への申し入れ http://tinyurl.com/qb7dlkn


2015年11月16日月曜日

宮下国賠 渋谷区が損害賠償金を出しました

宮下公園の野宿生活者を公園封鎖時に無理やりかつぎあげ暴力的に排除したことが、法的に許されない「直接強制」にあたるとして裁判所より渋谷区に損害賠償が命じられました。

遅延損害金を含め 138027円

以下が支払額調書などです。



2015年11月6日金曜日

地域住民ビラの再配布

11月6日、宮下公園周辺の地域のみなさんにビラを配布させていただきました。

ビラのニューバージョン(そんなに大きく異なりませんが、、)


2015年10月15日木曜日

声明の提出、地域ビラの配布

本日、13日から仮庁舎の渋谷区役所に声明に提出をしました。総務課・文書課・緑と水公園課・生活福祉課に手交しました。また、公開質問状への再回答がすでに期限を過ぎているので、早く回答するように強く求めました。その後、庁舎前で声明を職員などに配りました。
「宮下公園の周辺地域のみなさんへ」とのチラシのポスティングも行いました。

宮下公園の周辺地域のみなさんへ

宮下公園の周辺地域のみなさんへ

宮下公園ナイキ化反対! 国賠訴訟は、渋谷区に対して私たち原告団が勝利しました。
そのことをお知らせするとともに、今後の宮下公園の在り方についての私たちの考えをまとめたものを配布させていただきます。

●現在の「みやしたこうえん」は違法です
みなさんは、宮下公園がナイキジャパン社によって年間1700万で命名権が買われ、名前のみならず公園そのものが改造されたことを覚えていられると思います。私たちは、宮下公園のナイキ化計画とは、公共のものである公園を特定の大企業の商業活動の場所として売り渡し、公園で生活している野宿者を排除するものとして反対してきました。しかし、渋谷区・ナイキジャパン社は私たちの訴えに耳をかすこともなく、公園は2011年4月30日にリニューアルオープンしました。 
2011年4月21日、私たちは渋谷区を被告とする国賠訴訟を提起しました。それから4年、今年3月13日に下された東京地裁判決は、ナイキジャパン社と渋谷区の契約「宮下公園ネーミングライツ基本協定」は、区議会の議決を得ていない・一般競争入札の原則に反している点で地方自治法違反であるとする画期的なものでした。また、東京地裁は、強制排除された元宮下公園野宿者に対して渋谷区に11万円の賠償を命じました。
 渋谷区は東京高裁に控訴しましたが、9月17日に控訴は棄却され渋谷区は最高裁への上告をあきらめました。よって、10月1日、判決は確定しました。
現在の「みやしたこうえん」は違法な契約・手続きのもとに改修された違法な状態にある公園です。
この計画を立案し推進したのは、当時は区議だった長谷部健区長です。渋谷区及び長谷部区長は司法による判断を重く受け止め、公園の利用者に謝罪すべきです。また、地元の説得役だった伊藤毅区議もその責任は重いはずです。
公園リニューアル後から継続している公園の夜間閉鎖、広場への監視カメラなどを即刻取り止めるべきです。


●「新宮下公園」は公園ではありません
現在、渋谷区は「宮下公園等再整備事業」を準備しています。
昨年夏発表された同事業に応募したのは、東急と三井不動産でした。そのうち候補として選ばれたのは、新区庁舎を建設するなど前桑原区長との関係の深さを感じさせる三井不動産でした。計画案は、三階建ての商業施設を新築し屋上に新宮下公園をつくる・公園の原宿側には17階の高層ホテルを建てるという驚きの内容でした。
今年3月の都市環境委員会において同計画案は全会派一致で継続審議となり廃案に追い込まれました。立体都市公園制度の考えを基にしても公園敷地内に高層ホテルをつくるのは違法の可能性があります。渋谷区は再び違法を重ねるつもりなのでしょうか。
また、耐震補強を事業の理由にしていますが、ナイキジャパン社の公園改造時から耐震性に問題があることは分かっていました。整備したばかりの公園を全て壊して新築するのは計画性に著しく欠けた資源の無駄遣いです。スクラップ&ビルドという高度成長時代の発想が見え隠れしています。このような計画案が廃案になったのは当然です。
しかし、4月に桑原区長の後継者としてその職に就いた長谷部新区長は「内容を検討し、いずれあらためて、区議会に整備計画を提出するつもり」としています。現在、周辺の町内会役員などと調整中とのことです。これが実現してしまえば、ナイキ化計画についての真摯な反省もなされないままに、宮下公園は大企業の利益を生むための商業施設になってしまいます。
現在、渋谷で進められている大再開発では、今後、駅周辺だけで30階を超えるビルが4つ、その他のビルが4つ新築されます。全てが東急グループです。このような巨大再開発によって、利益を得るのは東急や三井不動産などの大企業だけで周辺の路面店にはマイナスの影響が懸念されます。事業名に入っている「等」という文字からは、駅頭と公園をデッキで連結するなどの含みをもたせた事業であることが伺えます。壁のようにそびえる商業ビルが駅周辺に作られ、そこからデッキで巨大商業施設が結ばれたら、周辺での小さい商店の経営は立ち行かなくなるのではないでしょうか?
宮下公園は、地域の人たちともつながり、また来街者が一息つき、貧困者であっても24時間誰もが利用できる無料の場所であるべきだと思います。
私たちは、違法である「みやしたこうえん」・公園とはいえない「宮下公園等再整備事業」に強く反対しています。

私たちの活動や地裁・高裁判決に関しては以下ブログを参照ください
http://minnanokouenn.blogspot.jp/
意見などは以下まで
minnanokouenn@gmail.com
                      2010年10月14日            
                      みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会
                                          
★付記
●宮下公園ナイキ化計画とは何か
2008年5月、ナイキジャパン社が区立宮下公園の命名権を年間1700万で買い取り、スケートパークなどを設置するという計画を地元ミニコミ誌がスッパ抜きました。私たちは、(1)公園の公共的な価値を奪う計画内容(2)民主主義的な手続きを無視したずさんなプロセス(3)野宿を強いられる人々の追い出しがグローバリゼーションに伴う再開発の典型であると考え、この計画に反対するために立ち上がりました。
渋谷区がこの計画に初めて触れたのが2009年6月11日の区長演説、1週間後の都市環境委員会では、議員すら知らないうちに選定委員会が開かれナイキジャパンが候補者として決定していたことが報告されました。そのナイキジャパン案は、公園内に大きな広告看板を建てる・イベントの事前確認と認否をナイキが決めるなどという不当なものでした。2009年8月27日、渋谷区とナイキジャパン社は基本協定書を締結し、ナイキジャパン社及び東急建設は9月から工事を始める予定でした。一方で、渋谷区が公園の野宿者の意向調査を始めたのは9月以降のことです。このことだけでも、いかに渋谷区が野宿者を軽視していたかが分かります。結局、渋谷区は宮下公園わきの緑道に小屋を自ら作り、そこに公園内の野宿者の多くを強引に移転させました。公園内にテントを設置し工事を阻止する人たちや野宿者やその支援を行う団体と協力しながら、私たちはこの計画に異を唱え続けました。しかし、2010年9月15日早朝、渋谷区は何の予告もなく宮下公園を全面閉鎖し、同年9月24日には行政代執行によりテントなど私たちの荷物を撤去してしまいました。全面閉鎖の当日、原告の一人である元宮下公園野宿者は、渋谷区の職員・ガードマンに担ぎ上げられ園外に追い出されケガを負いました。公園がリニューアルオープンした際にも、渋谷区は私たちに対して不当な身体検査を行いました。また、反原発のステッカーを貼ったなどとして逮捕された人が2名いました。基本協定書で「宮下NIKEパーク」と命名されていた宮下公園は、世論の批判を恐れたためか、平仮名で「みやしたこうえん」になりました。しかし、リニューアルオープン以来、宮下公園は夜間施錠や監視カメラの設置を行うなど異様な状態が続いています。      

2015年10月14日水曜日

宮下国賠勝利声明

【声明】
宮下公園ナイキ化反対! 国家賠償請求訴訟に勝利したぞ!
渋谷区は宮下公園をナイキ化以前の原状に帰し、原告など公園の利用者に謝罪しろ!
「新宮下公園計画」を白紙に戻せ!

●宮下公園ナイキ化計画とは何か
 渋谷区は、スポーツメーカー・ナイキジャパンに区立宮下公園のネーミングライツ(命名権)を売り渡す。ナイキジャパンは自費で宮下公園を改修、有料の施設を設け公園の利用者をふるいにかける。宮下公園はナイキジャパンの広告塔となり、当然にも野宿者、貧困者は公けの園から追い出される。渋谷区は、この計画を水面下で推し進める…。
 ナイキ化計画の存在が発覚したのは、2008年5月のことでした。その後、ナイキジャパンは宮下公園の改修などの総工費4億円を全額負担し、渋谷区にネーミングライツ料として年間1,700万円を支払う計画である旨、マスコミにより報じられました。もちろん私たちは、このナイキ化計画に繰り返し異議を唱えました。が、ナイキジャパン、渋谷区が、私たちの声に耳を傾けることはありませんでした。

●突然の全面閉鎖
 そして渋谷区は、2010年9月15日早朝、何の予告もなく宮下公園を全面閉鎖し、同年9月24日には、行政代執行によりテントなど私たちの私物を撤去してしまいました。全面閉鎖の当日、渋谷区の職員、警備員に園外に追い出され――それも、からだごと担ぎ上げられて!――ケガを負ったのが、原告の元宮下公園野宿者です。
 渋谷区とナイキジャパンが交わした協定書では、宮下公園は「宮下NIKEパーク」とネーミングされていました。しかし、渋谷区もナイキジャパンも世論の批判を恐れたのか、現在では、両者とも宮下公園を平仮名で「みやしたこうえん」と表記しています。

●強制退去もナイキ化計画も違法との判決を勝ち取る
 2011年4月20日、私たちは、東京地方裁判所に渋谷区を被告とする国家賠償請求訴訟を提起しました。それから4年、今年3月13日、判決が下されました。
 その内容は、
(1)渋谷区による元宮下公園野宿者への強制退去は違法 
(2)①渋谷区による元宮下公園野宿者への所有物の除却命令は違法 ②渋谷区が所有物の除却を命令するさいの、のじれん、守る会に対する弁明機会の付与通知の手続きは違法
 ナイキジャパンと渋谷区との契約自体においても、
(3)区議会の議決を経ていないので違法
(4)ナイキジャパンとの契約は一般競争入札の原則に反する随意契約でありこれも違法
 とする画期的なもの(他方で、行政代執行それ自体の違法性を認定しないなど不当な点も指摘できますが)。しかも東京地方裁判所は、まずナイキ化ありきという渋谷区の姿勢が(3)(4)を招き、(1)(2)を導いた、との私たちの主張を認めたといえるのです。東京地方裁判所は、渋谷区に対し元宮下公園野宿者への11万円の賠償を命じました。公園は一企業のものではなく、みんなのものだ! 私たちの訴えが、多少ではあれ汲み取られたと評価できます。
 案の定というべきか、敗訴を受け、3月26日、渋谷区は東京高等裁判所に控訴しました。が、9月17日、控訴は棄却され、原判決が維持されました。渋谷区は上告を断念、10月1日、私たちの勝訴が確定しました。
 現在、宮下公園は、違法な手続き・契約の下に改修された違法な状態にある公園である、といえます。今こそ渋谷区は、司法による判断を重く受け止め、元宮下公園野宿者を始めとする公園の利用者に謝罪して、宮下公園をナイキ化以前の原状に帰すことを決断するべきです。夜間の開放、監視カメラの撤去は当たり前、宮下公園の「再整備」などもってのほかです。

●「新宮下公園計画」を許すな
 このかん渋谷区は、宮下公園の「再整備計画」なるものを準備してきました。「宮下公園を現在の二階建てから三階建てのビルにし、運動施設はもちろん商業施設も設ける」「施設の屋上が『新宮下公園』となる」「なお、公園の原宿側には高層ホテルを建てる」「ナイキジャパンとの協議? それはこれから」!? 今年3月の渋谷区議会・都市環境委員会(現/区民環境委員会)の席で、緑と水・公園課から、こんな計画が練られていることが報告されました。これが実現してしまえば、宮下公園はもはや公園ではなくなってしまいます。
 しかし、渋谷区はさすがに、これはナイキ化計画を超える強引なものであると自覚したのか、一方で、東京地裁での敗訴にひるんだともいえるでしょう、再整備計画は廃案に追い込まれました。
 が、しかし、です。かつて宮下公園ナイキ化計画を区議会議員として推進し、去る4月、その職に就いた長谷部区長は「内容を検討し、いずれあらためて、区議会に整備計画を提出するつもり」としています。
 加えて渋谷区は、2020年オリンピック・パラリンピックの開催を控え、都市再開発を加速させて、野宿者などの「ジャマ者」を宮下公園はおろかあらゆる公園から追い出そうとしています。今、渋谷区が構想している「ホームレス対策」(「アイ リブ シブヤ・プロジェクト」と呼ばれているそうです)が、排除のための受け皿となってはなりません。
 一切の排除を許さない闘いをともに! 
                               (2015.10.13)

               宮下公園ナイキ化反対! 国賠訴訟原告団
                渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん)
                みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会(守る会)
                宮下公園アーティスト・イン・レジデンス
                元宮下公園野宿者
                 東京都渋谷区東1―27―8(202号)
                 070(6511)0639
                  http://minnanokouenn.blogspot.jp/

2015年10月7日水曜日

長谷部健区長の9月7日付け回答に対して手紙を送りました


長谷部健渋谷区区長殿       
 
2015年10月5日

 2015年9月7日付けの区長回答を郵便にて落手しました。
回答には「渋谷区としましては、本件の協力・解決に向けた直接の話し合いの機会をこれまで何度も提案させていただいております」とあります。
 区長は誤解をされているようですが、私たち「守る会」は、区長から話し合いを提案されたことは一度もありません。当会について区長は正しく認識して下さい。
宮下公園の国家賠償請求裁判は、2015年3月13日地裁判決・9月17日高裁判決をへて、渋谷区が上告をせず、渋谷区の敗訴が確定しました。
 地裁判決は、渋谷区とナイキジャパン社との契約において、議会の議決を得ていないこと・一般競争入札が行われていないことが地方自治法違反、2012年9月15日公園封鎖時の野宿生活者に対する渋谷区の排除は法的根拠のない「直接強制」にあたり違法であること、により賠償金の支払いを命じ、高裁はそれらの論点に対する渋谷区の控訴を棄却しました。
 判決が確定した以上、「渋谷区立宮下公園ネーミングライツ基本協定」は法律違反です。「みやしたこうえん」をナイキ化以前の公園の状態に戻す努力をしてください。また、区長は私たちを含めた公園利用者に対して真摯な反省・謝罪を行ってください。

 区長からの9月7日付け回答では「質問1・2・3につきましては、現在訴訟中の内容を含むため回答を控えます」とあります。今回の訴訟は終わりましたので、2015年8月24日に提出した公開質問状への回答を下記住所までに文書にて改めて求めます。

回答期限 10月13日
回答先 みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会
〒150-0011 東京都渋谷区東1-27-8-202 のじれん事務所気付

みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会

2015年9月23日水曜日

公開質問状への長谷部区長からの回答


私たちの公開質問状に対して9月7日づけで、長谷部健区長から回答がきました。
回答期限は9月4日だったので、私たちは、9月7日に質問状を受け取った渋谷区総務課に出向きました。
担当者は状況を把握しておらず、どこかで止まっているようだ、今後出す予定、などと話が2転3転したあげく、今日公園課が郵送します。
 さて、回答は届きました。しかし、区長は誤解されているようですが、私たち守る会は「直接の話し合いの機会をこれまで何度も提案」されたことは全くありません。
また、この回答への返信は改めてきちんとしたいと思います。

2015年9月22日火曜日

洗って干す会、晴天なり

まるで夏が戻ってきたかのような晴天。参加者8名。
それぞれが手で洗って絞って、思い思いの場所に干しました。
Tシャツ、タオル、ズボン、靴下、トランクス、靴。
干した後は、段ボールをひいて乾くのをのんびり木陰で待ちました。読書したり、将棋をさしたり、散歩したり。
強い日ざしを浴びて、洗濯物はどんどん乾く。
野宿をしていると、なかなか洗濯をして干す場所がありません。
公園で干していると撤去するように警備員に言われたり、気が気ではありません。
今回は、妨害もなく16時すぎにはほぼパリっとした具合に乾燥しました。
天気にも味方されて、「洗って干す会」は大成功。




2015年9月18日金曜日

宮下国賠高裁でも勝利判決です

裁判長が「本件控訴を棄却します」と小さい声で言った時、傍聴人からは自然と拍手が湧きあがった。
渋谷区の控訴が裁判所によって全面的に却下された瞬間だった。

今回の判決では、公園封鎖に伴い渋谷区が野宿者を担ぎ上げて移動させたことは「被控訴人の意思に反するものであるから、直接強制に当たるというほかないものである」とし、その違法性を地裁判決より詳細に厳しく断じている。
また、ナイキ化計画が1、議会の議決を経ていない2、競争入札していない、ことより地方自治法違反であるとの地裁の画期的な判決は、高裁においては判断をしないことによって、維持された。

高裁判決は、強制排除の違法性を精緻に述べ、地方自治法違反を維持させたことによって、渋谷区にとっては全面的に敗訴、わたしたち原告にとっては勝訴になった。

判決後に記者会見を開いた。
弁護士による裁判と判決の説明の後に、元宮下公園野宿者(被控訴人)のコメントが読み上げられた。
「このような判決が出て良かった。弁護士の方々、支援をして下さった皆様のおかげです。とても感謝しています。裁判については、渋谷区から提出された強制排除を撮影したビデオの存在が大きかった。おかげで渋谷区の嘘が裁判の中で明らかになり被告は嘘がつき通せなくなった。」(一部抜粋)
のじれんからは「再開発・オリンピックを梃子にして強まっている野宿者に対する排除の歯止めになる判決だと思います。」
当会からは「ナイキ化計画の非民主的なあり方が違法とされたことは意義が大きい。渋谷区には社会的にきちんと謝罪してほしい」。宮下公園アーティスト・イン・レジデンスからは「渋谷区では口あたりのいい美名のもとに商業主義的な再開発が行われているが、公園は利用者がつくるものなのでやめてもらいたい」とそれぞれ原告がアピールした。
その後、記者から今後の予定などの質問があった。

地裁につづく高裁での判決により、渋谷区はナイキ化計画、野宿者排除、新宮下公園等整備事業、を厳しく問われている。
ナイキ化計画の首謀者は現区長の長谷部健氏であり、新宮下公園を現在推進しようとしているのも長谷部氏である。
宮下国賠は、過去の話だけではなく、現在そして未来に関する裁判であり判決である。

今まで裁判に多大な支援・注目いただきありがとうございます。

19日には、判決をうけて報告会があります。
ぜひ、お越し下さい。

判決文(被控訴人氏名は伏せました) http://tinyurl.com/pchtrp2

2015年9月13日日曜日

9.19 宮下公園 東京高裁控訴判決 報告会

無料でいられる公園をかえせー! 夜もいられる公園をかえせー!

9月19日(土)20:30~ 宮下公園・大階段付近 
 
・原告からのあいさつ、
・ビデオ上映( 裁判によって渋谷区が明らかにした元野宿者の強制排除の映像、2013 年14 年渋谷区が年末年始公園強制封鎖の映像、2010 年工事前の宮下公園の映像など)

9月17日宮下国賠判決後、記者会見を行います

詳細未定です。
近日アップします。

2015年8月26日水曜日

新宮下公園整備等事業が第3回本会議に提案されず

長谷部区長は5月27日記者会見で、第三回定例本会議に三井不動産との基本協定案などの条例案の提案を行うと表明していたが、9月8日から行われる本会議に提案はされなかった。
今後の動きを注視していきたい。

長谷部健渋谷新区長に公開質問状を出しました

長谷部健区長に宮下公園を巡って公開質問状を出しました。回答期限は9月4日です。

*************
長谷部健渋谷区区長殿
2015年8月24日

私たちは、みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会、です。
2011年4月21日、当会を含んだ原告が渋谷区に対して提訴した宮下公園の国家賠償請求裁判は、2015年3月13日に東京地方裁判所による判決を迎えました。判決は、宮下公園のナイキ化が「負担つき寄付」にかかわらず議会の議決を行っていないこと・競争入札が必要であるにもかかわらず随意契約であること、が地方自治法違反にあたることを指摘し、2010年9月15日の宮下公園封鎖時の野宿生活者の排除は「直接強制」にあたり国家賠償法上違反であることを認定し、賠償金の支払いを命じました。新区長は、この判決を真摯に受け止め、即刻上訴を取り下げるべきだと当会は考えます。
以下の諸点について、事実・見解を明らかにすることを新区長に求めます。

1 宮下公園ナイキ化計画への関わりについて

a 2004年5月渋谷区区立美竹公園にナイキジャパン社によってバスケットコート(ジョーダンコート)が寄贈されました。この寄贈について区長の提案により実現させたことは度々述べられています(注1)。区長とナイキジャパン社の関わりについて明らかにしてください。
b 宮下公園のナイキ化計画について、区長は「自主提案してって俺がケツをたたいたわけ」「彼らに具体的なプランを作ってもらって提出してもらったって感じかな」(注2)と発言されています。この計画においてナイキジャパン社と渋谷区の間を取り持った役割について具体的に明らかにしてください。
c 2007年9月12日のナイキジャパン社・アトリエワンによる渋谷区区役所でのプレゼンテーションには出席しましたか?また、その席ではどのようなやりとりがありましたか?
d  ナイキジャパン提案書では、公園内に10メートル四方以上の広告板を3面、ナイキジャパン社のイベントスペースが設けられ、他者の実践するイベントについてはナイキジャパン社の事前確認と承認・否認の権利を提案しています。また、ネーミングライツ選定委員会議事録から年間200日位の優先的使用を提案していることが分かります。区長はナイキジャパン社に提案させた立場として、提案内容を掌握していましたか?また、その内容についてはどのように考えていたのですか?

2 宮下公園に居住していた野宿生活者について

a 宮下公園に2007年当時、野宿生活者が小屋やテントなどで生活していたことを認識していましたか?区長は野宿生活者の存在を認識していたとすると、それらの人たちの人権や生活を無視して計画を発案したことになります。また、認識していなかったとすると、現状についての把握も行わず計画を無責任に発案したことになります。これらの意見に対する見解を明らかにしてください。
b 2008年2月6日提出の宮下公園に関するナイキジャパン提案書によると、当初の2008年4月8日から工事を行う予定を立てていたことが分かります。また、渋谷区は区報その他によって、2009年9月から宮下公園の工事を行うと広報しました。しかし、渋谷区が同公園の野宿生活者に対して、曲がりなりにも意向を調べ始めたのは2009年9月9日以降です。これらのことから、渋谷区が同計画で深甚な影響を受ける同地の野宿生活者のことを軽視していたことが明らかです。当時、これらのことについて区長はどのような対応を区に求めていましたか?
c 区長は2007年度から2010年度にかけて都市環境委員会の委員を務めています。しかし、委員会の中で宮下公園・宮下公園の野宿生活者への配慮について発言は全くしていません。関連する予算特別委員会都市環境分科会2010年3月19日において「新しくやっていくに当たっては誠意を持って対応していただくということをお願いしたんですが、大分誠意は尽くされているのかなという気もちょっとしてきたり。ただ、どこかで線を引くという言い方をしちゃいけませんけれども、何か行政のほうも考えなきゃいけないんじゃないかなという、今、それだけを聞いている情報だとすごく感じます」と不明瞭な発言をしています。この「お願い」はいつどこで誰にされたものでしょうか?また「線をひく」「行政のほうも考えなきゃいけない」というのはどういうことを指しているのでしょうか?(なお、この分科会において小澤公園課長が(ホームレスが)「今、現実にいらっしゃるのは、上の部分で1名でございます」と発言したのは明白な誤りです。渋谷区調査で2010年1月14名、2010年8月4名)
d 前述の判決において、2010年9月15日の公園封鎖時の野宿生活者の排除が「直接強制」として違法を認定されています。区長が提案した宮下公園のナイキ化は野宿生活者の強制排除を伴うものであったと法の場で審判が下されたことになります。一方、区長は区長選挙立候補時に「ホームレスの排除を推進している議員だと言われていますが、まったくそんなことはない」(注3)と述べています。矛盾していると思いますが、見解を明らかにしてください。
e 2010年2月、渋谷区は宮下公園の1F遊歩道脇に小屋を設営し宮下公園内の野宿生活者に対して移転を強制しました。その小屋へ移った方のうち少なくとも5名が熱中症などで亡くなっています。宮下公園内に比べ、移転先の小屋の立地には樹木などがなく通気性も悪いことは当会で指摘していました。どうお考えになりますか?
f 区長と同会派であった伊藤毅議員は、2010年4月20日宮下公園を訪れ「もしホームレスが園内から立ち退かなければ強行手段に出ざる終えないだろう」(注4)と言い、2010年6月11日区議会において「どうしても話し合いで解決できない場合には、「反対団体の強制撤去もやむなし」と考えております」と述べています。これらの発言は、「直接強制」につながりかねない危険なものだと考えますが、区長の見解を明らかにしてください。
3 「みやしたこうえん」について

a 前述の判決において、ナイキジャパン社との契約が地方自治体法違反と認定されたので、宮下公園内の施設は違法工作物になります。どのように適法状態へ回復しようと考えていますか?
b 「みやしたこうえん」は、以前の公園に比べ、特定の目的でしか使えず、また、有料化することによって特定の人たちしか利用できないスペースが拡大しました。また、2010年5月以降、数千人規模の集会も行われていた集会場の占有許可条件に使用人数上限300人の制限が加えられました。以前の公園と比べた時(特にフットサル場が出来る2006年以前)、このことをどう評価されるか明らかにしてください。
c 宮下公園整備計画(案)説明会などや都市環境委員会(2009年7月16日)などで、夜間施錠は運動施設に限り公園全体は24時間開放すると渋谷区は説明してきました。また、当会は同様の説明をリニューアルオープン直前まで区側から受けてきました。しかし、オープン後から現在まで公園の夜間施錠が続いています。公園は24時間利用者に開かれているべきだと考えます。夜間施錠を続ける意図を明らかにしてください。
d 2014年7月以来、「みやしたこうえん」には集会などに使用する広場を中心に監視カメラが設置されています。利用者のプライバシーを侵害する監視カメラをただちに撤去するように求める声明に対する賛同署名(341筆)を2014年9月16日に当会は渋谷区(前)区長などに提出しています。区長は撤去するおつもりはないのでしょうか?

4 新宮下公園等整備計画について

a 区長が同整備計画の概要について聞いたのはいつですか?
b 2015年3月本会議において継続審議(実質的に廃案)になった同整備計画について、区長は「9月の定例区議会に(事業候補者との基本協定案などを)再提出したい」と発言しています。その理由を明らかにしてください。
c ナイキジャパン社による「みやしたこうえん」は2011年4月に、契約期間は10年でリニューアルオープンしました。約半年間の工事(公園閉鎖)、及び施設費用だけで約2億5千万がかけられています。東日本大震災による被災地の資材不足の中での工事でした。同整備計画は「みやしたこうえん」を更地にして新築するものですから、これらの資源や公園閉鎖が無意味になります。宮下公園のナイキ化を立案推進した区長が、今度は新整備計画を推進するのは一貫性がありません。見解を明らかにしてください。
d 宮下公園の耐震性に問題があることは、2008年9月に東急建設株式会社一級建築士事務所の渋谷駐車場耐震診断で明らかになっています。渋谷区とナイキジャパン社が、公園を大規模改修するにあたって、耐震補強を行わなかった点も不自然かつ無責任です。また、宮下公園の耐震補強を区の財政から支出すれば、現在のような資源の無駄で一貫性に欠ける整備計画をたてる必要はありません。宮下公園の耐震補強にはいくらかかり、それを区の財源で賄えない理由を明らかにしてください。
e 同整備計画において、ナイキジャパン社はどのような関わりを持つ予定ですか?区長と同社の関係から考えても、区長が同社に何の相談もなく計画を推進することはありえません。同社との間でどのような話し合いが持たれているか明らかにしてください。
f 宮下公園の1F部分には、2011年、ナイキ化計画を推進する渋谷区自ら作った野宿生活者のための小屋があり、そこで暮らしている人たちがいます。同整備計画においてどのような対応を考えているか明らかにしてください。
g  同整備計画検討委員会の議事録・資料を早急に公開してください。

以上についての区長からの回答を9月4日までに書面で下記連絡先宛てに求めます。
なお、当質問状及び回答は広く公開します。

連絡先 みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会 
〒150-0011 東京都渋谷区東1-27-8-202のじれん事務所気付

注1 who real is it 長谷部健インタビュー2009年1月13日http://goo.gl/UYgMZJ
注2 「公園は誰のもの?宮下公園の事例から」2012年2月2日インタビュー(桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部)
注3 渋谷区区長選挙公開討論会発言2015年4月18日
注4 CNN2010年5月20日Kenji Hall記事http://goo.gl/CBwgbe
*********
2aの「そられ」を「それら」に訂正しました。

★★洗って干す会★★

大好評のねる会に続いて、洗って干す会、を宮下公園で開催します。

9月6日(日)昼11時 宮下公園新階段下集合(雨天中止)

自分で洗える分の洗濯物を持ってきてください。
詳細は現地で。
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9月6日は悪天が予想されるため(乾かないため)順延します。

9月20日(日)昼11時 宮下公園新階段下集合(雨天中止)に開催します。

ご了解ください。

9月17日13時15分~東京高裁判決です!

東京高等裁判所822号法廷13時15分~

渋谷区が宮下国賠の地裁判決を不服として上訴した第二審の判決が出ます。
8月20日の第一回公判では、渋谷区がさらに反論させてほしいと公判を重ねようとしましたが、裁判長によって次回判決と打ち切られました。

8月20日配布したチラシ

2015年4月26日日曜日

「渋谷の今後」を巡って

宮下国賠勝利集会で、時間が十全に取ることが出来なかった小川てつオ氏の発言を補足をしていただいて掲載いたします。


渋谷の今後を「公共的価値」と「経済的価値」の対立で考えていきたいと思います。公共的価値というのは、一人一人を尊重しそれらの人たちが共に生きていく場を大切にする価値観です。経済的価値というのは、賃労働によって社会に参加しそこでの競争を通して個人の幸福が実現されるという一元的な価値観です。新自由主義の中で現在猛威をふるっている考え方は後者です。

今後を考える上で1、渋谷区長選 2、新宮下公園 3、渋谷駅周辺再開発 4、2020東京オリンピックを考えていきます。

1、渋谷区長選
有力候補は、長谷部健・村上英子・矢部はじめ、です。一人一人見てみましょう。
まず、長谷部健は、宮下公園のナイキ化を区長に提案した張本人です。そして、桑原区長の後継者です。この人の口癖は「WIN・WIN」。宮下公園だったら、公園は無料で整備できて渋谷区もうれしいし、ナイキも宣伝ができてうれしいし、スポーツ公園になって利用者もうれしい、もうWINWINですね。という感じです。典型的な新自由主義者です。こういう人の問題は、発想が経済的価値にあるから、そこから漏れる人たちのことを本当には分からないことです。全然、WINではない人たちのことが分かってません。
長谷部は、元は博報堂社員です。その後、グリーンバードというNPOを立ち上げ(現在も活動中)、その後に渋谷区区議です。会社員・NPO・政治家といろいろやっているように見えますが、そうではなくて、この人の基本は博報堂です。要は、広告代理店(的発想)です。どうすれば、アピールして何か(商品、名声、など)を売ることが出来るかで考えています。グリーンバードは、公道などのゴミ拾いをするNPOです。参加者はボランティアだからお金を貰っていません。一見、公共的価値に基づいているように見えます。しかし、<きれいー汚い>を判断することは経済的な価値に基づいているのではないか、と疑う必要があります。野宿者が汚い汚す、などの理由で排除される時、経済的価値に基づいていることが多いのです。アートやスポーツや美観や安全など、公共的価値を持ち出しながら、実は経済的な価値に基づいていることが多いので、きちんと見極めることが大切だと思います。たとえば、オリンピックなどがその最たる例です。この長谷部健が提唱し、最近話題になったのが同性パートナーシップ条例(正式名称:渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例)です。LGBTの人が生活しやすくするという謡い文句です。しかし、目的の1つに経済の活性化が見え隠れします(注1)。そのような視点では必ず漏れる人がいます。たとえば、障害者や野宿者を「自立」させて経済活動の一翼に参画させる。そのことに価値をおく時、そもそもそのような価値の中で苦しんできたということが覆いかくされてしまいます。新自由主義者の特徴は、従来の保守よりも単純に経済一辺倒で大丈夫だと思っていることです。
次に、村上英子。自民党都議で都議会でオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会副委員長をやっています。2003年に都議に初出馬した時のコピーが「小倉基 渋谷前区長 長女」。なんだそりゃ。という感じですが、それが有効であるという典型的な「地域利益誘導型」「村政治」の自民党議員です。こういう人は、節操はなく町会・商店会の利益を優先(保守)するので経済優先だけでもおそらくないでしょう。盤石な自民基盤でかなり有利だと思います。
次に、矢部はじめ。3回連続で区長選で落選していますが、今回は推薦が民主や維新の会、応援が共産という普通ではありえない布陣です。共産が独自候補を立てず応援に回ったことで、区長選は面白くなりました。渋谷では共産区議は6議席あり第2党です。この人は、父親が地元の建設業で、やはり「地域利益誘導型」「村政治」型には変わりないと思います。ただ、桑原独裁区政よりも話し合いやプロセスを大切にする姿勢は伺われます。
この3者の誰が区長になるかが今後の渋谷に影響してくると思います。しかし、大筋のレールは引かれており変わらないはずです。

2、新宮下公園

新宮下公園の計画は、今議会では継続審議、事実上の廃案になりました。全会派一致の決定というのは、珍しいことです。こんなことは20数年の渋谷区議生活で初めて、と古参議員はおっしゃっていました。しかし、今年6月の第二回議会に計画が再提出される予定です。
プロポーザルの公募で選ばれた三井不動産の新宮下公園案は驚くべき内容でした。3階建ての商業施設の屋上を公園にし、公園面積の1割程度を使って17階建てのホテルをつくる。ホテル建設については法令においても全くの想定外です。明らかな都市公園法違反です。
都市公園法の中で立体都市公園が定められたのは平成16年です(注2)。だから、現状の宮下公園も1Fに駐車場を作る改造を行った1966年から立体的な公園であるのですが、法律より前に出来ているので法律上の<立体都市公園>にはなっていません。しかし、ナイキによって改造された2011年のリニューアル時に<立体都市公園>を適用しなかったのは法的不備の可能性もあると思います。適用しなかったのは、現在の駐車場部分にある公園を支える柱の耐震性の問題のためだったのではないでしょうか?
ともあれ、「都市公園の下部空間に都市公園法の制限が及ばないことを可能とし、当該空間の利用の柔軟化を図る」(都市公園運用指針 国交省)という立体都市公園制度にしても、上空利用などは想定していません。公園に柱を立ててホテルを宙に浮かせ、上空に都市公園法の及ばない制限を設けるというウルトラCの計画などが認められるわけがありません。しかも、それを国交省などに打診することなく計画案として採用して公開し、議会の承認を得ようとすること自体が相当に強引な力が働いているとしか思えません。
仮に、上空に法的制限が及ばないことが認められたら、公園敷地全体に高層ビルを建てることが出来ることになります。その1フロアを公園にすればいいわけです。そもそも立体都市公園は、基本的には、土地の少ない都市に新規に公園を整備する場合の法律であり、既存の公園に適用する場合「都市公園の機能・効用が低下するような場合には、立体都市公園制度を適用することは望ましくない」(運用指針))とされています。が、この上空制限を認めることは低下どころではなく、公園の破壊の大きな突破口になってしまいます。莫大な利権が生まれる一方で、ビルの中に公園があった方が管理しやすくて安心安全です、と言いだしかねません。これは断固止めないといけない。
で、このプロポーザルを提案したもう1社は東急。ぼくは、この計画は東急のために(東急によって、というか)作られたものだと思っていたので、当然(というか癒着ですが)東急が採用される出来レースだと思っていました。東急の提案は(アツミさんの情報公開資料によると)、既存の宮下公園の躯体を残したものだったことが分かります。ということは、東急案は建て直しではなく大きく現状から変わらない案だったことになります。これは当然です。なぜならば、東急としてみれば、現在開発中(今後、6つも超高層ビルを建てる)渋谷駅周辺と宮下公園、明治通りを挟んだ東急本社、同じく明治通りを挟んだデザイナーズ・プラットフォーム(元都営宮下町アパート跡地に東急が作る高級マンション)をデッキで結ぶことが出来れば、それでいいからです。つまり、三井不動産のように宮下公園内でペイしなくても、総合計画の中でペイできれば良く、そのためには宮下公園にお金をかけるリスクを犯す必要はありません。宮下公園は、東急にとって駅からつながるデッキ(通路)の一部(プラス公園という付加価値)であればいいわけです。
この計画が「宮下公園整備」ではなく「宮下公園等整備」であった理由はデッキ整備にこそあったはずです。官僚の作文の中では「等」の使い方が肝です。それなのに、三井不動産が採用されるという事態がなぜ起きたのでしょうか。桑原が率先して行った新庁舎の整備が三井不動産であるいうことに答えがあるとしか思えません。耐震性に問題があるとされた区庁舎が耐震補強ではなく新築になった経緯にも、相当なうさんくささがあります。補強か新築かを検討する委員会が結論を出す前に、区長が新築を発表したこともありました。区長の肝入りで進んだ計画だったことは明らかです。耐震補強の話がいつの間にか企業との提携すること(PPP事業)になっている、という流れは区庁舎も宮下公園も同様です。桑原区長と三井不動産には密接な関係があるとしか思えません。そして、宮下公園の三井案は自民党も公明党も反対しました。選挙で桑原区長は長谷部健を公認として推薦し、自民は前区長の娘の村上英子です。つまり、この計画の背後には、区長選を睨んでの政治家たちの勢力争いが絡んでいることが容易に推測されるわけです。

3、渋谷駅周辺開発

渋谷100年の計(もう聞きあきましたが)と言われている、駅周辺を中心とする再開発が怒濤の勢いで行われています。渋谷駅を降りられた方は、八チ公口からモヤイ像付近を除く駅周辺のほとんどが工事中であることに驚くと思います。白い工事用の壁で覆われた渋谷は、ほとんど包帯ぐるぐる巻きのミイラ状態です。こんな状態が今後10年くらい続くことになります。そして、これらの事業を主導(というか独占)しているのが東急グループです。
東急は、電車と宅地開発のセットで業績を伸ばしてきた会社です。つまり、土地をたくさん持っています。三井不動産も日本で5番目に土地を保有している会社(注3)です。土地を持っている人同士の覇権争いが続いているわけです。その一方で、土地を持っている奴が最後に笑う、ということ自体と野宿者や貧困(賃貸)者たちは闘っていると言ってもいいと思います。すごく大きな敵が姿を表しているわけです。
さて、今回の渋谷再開発が排除したいと思っているのは何でしょうか。もちろん野宿者やその支援活動です。ただ、それだけではないと思います。現在、まだ、くすぶっていて火の手が上がっているわけではないと思いますが、のんべえ横町やシブチカ(渋谷地下商店街)、ではないかと思います。
歴史を遡ってみると、この2つは敗戦直後の闇市にルーツがあります。闇市が排除される中で、当事者が東京都と交渉した結果、飲食系露天商の代替地としてのんべえ横町、それ以外の露天商の代替地としてシブチカ(1957年)が作られました。ちなみに、シブチカが作られた時、東急にだまさたという経緯もあります(注4)。駅構内、駅前のそれぞれ一等地にあるシブチカ、のんべえ横町をこのままにしておくわけがありません。のんべえ横町は駅から宮下公園までのデッキをつくる計画の中で排除を受ける可能性が高いはずです。また、シブチカは駅構造の改変の中で排除を受ける可能性が高いでしょう。
これらの戦後の匂いが濃厚な空間が都市の内部にあるというのは、都市の面白味になっているはずですが、クリーンな都市を目指し、また経済効率を求める都市再開発企業や新自由主義者からは排除すべき対象でしょう。
宮下公園・神宮通公園・美竹公園もまた、戦災復興公園です。その経緯ゆえか、そこにも(少なくとも数年前までは)戦後っぽさがあり、野宿者の小屋もありました。そのような貧しかった頃を想起させる「ネガティブ」な風景は一掃したいというのが、渋谷再開発の隠れたテーマだと思います。しかし、それらは、現在に生きる戦後の公共空間の財産です。敗戦という激動と揺らぎの中でこそ実現した人間的な公共性への指向があったわけです。

4、2020東京オリンピック

前述のことは、現在、様々な問題を指摘されながら建設されようとしている国立競技場で立ち退きが強要されている都営霞ヶ丘アパートにも当てはまります。都営霞ヶ丘アパートが1964年の東京オリンピックによって作られたということはよく言われていますが、実はその前の1947年に作られた団地です。その周囲の兵舎や将校会議所にも戦災者や引き揚げ者の方が住んでいました。64年の東京オリンピックは、戦後復興した東京を見せるという動機が働いていたので、開会式などで使われる国立競技場前の霞ヶ丘アパートはその趣旨に反するために慌てて建て替えられました(当初は立ち退き計画があったようですが、住民が一団となって反対して跳ね返しました)。現在の霞ヶ丘アパートに残っている人の多くは、64年以前から住んでいた高齢者たちです。64年は建て替えでしたが、2020年オリンピックに向けては強制移転で更地にするという痕跡すら残さないやり方です。都営住宅という形で表された公共性とそのコミュニティがここでも破壊されようとしているわけです。
64年オリンピックは東京に大改造をもたらしましたが、それは2020年でも同じです。その際のモチーフは、招致の際、国内向けに都が掲げていた「東日本大震災復興」ではもちろんありません。当たり前のことですが、東京のオリンピックで東日本が復興することはありません。基本は、東アジアを中心にする国際都市間の競争で東京が勝つことです。このモチーフと危機感は、国交省の成長戦略会議(注5)や都市再生特別措置法・総合特別区域法などの中で言われてきたことです。そのような中で、東京オリンピックの招致が行われてきたわけです。政府や都の中で2020年オリンピックはアジアの都市の中で東京が優越性を持っていることを示す位置づけになっているはずです。そのために圧倒的な経済力があり超近代的な都市という見栄えを作ることに腐心しています。様々な特区(注6)は、大企業への規制緩和・税制優遇のためのものです。国内外の大企業を東京に呼び込もうとしており、オリンピックも外国人向けの商品展示会やプレゼンテーションに近いものです。再開発はオリンピック決定前から行われていますが、オリンピックの御旗によってより推進されているのは言うまでもありません。都市間競争やオリンピックのために再開発や規制緩和が行われているというよりも、それらを行うために都市間競争の危機感やオリンピックを利用する勢力がいる、と言った方がよいかもしれません。それは、もちろん大手の建設業者や不動産会社です。それらと新自由主義的な政治家たちが結託しているわけです。このような方向性は、東日本の復興に対しては人材の不足、資材の値上げによって、その妨げになるものです。富める者をより富ませることを優先することによって人間間だけでなく地域間の格差も広がるわけです。
現在、東京オリンピックは(国立競技場案の縮小や近隣都市での開催など)綻びを見せていますが、それでもこのような方向性で突っ走っています。
これらの動きは、経済的な価値の中に(偽の)公共的価値を取り込み、経済的価値による一元化を目指しています。それに対して、公共的な価値をきちんと尊重しそれを作りだし、まずは、その経済価値一辺倒の動きに歯止めをかけていくことが必要です。最終的には、公共的な価値の中に経済的ものを位置付けていくことが大事だと思います。宮下公園の裁判は渋谷区が上告したことによって続きますが、これからも、渋谷という街が、公園が、野宿者が、経済的価値と公共的価値がしのぎを削る焦点であることには変わりません。


注1 電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2015」http://goo.gl/C5GKCp
注2 立体都市公園の概要についてhttp://goo.gl/96oRFS 都市公園運用指針(第2版平成24年4月 国土交通省都市局)http://goo.gl/ECa5pf
注3 土地をたくさん持っているトップ500社http://goo.gl/uXiwK3
注4 東急は、地下街商業協同組合との合意を地下商店街オープン直前に一方的に破棄し、シブチカ店舗予定150坪の無償譲渡を賃貸に変更するとして押し切った。そのため、東急(東光)ストアのみが予定どおりオープンした。
注5 「日本の成長を実現する上で、まず国を挙げて喫緊に取り組むべきことは、アジア諸都市の台頭による日本の国際競争力の相対的低下への懸念の中、国の成長を牽引するエンジンである世界都市東京をはじめとする大都市について、国の主導により、大都市に関する戦略を明確にし、大都市の再生や成長を促す従前の仕組みを更に発展させ、これまでの既成の考え方にとらわれず規制緩和や金融措置などを講じることにより、民間の資金・活力・アイディアを最大限に引き出して国際競争力を強化することである。その結果、激化する国際都市間、特にアジア間競争に勝ち抜き、世界中から人、モノ、金、情報を呼び込むアジアの拠点、世界のイノベーションセンターとなることを目指す。」(国土交通省成長戦略2010年5月成長戦略会議)
注6 アジアヘッドクォーター特区(渋谷は東急グループ、東京全域は三井不動産が提案)、特定都市再生緊急整備地域(渋谷駅周辺開発に適用)、国家戦略特区(オリンピック特区)、東京発グローバルイノベーション特区

宮下国賠勝利集会での発言

宮下国賠勝利集会で、時間が十全に取ることが出来なかったアツミマサズミ氏の発言(原稿)をお詫びを兼ねて掲載いたします。
*****
宮下公園国賠の前提の話となぜ新宮下公園等整備計画が出たかについて話したいと思います。
現在の宮下公園は1966 年に完成しました。現況地盤高を約5メートル上げ1階を駐車場、2階部分を公園として使用しています。人工地盤の上に公園がのっているので耐震性に問題が あります。渋谷区もそのことは理解しており宮下公園を一時集合場所などの災害避難場所に指定してません。

次に、いつから宮下公園に野宿者 がいたのか。支援者データでなく行政側資料を使って説明します。渋谷区が都に対し『路上生活者概数調査』を年2回提出しています。保存年限の一番古いもの は2004年2月のもので宮下公園の野宿者は65人です。8月は72人。2005年2月76人、8月は69人。2006年2月66人、8月は66人、 2007年2月26人で8月は27人という具合に宮下公園に野宿者がいたことになっています。

ここで気がつくのは2006年8月と 2007年2月の間の野宿者の減少です。この主な理由は東京都が行った『ホームレス地域生活移行支援事業』によるものが大きく、渋谷区の対策の成果ではあ りません。渋谷区の政策によるものなら2008年1月26人。8月は21人と宮下公園の野宿者がほとんど減らないことに説明がつきません。しかも2009 年には宮下公園の野宿者は増加傾向になっています。渋谷区の対策が効果があるなら、こうはならないでしょう。

話を進めると、宮下公園の耐震性に問題がある。宮下公園には多数の野宿者がいた。このことから渋谷区のやるべき政策は1)宮下公園の耐震性をあげること2)宮下公園の野宿者対策を行うことの2点と考えます。

しかし渋谷区は1)はやってません。2)も不十分です。
まず1)の宮下公園の耐震性から説明します。宮下公園「整備計画」の発端は2007年9月12日に渋谷区役所内で行われた株式会社ナイキジャパンのプレゼンテーションです。11月29日に渋谷区議会で公明党広瀬議員の質問に対し桑原区長は以下のように発言しています。

(引用開始)教育問題に絡んで宮下公園のスケートボード場の整備についてのお尋ねでございました。
 現在の宮下公園には、平成十八年六月、フットサルコート二面が設置をされまして、子どもから大人まで延べ五万二千人の利用があり、特に土曜、日曜には多数の申し入れがあり抽せんで利用いただくなど、大変好評をいただいているところでございます。
  また、フットサルコートが設置されたことにより、ホームレスが減少し、にぎわいが取り戻されるなど公園本来の機能が回復しつつあると考えております。多く の若者から要望される宮下公園内のスケートボード場の整備につきましては、地域の理解を得てこれを進めていくことが必要である、このように思っております けれども、整備後の運営方法や財政負担の軽減等の課題もあり、民間活力を導入する手法を検討中でございます。可能であれば、平成二十年度開設に向けた準備 を進めてまいりたい、このように思っております。(引用終了)

この時点で民間活力を導入してスケートボード上を作るという宮下公園「整備 計画」の萌芽が見えます。その後2008年2月6日に株式会社ナイキジャパン、2月12日に株式会社Fidoから提案を受け、2008年3月にナイキジャ パンがネーミングライツ事業の候補者に選ばれます。2009年8月27日渋谷区と株式会社ナイキジャパンが『渋谷区立宮下公園ネーミングライツ基本協定 書』を締結し1)ネーミングライツの対価として年間1700万を10年間を払う。2)公園施設を渋谷区に引き渡すことが決定します。

で、 耐震はというと2008年9月に東急建設株式会社一級建築士事務所が渋谷駐車場(A-1棟、A-2棟、B-1棟、B-2棟)の耐震診断を行っています。そ の結果はA-1はX方向0.55、Y方向0.29。A-2はXYとも0.44。B-1はX方向0.46、Y方向0.25。B-2はX方向0.58、Y方向 0.32です。0.60が指標ですから宮下公園の1階部分の駐車場耐震性に問題があるということが裏付けられました。それにも関わらず、宮下公園「整備計 画」を進め、クライミングウォールやスケート場。管理事務所やエレベータなど新設し、外周フェンスとかフットサル場など改修して耐震性が強化されるので しょうか。

2)の野宿者対策に移ります。2008年8月に21人の野宿者がいました。2009年1月30人、2009年8月27人と宮下 公園「ナイキ化」計画が発表になっても野宿者の数は減ってません。野宿者が本格的に減るのは2010年の1月の14人からになります。この間に宮下公園で 何がおきたかというと2009年9月1日付渋谷区ニュースで宮下公園改修を発表し宮下公園フットサル場の貸出を禁止。同年10月には11月から宮下公園封 鎖するという文章を出します。

これ以前から宮下公園「整備計画」がありながら野宿者が減らなかったことから考えると、宮下公園の野宿者が 減少したのは宮下公園「整備工事」が迫ってきたことが大きいと考えられます。その後2010年2月に宮下公園下の渋谷川遊歩道に代替地を作ったこともあ り、2010年8月には宮下公園の野宿者は4人まで減少します。

最終的に宮下公園の野宿者がゼロになるのは2011年1月調査以降です。 その間に2010年9月9日渋谷区は株式会社セコムと約705万円で宮下公園警備契約を締結(9月24日まで)、9月10日渋谷警察署に対し「渋谷区立宮 下公園の部分閉鎖に伴う警戒警備の要請について」をし、9月15日渋谷区による宮下公園を一部閉鎖。そして9月24日に宮下公園の行政代執行。

2011 年4月30日の宮下公園リニューアルオープン以降は宮下公園夜間閉鎖して終日公園にいることができなくした。行政代執行の前の行政による自力救済で宮下公 園にいた野宿者を追っ払った後は物理的に野宿者を公園内にいられなくしたから野宿者ゼロ。野宿者追い出しの要素が濃厚であり、行政が野宿者対策と自慢でき ることとは思えません。

最後に野宿者の排除に成功しても宮下公園の耐震性問題は解消されていません。これを解決する手段として考えたのが新宮下公園等整備事業だと理解しています。

ですから、渋谷区議会で継続審議になっても再び新宮下公園整備事業は出てくると思われます。このような渋谷区を替えるのは世論の力が必要です。是非皆様の力を貸して下さい。

4/17宮下公園ナイキ化国賠勝利集会の報告

画期的な判決を勝ち取った宮下国賠の報告集会を4月16日に渋谷区勤労福祉会館で行いました。
あいにくの空模様でしたが多くの方に足を運んでいただき、会場(定員60名)に収まりきれないほど。とても熱気のある集会になりました。
裁判を担ってきた各原告それぞれの立場からの発言、弁護士による詳細な裁判経過と分析、今後の渋谷についてのコンパクトなまとめや、情報公開で得た区側資料の分析、など、内容も充実していました。
また、元宮下公園野宿者を強制排除した映像も上映。今回の判決に結びついた有力な証拠の1つ、とあって多くの参加者が熱心に見ていました。
時間が押してしまい、充分な質疑の時間が取れませんでしがが、今後の裁判(第二審)に向けて、改めて宮下公園の問題を問う機会になりました。

2015年4月3日金曜日

4・17宮下公園ナイキ化国賠勝利集会~迫り来る公園再整備・再開発・五輪に向けて

2011年4月に提訴し約4年に及んだ国家賠償請求裁判は、今年3月13日に判決が出されました。
原告の元宮下公園野宿者に対して、強制的排除はやりすぎだとして11万円の支払いを命ずる内容でした。
また、判決文において裁判長はナイキ化のプロセスの違法を指摘しました。
画期的な勝訴判決です。
現在の宮下公園は、違法な強制力とプロセスで出来た公園ということになります。
ただ、原告(3団体、1名)すべての主張が裁判によって認められたわけではありません。
集会では弁護士が判決を分析し、原告それぞれの立場から発言をします。

渋谷区は、三井不動産によるとんでもない「新宮下公園等整備事業」を今年の6月議会に再提出を画策しています。
再開発も五輪をにらんで様々な形で具体化しています。
そのような中で、この判決を大きなバネにして、野宿者や貧困者排除に抗し、公共の場所を守り作っていきましょう。

多くの方の参加をお待ちしています。

<速報>
3月26日に渋谷区は判決を不服として控訴しました。宮下国賠は、高裁という新たなステージでさらなる勝訴に向けて続きます。

日時 2015年4月17日(金)18時30分~
場所 渋谷区勤労福祉会館第二洋室(http://goo.gl/ykcaI)
料金 資料代300円(貧困者は無料)

内容
・弁護士による裁判の経緯と分析
・各原告による発言
・元宮下公園野宿者を強制排除した映像(渋谷区の提出した証拠)
・新宮下公園等事業、渋谷再開発などの報告
・質疑応答

よびかけ 宮下国賠原告団

問合07065110639 

2015年3月30日月曜日

4月4日ねる会<夜バージョン> 21時から

4月4日(土)21時 宮下公園新階段下集合
(段ボールロケットWS お茶 DJ あり)

ねましょう!!!!4月4日ねる会


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<ねる会の報告です>



雲の向こうに月食の月はあったのでしょうか?夜空は雲に覆われて肌寒い夜でした。
夜9時、一人二人と宮下公園の大階段下に集まってきました。
そこには、もうすでに寝ている人もいます。
「ダンボールはもうでたかな?」
「いや、まだ早い」
「あまり遅いと回収されるよ」
数人はダンボールを拾いに街を歩いていきました。
「あっちのダンボールは小さいな」
「これはこちらの公園のおかかえダンボール」
そうして、路地裏へ歩いていくと、ありました。
どっさりのダンボール。
「さあ、どれがいいかな?いくつ必要かな?」
それぞれが自分のダンボールを選びました。
よっこいしょ。ダンボールは案外重い。ダンボールを抱えたり、頭に乗せたりして大階段へ戻りました。
おぼろ月がでてきました。
さて、ダンボールロケットづくりです。
何よりも、安心して夜間飛行できるように、作りたい。
何が安心だろうか。
頭はどちらの方向がいい?少し外が見えたほうがいい?どんな形?どんな大きさ?お隣との距離はどれくらい?
絵を描いてみます。
それぞれオリジナルのMYダンボールロケットを作りました。
その時、10時30分。
宮下公園を管理する業務を委託されているフィードの人たちがやってきて公園に鍵をかけて閉めてしまいそうです。
「公園の夜間施錠をやめてください。」と抗議しました。
でもフィードの人たちは、「バイトしかいないのでわかりません」という。バイトしかいないの?じゃあ、社員さんに聞いてみてください。とお願いすると、バイトさんは社員さんに連絡をしに事務所へ戻りました。
待っていたところ、社員ではなく警察官が三人現れました。
そして、フェードの人たちは警察官たちが見守る中で鍵を強引に閉め、夜間施錠に関しては何も答えませんでした。
これが公共公園?

さて気を取り直して、、、
ダンボールロケットはそろそろ完成してきました。
ロケットに寝袋と毛布を入れて、あたたかいお茶を飲んで体もあたまった頃、明々と照らされていた広告の灯が一つ消えました。
そろそろ出発。5、4、3、2、1、、、、、
おやすみなさい。
安心して夜間飛行。
か、どうか?
早朝4時頃からポツポツと雨が降ってきました。雨は降り続け、みんなは徐々にロケットから脱出し、歩道橋の下で雨宿り。他にも雨宿りにやってきた人たちが歩道橋の下へ集まりました。
冷い雨。
夜間飛行は雨により、予定より早く不時着しました。




2015年3月28日土曜日

「三井不動産」による新宮下公園等整備事業(注1)が廃案に!

三井不動産の提案した案が、3月26日渋谷区都市環境委員会において全会一致で継続審議になりました(注2)。4月に統一地方選挙を控えているため、事実上の廃案です。
宮下公園等整備事業は、昨年8月に渋谷区が公募し計6回の非公開の検討会を経て、今年2月に三井不動産が候補者として選ばれました。落選したのは、東急急行株式会社。
新庁舎を作る三井不動産と駅周辺大規模再開発を進める東急、この2社の応募しかないこと自体が渋谷区と密着している企業に有利な内容であることが分かります。(公募期間も1ヶ月と短いものでした)
三井不動産の提案は、現在の宮下公園を更地にし3階建ての商業施設の上に公園を新築し、公園敷地(約10%相当)に17階建ホテルを建設するというもの。
公園とは名ばかりの商業施設への転用です。
しかも、公園範囲に上限を設けて(柱で宙に浮かせた)ホテルをつくるのは、都市公園法(立体都市公園)では全く想定されていません。行政自らが法の抜け道を探るという不見識さです。また、この点について水と緑・公園課(以下公園課)は「これから都や国と協議する」として、そもそも建設可能かどうかもはっきりしないままに協定締結を提案するという杜撰なものでした。
ナイキのネーミングライツとの関係についても「これから協議する」(公園課)。年間1700万の命名権料も工事中も貰えるのかどうかも「これから協議する」(公園課)(注3)。
また、宮下公園の1Fに居住する野宿者については、商業施設(路面店)による排除を前提としたイメージ図が発表されました。2010年にナイキ提案の公園を実現するために、この場所に小屋を造り公園内の野宿者を強制的に移転させたのは渋谷区です。その人たちを検討会において考慮することもせず(公園課発言)何の相談・説明もなく三井提案がなされたのも大きな問題です。

今回の都市環境委員会では、全会派一致で継続審議(注4)になりました。
ある議員によると、区長提案が廃案になるのは画期的、とのこと。
提案内容の酷さだけではなく、4月の統一地方選挙・桑原区長の引退、をにらんで様々な政治的な動きが関係していることでしょう。
また、宮下公園ナイキ化国賠で渋谷区の計画の進め方に違法と判断が下されたことも影響しているはずです(注5)。

今回の新宮下公園整備自体が、ナイキ公園が失策であったことを証明し、この一連の出来事と三井不動産案を候補とすることが、渋谷区の節操もなく商業主義に加担する姿勢を改めて明らかにしました。

来年度の4月以降、形を変えて再提出される公算もあり決して油断できません。

これからも公園の商業化、野宿者の軽視・排除に反対します。

注1 宮下公園等整備事業の候補事業者が決まりました 渋谷区HPhttp://goo.gl/aCsmis
宮下公園等整備事業イメージパース 渋谷区HPhttp://goo.gl/Sh8vPe
注2 「新宮下公園等整備事業に関する基本協定締結について」「定期借地権の設定」の継続審議。
注3 渋谷区は、三井案について、新宮下公園、と呼称しメディアにも報じられましたが、現在の公称「宮下公園」を変更していない以上通称であり、ナイキ社の命名権に抵触するのではないだろうか。
注4 渋谷区の委員会は、重要な討論部分は休憩にして傍聴させないようにする。また、議事録にも載らない。そのため各委員の意見が秘匿され公にならない。
注5 判決を踏まえ、区議会が開かれている最中の3月23日、私たちは渋谷区議全員に対して、判決文を抜粋したビラを配布、宮下公園は現状、違法な手続きの下に改修された違法な公園であるといわざるをえないことを強く訴えました。

2015年3月17日火曜日

4月17日に宮下国賠勝利報告集会(仮称)あり


とき■2015年4月17日(金)18時30分~
ところ■渋谷区立勤労福祉会館(渋谷駅徒歩10分)
よびかけ■宮下国賠原告団

詳細が決まり次第アップします。
みなさまのお越しをお待ちしています。

判決文です!

http://tinyurl.com/lezj7fo

*原告名は原告団で墨消ししました

2015年3月13日金曜日

宮下国賠、勝利判決!!! 強制排除のみならず宮下公園ナイキ化計画についても違法性を指摘

2011年4月20日に東京地方裁判所に提訴した宮下公園国家賠償請求裁判が、2015年3月13日に判決を迎えました。
判決は、宮下公園のナイキ化の違法性にまで踏み込む判断を示したもの。画期的な判決を勝ち取りました。
主なポイントは以下の4つです。
1、公園の改造計画が議会の承認を経ていない違法性(議決が必要な地方自治法96条の「負担付き贈与」に該当)
2、競争入札をしていない違法性(地方自治法234条)
3、公園生活者を強制的に追い出した違法性 
4、行政代執行に至る手続きの違法性

1と2は、ナイキ化のプロセスそのものが違法であると指摘したもの、3と4は、不当な排除を指摘したもの、いずれも重大な内容です。

宮下公園のナイキ化は、桑原区長と次期区長選への出馬が噂されている長谷部健区議らが、トップダウンで推し進めた計画です。大企業と癒着し利用者を無視する手法自体が司法の場で厳しく裁かれました。

一方で、公園内に高層ホテルを建てるなど、とんでもない宮下公園の商業施設大改造(三井不動産提案)が、現在発表されています。http://goo.gl/t4ic8V
今後とも公園の公共性を守るために共に闘っていきましょう。

*判決文など詳細は近日アップします。

2015年3月9日月曜日

3月13日(金)ついに判決です!!!

東京地方裁判所510号法廷 3月13日(金)13時10分~

2011年4月21日提訴より約4年。いよいよ待望の判決です。ぜひ、ご関心のある方傍聴にお越しください。
なお、判決後、簡単な集まりも持ちます。(日比谷公園霞門付近予定)
*********
公園は一企業のもの?
 渋谷区は、スポーツメーカー・ナイキジャパンに、区立宮下公園のネーミングライツ(命名権)を売り渡す。ナイキジャパンは自費で宮下公園を改修、有料の施設を設け公園の利用者をふるいにかける。宮下公園はナイキジャパンの広告塔となり、当然にも野宿者、貧困者は公けの園から追い出される。渋谷区は、この計画を水面下で推し進める――。
 ナイキ化計画の存在が発覚したのは、2008年5月のこと。もちろん私たちは、これに繰り返し異議を唱えました。が、ナイキジャパン、渋谷区が、私たちの声に耳を傾けることはありませんでした。そして渋谷区は、2010年9月15日早朝、何の予告もなく宮下公園を全面閉鎖し、同年9月24日には、行政代執行によりテントなど私たちの私物を撤去してしまったのです。全面閉鎖の当日、渋谷区の職員、ガードマンに力ずくで園外に追い出されケガを負ったのが、原告の元宮下公園野宿者です。
 渋谷区とナイキジャパンが交わした協定書では、宮下公園は「宮下NIKEパーク」とネーミングされていました。しかし、渋谷区もナイキジャパンも世論の批判を恐れたのか、現在では、両者とも宮下公園を平仮名で「みやしたこうえん」と表記しています。
 2011年4月20日、私たちは、東京地方裁判所に渋谷区を被告とする国家賠償請求訴訟を提起。それから3年、2014年11月14日に結審しました。口頭弁論、原告への尋問、証人尋問のなかで、渋谷区とナイキジャパンとの癒着は、私たちの想像を超え、より早いころからより深いものとしてあったこと、渋谷区による行政代執行の手続きには、この期に及び弁明のしようもないほど不備があったこと、などが明らかになりました。
 2015年3月13日、いよいよ判決が下されます。多くのみなさんの傍聴、注目を訴えます。

公園はみんなのものだ!
 今、渋谷区は、宮下公園をあらためて「整備」する計画を練っています。桑原区長は「今後も宮下公園の整備を進める」「商業施設の導入も合わせて検討していく」旨述べています。私たちの反対を押し切り、すでに有料施設が設置されている宮下公園に、さらにその利用者を限定する「商業施設」が「導入」されるなど許せません。
 この年末年始も、渋谷では越年闘争が取り組まれました。越年闘争は、渋谷区を始め行政がその窓を閉ざす時期、共同炊事、集団野営などを通し、野宿者、貧困者がともに生き抜いていく文字通りの闘いです。しかし、あろうことか渋谷区は、越年闘争の拠点である宮下公園はおろか、その周辺にある美竹公園、神宮通公園(いずれも区立公園)まで、それも12月26日から9日もの間、全面閉鎖してしまったのです。越年闘争は宮下公園の新階段下のスペースを拠点に貫徹されたものの、渋谷区は、宮下公園のみならずあらゆる公園から野宿者、貧困者などの「弱者」を追い出し、誰もが利用できるはずの公園から「公共性」を奪い去ろうとしているようです。これが、2019年、ラグビーワールドカップ、2020年、オリンピック・パラリンピックの開催を前に、このかん、渋谷区が加速させている「都市再開発」の実態なのではないでしょうか。
 宮下公園ナイキ化反対! 国家賠償請求訴訟は、渋谷区を筆頭とする行政の「まず弱者の排除ありき」の姿勢を問うものでもありました。3月13日、東京地方裁判所へ! 判決への注目を!
                                   
                                   


2015年3月8日日曜日

原告最終準備書面

2014年11月14日に提出した最終準備書面です。http://tinyurl.com/oajv7l6

被告最終準備書面 http://tinyurl.com/pfbeb28


陳述書

2013年7月12日(12回公判)に提出した陳述書の一部です。(肩書は当時)

毛利嘉孝(東京芸術大学音楽学部准教授(社会学))http://tinyurl.com/n386gka

楡原民佳(聖公会野宿者支援活動・渋谷代表)http://tinyurl.com/mexakf5

稲葉奈々子(茨城大学人文学部 人文コミュニケーション学科准教授)http://tinyurl.com/kb36bs7

鶴見済(ライター)http://tinyurl.com/kk2dyzc

小川てつオ(アーティスト)http://tinyurl.com/q66fd6e

根岸恵子(美術家)http://tinyurl.com/nxgqv8e

栗田隆子(ライター) http://tinyurl.com/qgbmyzo

なかちきか(代々木公園文芸部) http://tinyurl.com/qzemwt9

渥美昌純.(渋谷区民) http://tinyurl.com/qcq4vro

いちむらみさこ(宮下公園A.I.R.原告) http://tinyurl.com/oxlk5ks

山川宗則(みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会原告) http://tinyurl.com/nls464x

黒岩大助(渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合原告) http://tinyurl.com/kv56jv6

2012年12月14日(第9回公判)で提出した意見書
齋藤 純一(早稲田大学政治経済学術院教授)http://goo.gl/Z5gyY