2015年3月13日、東京地方裁判所は判決文の中で、ナイキジャパンと渋谷区の協定(契約)が「負担付きの寄附又は贈与」にあたるにもかかわらず、議会の承認を経ていないとして地方自治法96条違反、協定が随意契約であり一般競争入札をしていないとして地方自治法234条違反であると述べました。
その後、渋谷区は原告のうち宮下公園元野宿者のみに対して控訴し、地方自治法違反に関しても反論しましたが、2015年9月17日、東京高等裁判所は、その主張を失当と判断し、また渋谷区の控訴自体も棄却しました。渋谷区は最高裁判所への上告を行いませんでした。
誰から見ても、地方自治法違反は確定したものと思えます。しかし、長谷部健渋谷区区長は私たちの公開質問状(2015年8月24日)に対して、高裁判決後の2015年10月26日に驚くべき回答をしました。
「地方自治法にまつわる争点については、控訴審においては実質的な判断がなされておらず、原審の判断が確定したものではありませんので、渋谷区は適正に地方自治法の手続きを進めたものと考えております」
このことについて、私たちはブログ上で見解を述べ批判をしています(http://minnanokouenn.blogspot.jp/2015/11/blog-post_24.html)
さらに、本年11月21日、新宮下公園等整備事業の都市計画への意見書を公園課に提出した際、そもそも契約が違法である宮下公園について説明も是正もせずに新宮下公園整備をするのはおかしい、と吉武公園課長に言ったところ、地方自治法の違法は確定していないと未だに強弁を繰り返しました。
そこで、地裁(原審)判決の確定証明を地裁の担当書記官であった藤岡勝徳氏からもらいました。
12月12日、公園課との交渉において、吉武課長は判決確定証明書を見るとトーンダウンし「これ確定したと書いてあるから、確定しているんだねぇ」とショックを隠せないながらも、「これ以上私から言うことはないなぁ。渋谷区の事務は適切に行われたことは間違いない」と言い、地方自治法の確定については認めようとしませんでした(ダイジェスト映像https://youtu.be/5-qI_FuaoN8)。この件について所管しているのは文書課だと吉武課長が言うので、翌13日に改めて、藤原文書課課長を入れて話し合いをしました。
以下、藤原課長とのやりとりをある程度詳しく再現してみます。
藤原課長は、「地裁の判決は確定しています。しかし、既判力を持つのは主文だけで、地裁が契約についての違法を言っているのは判決文の理由の中の判断なので既判力がありません。よって契約の違法は確定していません」と居直りました。
既判力とは、確定判決に与えられる拘束力のことで、民事訴訟の場合は藤原課長の言うように主文において認められています。
私たちは、「既判力の話をしているのではない、既判力がないから確定していないというのはおかしい」と反論しました。また、「渋谷区が敗訴部分を取り消しを求め高裁に控訴する際に、地方自治法違反についての反論を行っている、つまりその部分が敗けたことを認めていたのではないか」と問うと、「それは敗訴部分ではないが納得いかないので意見をした」と答えました。
その反論が認められず失当とされたのに「なぜ上告しなかったのか?」と問うと、「地方自治法のところは意見であり、損害賠償請求の部分は棄却されたので、それ以上争わないという判断をしたのです」と藤原課長。
10分もしないうちに、吉武課長が「じゃ、これで」と割って入り藤原課長を逃がそうとする。
「地方自治法において適法だったというのはどこに書いてあるの」と聞くと、「それは区としての考えです」と藤原課長。「主観的な判断ですよね」と言うと、「そうですね、しかし違法というのは確定はしていない」と藤原課長。
「では、例えば、ナイキとの契約は私権の設定にあたり違法であるという私たちの主張は地裁が退けたけど、それも判断であって確定していないと言っていいわけですか?」と問うと、「既判力が及ばないということではそうだと思います」と藤原課長。
山本弁護士が電話で意見をして、「地方自治法違反という判断が確定していないというのは非常に主観的だ」と藤原課長に伝えました。「弁護士の先生のご意見は分かりました、ただ区としては、、、」と口ごもる藤原課長。
「判決の確定と判決文の確定は同じですか?」と問うと、「確定という意味ではそうですね」と藤原課長は認めた。「判決文の一部に、地方自治法違反というのが書かれていますね」と言うと、「書かれています」と藤原課長。「そうすると地方自治法違反も含めての確定になるじゃないですか」と言うと、「判決文の中に書かれてあることは確定していると思います、ただ区はそうではないと争っていたので、あくまでも理由のところで書かれたことですので、それ自体は裁判所の確定した判断にはなっていない、ということです」と藤原課長。
「高裁で反論したから地裁の判決は宙づりだということをおっしゃったのですね」と言うと、「いやそういうことではなく、主文だけしか拘束力がなく、その過程で判断した部分については拘束力を持たない」と藤原課長。「それはそうかもしれないし、今後の問題かなと思うのだけど、まずは確定しているかしてないかをはっきりさせたい」と言う。「判決文に書かれた内容については確定していて、地方自治法違反も含まれていますよね」と改めて問うと、「それはそうです」と藤原課長。「ということは地方自治法違反も確定していますよね」と問うと、「そのような判断をしているということは確定しています」と藤原課長。
「ようやく歩み寄ってきたと思うのですが、地方自治法違反は現状として確定していますか」と問うと、「そうですね」と藤原課長。
「最初からそう言えば良かったじゃない」と言う声が複数あがる。「そう言っていたつもりだったんですけど」と藤原課長。「確定していないって言っていたじゃない、はじめから言えば良かったじゃない」と言うと、「はい、すいません(小声)」と藤原課長。
吉武課長が再び藤原課長を逃がそうとするが、昨年10月26日づけの長谷部区長の公開質問状に対する回答を藤原課長に見せる。「控訴審において失当という判断はされているのではないか」と問うと、「適法か違法かという判断はされていない」と藤原課長。「言いたかったことはそういうことかもしれないが誤解を生むよ」と言うと、「それはたしかにそうですね」と藤原課長。「しかもそれを論拠にして原審の判断が確定していないというのはおかしいよね」と問うと、「ここで言っている時は既判力の問題で及ばないということを主張したかった」と藤原課長。「だったら、判断は確定しているけど既判力は及んでいませんと書けば良かったじゃない」と言う。「これは今後、問題にしていきますよ。」という言葉を背に受けながら、藤原課長と吉武課長は引き上げていきました。
結局、藤原課長は地方自治法違反の確定を既判力の問題に縮減していましたが、途中からその主張を維持できなくなり、地方自治法違反という判断は確定していると言わざるを得なくなりました。2015年10月26日の長谷部区長回答から続いていた、渋谷区のこの件についての非常識な見解は否定されました。
現在の宮下公園がナイキとの違法な契約に基いていることを渋谷区はようやく認めました。
私たちは、引き続き、渋谷区、宮下公園、新宮下公園整備事業を追求していきたいと思っています。
その後、渋谷区は原告のうち宮下公園元野宿者のみに対して控訴し、地方自治法違反に関しても反論しましたが、2015年9月17日、東京高等裁判所は、その主張を失当と判断し、また渋谷区の控訴自体も棄却しました。渋谷区は最高裁判所への上告を行いませんでした。
誰から見ても、地方自治法違反は確定したものと思えます。しかし、長谷部健渋谷区区長は私たちの公開質問状(2015年8月24日)に対して、高裁判決後の2015年10月26日に驚くべき回答をしました。
「地方自治法にまつわる争点については、控訴審においては実質的な判断がなされておらず、原審の判断が確定したものではありませんので、渋谷区は適正に地方自治法の手続きを進めたものと考えております」
このことについて、私たちはブログ上で見解を述べ批判をしています(http://minnanokouenn.blogspot.jp/2015/11/blog-post_24.html)
さらに、本年11月21日、新宮下公園等整備事業の都市計画への意見書を公園課に提出した際、そもそも契約が違法である宮下公園について説明も是正もせずに新宮下公園整備をするのはおかしい、と吉武公園課長に言ったところ、地方自治法の違法は確定していないと未だに強弁を繰り返しました。
そこで、地裁(原審)判決の確定証明を地裁の担当書記官であった藤岡勝徳氏からもらいました。
12月12日、公園課との交渉において、吉武課長は判決確定証明書を見るとトーンダウンし「これ確定したと書いてあるから、確定しているんだねぇ」とショックを隠せないながらも、「これ以上私から言うことはないなぁ。渋谷区の事務は適切に行われたことは間違いない」と言い、地方自治法の確定については認めようとしませんでした(ダイジェスト映像https://youtu.be/5-qI_FuaoN8)。この件について所管しているのは文書課だと吉武課長が言うので、翌13日に改めて、藤原文書課課長を入れて話し合いをしました。
以下、藤原課長とのやりとりをある程度詳しく再現してみます。
藤原課長は、「地裁の判決は確定しています。しかし、既判力を持つのは主文だけで、地裁が契約についての違法を言っているのは判決文の理由の中の判断なので既判力がありません。よって契約の違法は確定していません」と居直りました。
既判力とは、確定判決に与えられる拘束力のことで、民事訴訟の場合は藤原課長の言うように主文において認められています。
私たちは、「既判力の話をしているのではない、既判力がないから確定していないというのはおかしい」と反論しました。また、「渋谷区が敗訴部分を取り消しを求め高裁に控訴する際に、地方自治法違反についての反論を行っている、つまりその部分が敗けたことを認めていたのではないか」と問うと、「それは敗訴部分ではないが納得いかないので意見をした」と答えました。
その反論が認められず失当とされたのに「なぜ上告しなかったのか?」と問うと、「地方自治法のところは意見であり、損害賠償請求の部分は棄却されたので、それ以上争わないという判断をしたのです」と藤原課長。
10分もしないうちに、吉武課長が「じゃ、これで」と割って入り藤原課長を逃がそうとする。
「地方自治法において適法だったというのはどこに書いてあるの」と聞くと、「それは区としての考えです」と藤原課長。「主観的な判断ですよね」と言うと、「そうですね、しかし違法というのは確定はしていない」と藤原課長。
「では、例えば、ナイキとの契約は私権の設定にあたり違法であるという私たちの主張は地裁が退けたけど、それも判断であって確定していないと言っていいわけですか?」と問うと、「既判力が及ばないということではそうだと思います」と藤原課長。
山本弁護士が電話で意見をして、「地方自治法違反という判断が確定していないというのは非常に主観的だ」と藤原課長に伝えました。「弁護士の先生のご意見は分かりました、ただ区としては、、、」と口ごもる藤原課長。
「判決の確定と判決文の確定は同じですか?」と問うと、「確定という意味ではそうですね」と藤原課長は認めた。「判決文の一部に、地方自治法違反というのが書かれていますね」と言うと、「書かれています」と藤原課長。「そうすると地方自治法違反も含めての確定になるじゃないですか」と言うと、「判決文の中に書かれてあることは確定していると思います、ただ区はそうではないと争っていたので、あくまでも理由のところで書かれたことですので、それ自体は裁判所の確定した判断にはなっていない、ということです」と藤原課長。
「高裁で反論したから地裁の判決は宙づりだということをおっしゃったのですね」と言うと、「いやそういうことではなく、主文だけしか拘束力がなく、その過程で判断した部分については拘束力を持たない」と藤原課長。「それはそうかもしれないし、今後の問題かなと思うのだけど、まずは確定しているかしてないかをはっきりさせたい」と言う。「判決文に書かれた内容については確定していて、地方自治法違反も含まれていますよね」と改めて問うと、「それはそうです」と藤原課長。「ということは地方自治法違反も確定していますよね」と問うと、「そのような判断をしているということは確定しています」と藤原課長。
「ようやく歩み寄ってきたと思うのですが、地方自治法違反は現状として確定していますか」と問うと、「そうですね」と藤原課長。
「最初からそう言えば良かったじゃない」と言う声が複数あがる。「そう言っていたつもりだったんですけど」と藤原課長。「確定していないって言っていたじゃない、はじめから言えば良かったじゃない」と言うと、「はい、すいません(小声)」と藤原課長。
吉武課長が再び藤原課長を逃がそうとするが、昨年10月26日づけの長谷部区長の公開質問状に対する回答を藤原課長に見せる。「控訴審において失当という判断はされているのではないか」と問うと、「適法か違法かという判断はされていない」と藤原課長。「言いたかったことはそういうことかもしれないが誤解を生むよ」と言うと、「それはたしかにそうですね」と藤原課長。「しかもそれを論拠にして原審の判断が確定していないというのはおかしいよね」と問うと、「ここで言っている時は既判力の問題で及ばないということを主張したかった」と藤原課長。「だったら、判断は確定しているけど既判力は及んでいませんと書けば良かったじゃない」と言う。「これは今後、問題にしていきますよ。」という言葉を背に受けながら、藤原課長と吉武課長は引き上げていきました。
結局、藤原課長は地方自治法違反の確定を既判力の問題に縮減していましたが、途中からその主張を維持できなくなり、地方自治法違反という判断は確定していると言わざるを得なくなりました。2015年10月26日の長谷部区長回答から続いていた、渋谷区のこの件についての非常識な見解は否定されました。
現在の宮下公園がナイキとの違法な契約に基いていることを渋谷区はようやく認めました。
私たちは、引き続き、渋谷区、宮下公園、新宮下公園整備事業を追求していきたいと思っています。
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