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2023年12月11日月曜日

2023年12月14日 渋谷区の野宿者襲撃許さない 人権救済申し立て報告集会と渋谷区に対する抗議行動

 昨年10月25日早朝、渋谷区・東京都・ヒューリック・清水建設による美竹公園一帯の「渋谷一丁目地区共同開発事業」に基づき、野宿者がテントをはって生活している美竹公園を渋谷区は強制封鎖しようとしました。野宿者が目を覚ました時には、フェンスでトイレや出入り口の封鎖を始めていました。中にいた野宿者は説明を求めましたが無視されたままでした。多くの人の抗議により、公園出入り口の一部を渋谷区が開いたのは、夜12時をまわっていました。
それから、美竹公園の野宿者は、常に警備員に出入りを監視され、いつ排除されるか分からない強い不安とストレスの中に置かれました。
渋谷区は、私たちの訴えに耳を傾けようともしない不毛な話し合いをアリバイとして行いながら、一方で行政代執行という強制排除の法的手続きを進め、さらには、美竹公園の仮囲いを強化(鋼板設営&警備)するための7900万円もの臨時予算を12月7日、可決しました。
美竹公園の野宿者は、公園封鎖の危険を察知し、12月13日に、近くの神宮通公園北側へ避難しました。翌朝、渋谷区は美竹公園一帯に鋼板を設置し始めました。その上で、夕方、大量の警備員を引き連れて、神宮通公園北側を急襲しました。野宿者や支援者を警備員の人垣で取り囲み、身動きが取れなくし、新たに作った小屋や荷物(財布・衣服・薬・メガネ・携帯・アルミ缶など)、ねる会議倉庫や毛布など一切合切を持ち去りました。

来る12月14日、あの暴虐の時から1年目にして、私たちは、渋谷区の一連の人権侵害に対して、東京弁護士会に人権救済申し立てを行い、渋谷区に対する抗議行動および集会を持ちます。
みなさんのご参加をお待ちしています。

<渋谷区に対する抗議行動>

17時 区役所前 炊き出し&情宣

<人権救済申し立て報告集会>
18時半 開会 激動の1年前を映像で振り返る 弁護士による説明 申立人あいさつ など

場所 渋谷区勤労福祉会館2F第二洋室(渋谷区神南1-19-8)
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/shuro/kinro/kinro.html

※資料あります(カンパ制)
※撮影、録音、取材の方は、事前にメールにて申し出ください。撮影については主催からのお願いを守ってください。生配信はお断りします。
※勤労福祉会館は2階へ上がるためのエレベーターはありません。サポートが必要な方はスタッフにお知らせください。

※情報保障などサポートや配慮が必要な方は、事前にお知らせください。ご相談の上できるだけ対応いたします。


主催 ねる会議 http://minnanokouenn.blogspot.com/?m=1
問合先 nerukaigi@gmail.com


2023年12月5日火曜日

神宮通公園などのトイレ・ゴミ箱について、渋谷区に要望しました

渋谷区公園課に要望書として、渋谷区議会(第4回定例会ー現在開会中)に陳情として、提出しました。
内容は以下の要望書をお読みください。
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神宮通公園などのトイレ・ゴミ箱についての要望書
 

渋谷区長谷部健区長
渋谷区土木部長

神宮通公園は明治通りに面した南側と線路に面した北側に2分され、その間に土木事務所が入るマンションがあるため、相互に直接行き来することはできない。
公衆トイレがあるのは南側のみである。
南側トイレは、著名な建築家の設計で、国際的な映画監督による作品舞台になるなど注目されているが、女性用の個室1つ、男性用の小便器2つ・個室1つ、多目的トイレ1つしかなく、トイレを待つ人がよく見受けられる。
美竹公園は閉鎖中、宮下公園南側にあった小公園のトイレも廃止され、近辺の公衆トイレはその数を減らしている。

このような状況下にあって、神宮通公園(北側・南側)で立ち小便をする来街者が後をたたない。とくに、近隣でイベントなどが行われる折には、1時間に10名前後が公園北側に立ち小便にやってくることもある。また、小便だけではなく、大便をされることも起きている。

また、神宮通公園には、一般利用できるゴミ箱がないため、来園者によるゴミが捨てられている。

以下、要望する。

1,神宮通公園北側の出入り口など目につきやすい場所、複数箇所に、「トイレは◯メートル先の明治通り沿いの公園にあります。ここにはありません」などのトイレを示す分りやすい掲示を早急に行うこと
2,来街者が増える年末・年始、明治通り沿い(土木事務所前の3角スペースなど)や神宮通公園北側に仮設トイレを設けること
3,神宮通公園北側にトイレを設けること
4,神宮通公園にゴミ箱を設けること

2023年11月27日
ねる会議


2023年7月31日月曜日

7月22日「報告とおやつ」レボート

7月22日、真夏日とは言え夜風が涼しい神宮通公園には40人ほどが集まった。いつも寄り合いで使うイスや段ボールに腰を下ろし、スイカを分け合う。


「誰もがいられる公共の場所を作るためにこの報告会を開いた」と司会から趣旨が話され、昨秋以降の渋谷区による美竹公園、神宮通公園の野宿者排除についての報告会が開始された。

最初の報告者からは、これまでの美竹公園、神宮通公園の経緯が話された。
「美竹公園では98年からのじれんが共同炊事を始めた。その頃は東京都児童館が隣接していて、閉館後に飯づくりや寄り合い、集団野営が行われていた。」
まだ広く樹木もたくさんあった頃の美竹公園の写真がスクリーンに映し出されるとどこからともなく「おぉ」と声が漏れる。



「2012年に、美竹公園・渋谷区地下駐車場・公衆トイレの三か所を一斉封鎖して野宿者排除をするという出来事があった。その後、美竹公園では行政代執行の手続きが取られたので、昨秋の一件は二度目の行政代執行ということになる。一度目の行政代執行のあと、交番が作られた。
2013年に東京五輪招致が決まると、その年末、宮下公園で行われていた越年越冬闘争を機動隊が大挙して強制排除するという出来事があった。排除されたあと、神宮通公園(南側)で越年を続けた。10年前の神宮通公園はフェンスも低く、今よりも少し広かった。2014年以降、292日間粘って夜間施錠を阻止する行動もやった。」

この10年間、追い出しが繰り返されてきたが、美竹公園も神宮通公園も皆で守ってきた場所だということが改めて確認された。

二番目の報告者は、渋谷区の街づくりの問題点について報告した。
「渋谷区は公共の場で野宿者が寝泊りしたり荷物を置いたりすることについて、絶対にダメだと一貫して言ってきた。その姿勢が2つの現れ方をしている。1つは福祉的アプローチ、つまりハウジングファーストをはじめとした福祉を手厚くやっていると強弁するもの。もう1つは福祉に乗らない人への徹底的な排除。この2つはコインの裏表として行われてきた。
渋谷区はプレスリリースで『(10月)25日には、路上生活者の社会復帰を目的とするのではなく、公共スペースに起居させることを目的として活動している団体が、警備の制止を振り切り、閉鎖した公園内に侵入しました。』と書いている。起居『させている』という言い方は、野宿者の主体性をまるで無視した言い方で、支援者や活動家がそそのかしていると言わんばかりだ。野宿者が自分たちの力で生活を営み、関係性を築き、場を作っていっていることを無視していて、何重にも誤っている。そういう野宿者の主体性を軽視したあり方が排除に結びついているのだろう。
そういった渋谷区の姿勢に感化されるような形で様々な襲撃が起こっている。今年の4月にも神宮通公園南側で襲撃があり、加害者は『生保を取れ』と言いながら石を投げてきた。渋谷区がやっていることとほぼ同じこと。行政のあり方に影響されている。
それに対して私達が言ってきたのは『わたしたち野宿者はこの街で生きている』ということだ。私たちの要求は「代替地を出せ」つまり、同じような公共の空間において生活を継続させろ、ということで、この部分が渋谷区と一番ぶつかっていた部分だ。」
「なぜ渋谷区が公共の空間で野宿者を生活させないようにしているのか。それは渋谷の再開発が公共の空間に民間企業が参入してくるというやり方をしていることと関係しているだろう。こういう状況で、どう公共の空間を守り使っていけるのかが課題だ。」

三番目の報告者からは、渋谷区の再開発と野宿者排除に対して私たちが何をしてきたのか、再開発の本格化から強制封鎖前夜まで、スライドで年表を示しながら報告された。2021年3月に美竹公園再開発の事業実施方針が公表されるも、当時はコロナ禍で皆で集まって行動することが難しい時期で試行錯誤したという。事業実施の審査員にハガキを送るハガキ作戦では皆がそれぞれ思い思いの言葉を書いたこと、強制封鎖の2週間前には美竹公園で渋谷秋まつりが行われたことなどが話された。

渋谷区との交渉は主に総務課、公園課、まちづくり3課を相手に行っており、2020年までは課長級が出てきたが、2021年度以降役職者を出してこなくなり、公開情報以外喋らない、しらを切るという態度だった。相手がハナから追い出すつもりでいる時に交渉を成立させるのは難しかったが、情報を引き出したり、皆で行動するきっかけになったりという意義はあったと振り返った。

最後の報告者は、10月25日の美竹公園強制封鎖以降の出来事について写真を見せながら報告した。
「10月25日の強制封鎖に先駆けて、渋谷区は10月11日から神宮通公園の夜間閉鎖、プランターの設置など、追い出された野宿者の逃げ場を塞ぐということをやっていた。10月18日にはねる会議が、19日には美竹公園の野宿者が、公園を突然閉めるようなことはしないでほしいと伝えていた。
にもかかわらず、10月25日の朝、渋谷区職員や警備員が突然大量にやってきて公園を封鎖した。さらに外から中が見えないように目隠しをし、野宿者を大勢で取り囲んで福祉を受けろと迫った。半ば脅しだ。トイレも封鎖し、水道も止めるという人権侵害の中、とにかく中に残った人が心配だったので、タイミングを見計らって中に入った。夜遅くようやく課長が現れ、公園を閉めさせずに翌日を迎えた。
翌日、何を尋ねても渋谷区は一切答えない。『これまで丁寧にお声をかけてきた』としか言わない。公園は利用禁止にされ、納得がいかず、監視行動を毎日やった。」

その後、行政代執行の手続きが開始され、再び強行な手段が取られないよう話し合いやデモなどに取り組んだことを振り返った。12月13日、ついに話し合いにこぎつけるも、代替地を要求する私たちに対し、渋谷区はそんな場所は出せない、福祉を受けろの一点張り。そこでその夜、美竹公園から神宮通公園に自分たちで移動した。
「すると翌12月14日、渋谷区は美竹公園を再封鎖した。夕方、美竹公園の封鎖のために4000万円以上の予算をつけて雇っていた警備員と渋谷区職員が神宮通公園に100人くらいで来襲し、財布も衣類も薬も、身ぐるみ剥がして行った。とても寒かった。仲間が毛布を持ってきてくれたり、段ボールを集めたりして、なんとか寝た。」


「その日からこの公園の前に警備員がずらっと並ぶようになった。この日から神宮通公園も利用禁止にされた。渋谷区はその理由を、近隣住民が放火や騒音などの不安がある中、さらに荷物が置かれたためだと説明した。次の日、渋谷区の倉庫に荷物を取り返しに行った。美竹公園でも行政代執行が行われた。そこでも大量の警備員が用意された。その警備員たちが再び神宮通公園に来るのではないかと心配で応援を呼びかけた。越年越冬闘争も神宮通公園南側で実施した。」
「私たちは公園の利用禁止をどう解除させるかということを考えていた。実際には神宮通公園は一般の人たちも利用しているのに利用禁止にしている。矛盾を作っているのは渋谷区だった。渋谷区の区民の皆さんが要望書を出してくれた。住民の迷惑という言い分を覆すような行動だった。そして2月1日、利用禁止が解除された。たくさんの人の協力の中で公共の公園が守られた。公園には、保育園の人たち、掃除の人たち、野宿者も含め色んな人がいる。野宿者がいることで不適切な公園というのはやめてほしい。」 

続いて、美竹公園・神宮通公園からの野宿者排除に抗する取り組みに様々な形で支援を寄せてくれた方々から発言があった。

まずは渋谷区に対して公園の利用禁止を解除するよう要望書を出してくれた区民の方から。
「渋谷区が神宮通公園まで封鎖しようとしたことで、いい加減にしてほしいと思った。これまでもヘイトスピーチに対する条例を作ってほしいと申し入れたりした経験があり、短期間で要望書を作って10人くらいで渋谷区役所に行った。公園課、まちづくり課、広報課を回って責任者の対応を求めたが、どの課も最初は逃げていた。最終的には出てきてくれたが感触は悪かった。その際、公園の利用禁止を続けるのかどうか答えを聞きたいと言ったのに未だ回答はない。そうこうしているうちに利用禁止が解除された。野宿者排除をする区民もいる中で、そうじゃない区民もいるということを示すことは必要。区政は全然いいと思わない。区長を下ろすということをやっていきたい。」
「少しでも役に立てたなら良かった。渋谷区では再開発がとにかく行われている。企業や行政に働きかけること、もっとやっていきたい。」
「この間の選挙のとき、買いものをしていたら前からたまたま長谷部区長が歩いてきた。選挙のときだけニコニコして、私たちが話を聞いて欲しいときには相手にしないじゃないか、と言えた。野宿者排除のことも言った。目つきが変わった。長谷部は是非話し合おうと言ったが、本当に話し合うつもりがあるのだろうか。」

続いて12月14日の神宮通公園の襲撃以降、連日駆け付けてくれた方から。
「自分は入管問題に取り組んでいる。入管のことと野宿者のことは通じていると思う。街の中にいるのにいないものとするという点や、どんなことをしても強行するという点が。やはり我々が声を出さなければならない。人は何が起こるかわからないということを身をもって経験している。そのときに色んな人がいるということがわかるだけでも助かった。色んな人がいていい社会を作りたい。この場所があるということは僕にとって大きなことだ。」

江東区の竪川河川敷公園から応援に駆けつけてくれた野宿者も発言した。
「渋谷区の強制排除は悲しかった。自分も竪川で行政代執行を2回受けて、去年の2月で10年経った。どこへ行っても野宿者同士のつながりは大事だ。行政は嘘の塊、国もそう。一人一人を大事にしない。信用するのは周りにいる仲間だ。動ける間は助け合いたい。各地で野宿者排除が起こるのは悲しいこと。手に負えないから強制的にやるというのには反対だ。何かあったら皆で集れば最高の力じゃないか。」

最後に、神宮通公園に暮らす当事者がマイクを握った。
「神宮通公園が襲われたとき、人が中にいる場合には入口は封鎖できない、だから公園の中にとどまらなきゃいけないと思って頑張った。警備員が威圧する中で長時間緊張状態だったが、いろいろな支援をいただいて本当に助かった。」

涼し気なフルーツ寒天ゼリーが配られる中、司会から「皆、元気です。なるべく野宿者同士で力を強めていこうと『ホームレス情報センター』という取り組みも始めています」と近況が報告された。そして「これからもこの街で一緒に生きていけるように」と報告会は幕を閉じた。







2023年7月18日火曜日

報告会とおやつ

日時 2023年7月22日(土)20時~22時
場所 神宮通公園北側
主催 ねる会議

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応援に集まっていただいた皆さんへ

 昨年10月25日、渋谷区が野宿者を追い出すため秘密裏に計画した、美竹公園の強制封鎖がありました。その後、美竹公園のテントや荷物に対して、行政代執行手続きが始まりました。12月13日、強制排除の危険を感じたわたしたちは神宮通公園へ避難しました。ところが渋谷区は、翌14日、職員と警備員など約100人で神宮通公園にまでおしかけ、野宿者6名とねる会議の全ての荷物を横奪する前代未聞の暴挙を行いました。しかし、わたしたちは公園で尊厳のある生活を諦めませんでした。また襲ってくるかもしれない渋谷区を警戒しながら、神宮通公園が封鎖されないようにゲートに泊まり込み、トイレのある公園南側の夜間施錠を阻止し、荷物を取り返し、渋谷区に抗議をしました。

 渋谷区の暴力的で大がかりな野宿者排除に、わたしたちだけでは対応できず、広く応援を呼びかけました。各地の野宿の仲間や学生、地域住民、また遠方からも、たくさんの方々が現場に集まることで、渋谷区政の、野宿者への態度や公園のあり方を問うこととなりました。

 今年2月1日、渋谷区は神宮通公園のゲートを開放しました。わたしたちは、渋谷区職員に説明を求めても無視され、大勢の職員や警備員に長時間囲い込まれ、大切な荷物を奪われるなどトラウマ的な経験をしましたが、野宿者も居て24時間開放されている公共の公園を取り返すことができました。そして、6人の野宿者は、警備員に監視される日常をようやく脱して、日雇いなどの仕事にでかけるなど生活を立て直していきました。

 一方、渋谷区はプレスリリースで地域住民との亀裂をあおり、今でも野宿者の荷物に貼り紙をすることがあります。そのため、野宿者が命をつなぐ場所を守り、仲間たちと共に居られる場を作る闘いは続いています。

 応援に集まっていただいた皆さんへ、美竹公園・神宮通公園の野宿者の状況について報告会を開きます。ささやかな夏のデザートも作ります。ぜひ、ご参加ください。

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【おやつ】フルーツ寒天ゼリーなど

みんなで作ります。お茶・お菓子もアリ。

【報告会内容】

①美竹公園・神宮通公園、これまでの経緯 

②問題点 「まちづくり」によって野宿者排除。地域の襲撃事件を誘発など

③何をしたか 渋谷区との話し合い(公園課・まちづくり課)、情報公開、選定委員会の審査員へ手紙、ヒューリックへ話し合いの申しいれ、など

④渋谷区の暴挙 2022.10/25~2023.2/1

⑤抵抗や抗議 監視行動、南側(トイレ)開放、神宮通公園越年後の寝場所確保、地域住民からの申し入れ、など

⑥2月1日公園利用禁止の解除、これからのことなど。

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※野宿者の生活の場です。プライバシーなどには配慮してください。

※お酒の持ち込みはご遠慮ください。

※無断の撮影・中継はお断りします。




2023年1月10日火曜日

渋谷区HPへのサイバー攻撃についての渋谷区見解やメディア報道について

1月3日以降の「アノニマス」を名乗る者による、渋谷区の野宿者排除に対する抗議を理由とするサイバー攻撃は、私たちにとって新年そうそうの驚きであった。

また、美竹公園・神宮通公園における渋谷区による野宿者追い出しに関して、「アノニマス」のツイートは、事態をよく把握したものだった。
一方、渋谷区のコメントや渋谷区による情報を垂れ流すメディアにはうんざりさせられた。
渋谷区のメディア向けリリース(1月4日)には、以下の文言があるようだ。

「路上生活者に対して、他自治体よりも手厚いサービスを行っています。また、シェルターは公園ではなく、個別のアパートを用意していることを改めてお伝えいたします」

渋谷区は何を根拠に他自治体よりサービスが手厚いと断言するのか
長年に渡り、野宿者であり、または野宿者とともにある私たちは、同胞たちから、特にそのような声を聞いてはいない。
そもそもサービスが手厚いか否かを問われているわけではないはずだ。

渋谷区の問題は、他自治体より手厳しい排除を行っていることだ。

公園には、シェルターとして長い歴史がある。そして、セーフティネットとしての機能がこれまでも、現在も備わっている。多くの公園が震災時の避難場所として指定されていることからも、それは明らかである。

個別のアパートを用意している、というが、渋谷区のハウジングファースト事業は6部屋しかない。
原則3ヶ月、最大6ヶ月である。生活困窮者自立支援法の一時生活支援事業に基づいており、食事については缶詰や穀物の現物支給であり、生活保護と異なり現金の支給はない。アパートといっても、友人を呼ぶことも、電話番号を教えることも禁じられている。門限もなく個室であるのは利点だが、見えざる施設というべきものだ。
また、渋谷区のハウジングファースト事業は、開発地域にあるテント・小屋の野宿者を主な対象としており、その他のケースでは利用を断られることがほとんどだ。公共地の開発を推進するために、野宿者を追い出し、それを正当化するための事業と言わざるをえない。

本件に関して、テレビ・新聞などの大手メディアは一斉に報道した。
しかし、渋谷区のリリース(福祉の問題に論点をずらし、福祉の実態にも適合しないもの)をそのままに報じた。
そして、美竹公園には触れているものの、12月14日における神宮通公園からの排除についての言及はほとんどなかった。
渋谷区の酷さについては、10月25日美竹公園閉鎖や12月14日神宮通公園排除などに、より明瞭に現れている。
もちろん、7900万円もの税金を投入した美竹公園の仮囲いや、行政代執行は、排除のための暴力的な手段であったが、私たちが、それらの危険を避けるために「避難」した神宮通公園(北側)まで渋谷区が法的手段すらとらずに即日に強制排除したのは、異様としか言いようがない冷酷さ、人権軽視であった。
私たちは、メディアに対して、渋谷区の見解を鵜呑みせず、経緯を把握し、問題について正確な報道をするように求める。

私たちは、渋谷区に、改めて求める。
2度と、野宿者の荷物の排除、および野宿者排除をするな。

2022年12月31日土曜日

【報告】12月27日⚠️緊急行動⚠️わたしたち野宿者はこの街に生きている。渋谷区は、神宮通公園の「利用禁止」を解除して、野宿者排除を繰り返すな!


年の瀬も押し迫った12月27日、私たちは渋谷区庁舎前に集まった。美竹公園からの仮囲いと行政代執行による強制排除、そして避難先の神宮通公園での12月14日の荷物強奪について渋谷区に抗議の意思表示をするためだ。

30人程が手に手に「渋谷区の野宿者襲撃を許さない」「人権を無視するな」など色とりどりのプラカードを掲げた。「渋谷区は、企業を中心とした公共の公園と言えないような公園づくりを、宮下公園に続いて美竹公園でも行おうとしている」「12月14日、渋谷区は何の法的手続きも取らずすべてを持ち去っていった」「野宿者を人間として見ていない」「こんなことをしておいて何がダイバーシティだ」とマイクの声も響き渡った。区庁舎前を行く区民や区職員らにビラを配ろうとすると警備員が執拗に妨害してきたが、人々の関心は思いのほか高く、たくさんの人がビラを受け取っていった。


区庁舎前での情宣のあと、区長宛の要望書を手渡すため9階総務課フロアへ。

要望書は神宮通公園テント居住者とねる会議によるもので、①(12月14日の荷物強奪について)責任の所在を明らかにし謝罪すること、②二度と荷物の撤去を行わないこと、③神宮通公園の不当な利用禁止と夜間施錠をただちに取りやめることを求めている。


渋谷区庁舎9階フロアは来庁者と執務スペースの間が自動ドアで固く閉ざされている。そこで「長谷部区長出てこい!」「野宿者排除を繰り返すな!」と声を挙げたのち、やってきた総務部石井道久参事に要望書を手交した。


しかし石井参事は、受け取った要望書を区長と公園課のみに供覧する、回答はお約束できないというので紛糾。私たちは12月14日、まちづくり推進部担当部長米山淳一、危機管理対策部長山中昌彦、交通政策課長吉武成寛、清掃リサイクル課長田山宗昭ら、公園課以外の部署の管理職たちが現場で指揮を執っていたのを確認している。あの許しがたい荷物強奪は、公園課独自の判断で行われたものではなく、全庁的な、少なくとも各課横断的な体制で行われたものだと考えている。実際、公園課を追及しても肝心なことは何一つ把握しておらず、「区として」やったと繰り返すのみだった。関係した各課にわたしたちの要望を知悉させるためにも、責任の所在を明らかにするためにも、要望書を全庁に供覧するよう強く求めた。石井参事は、12月14日神宮通公園排除について、事後的におそらく公園課から聞いたかな、などと自分の責任については言葉を濁したが、そうであるならば、なおさら今件の発案者たちのもとへわたしたちの要望を届ける必要がある。また、反貧困ネットワークの要望書は関係部局に供覧した、ということだった。

公園課と区長のみとする、合理的理由を説明できなかった石井参事に、区長、副区長、および、土木部・まちづくり推進部・危機管理対策部・環境政策部・福祉事務所の全職員には供覧することを約束させ、年明けに回答について連絡をとることとなった。

私たちは、渋谷区による野宿者排除、野宿者襲撃を決して許さない。12月14日に行われた神宮通公園での荷物強奪について、二度と同じことを繰り返させないためにも、これからもきっちりと追及していく。


報道>OurPlanet-TV「野宿生活者を排除するな」公園を封鎖した渋谷区に抗議行動
https://www.ourplanet-tv.org/46150/

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2022年12月27日

要望書

長谷部健 渋谷区長殿

わたしたちは、12月13日以降、神宮通公園においてテントなどで暮らす者(神宮通公園テント居住者)および、その者たちを含む、野宿当事者団体<ねる会議>です。

以下、要望します。

1、12月14日夕刻、渋谷区職員は、神宮通公園テント居住者のすべての荷物(テント、財布、服薬中の薬、仕事道具など)を法的根拠すらなく暴力的に撤去しました。甚だしい人権侵害であり、野宿者差別、人命軽視であると感じています。渋谷区の首長として、責任の所在を明確にするとともに、わたしたちに対し真摯に謝罪することを求めます

2、神宮通公園テント居住者に対して、2度と荷物の撤去を行わないでください

3、神宮通公園北側の不当な利用禁止をただちに解除し、神宮通公園の夜間施錠を取りやめてください

神宮通公園テント居住者、ねる会議











2022年12月26日月曜日

わたしたち野宿者はこの街に生きている。渋谷区は、神宮通公園の「利用禁止」をただちに解除し、野宿者排除をくりかえすな!

12月27日(火)12時30分 渋谷区庁舎前集合

渋谷区は、美竹公園で暮らしていた野宿者たちに対して、騙し打ち仮囲い封鎖工事を2度も行った。
避難した神宮通公園には大勢の職員が襲来し、野宿者の毛布・財布・薬など一切合切を横奪した。
美竹公園を行政代執行によってトラックに荷物を積み込み撤去した。
わたしたちは渋谷区との圧倒的な力の差に、生きる力を奪われそうになった。
しかし、野宿者たちは抵抗し起き上がった。そして駆けつけた仲間たちの応援と共に、荷物を取り返し、現在、徐々に生活を取り戻しつつある。
とはいえ、渋谷区は神宮通公園を「利用禁止」にし続けている。
実際の神宮通公園は、わたしたち野宿者を含め、地域の子どもたち、近隣住人など、さまざまな人たちが利用し、公園は開かれたままだ。
わたしたちは、これからも助け合いや繋がりを作りだし、この街に生きる。

ねる会議は、野宿者排除を繰り返す渋谷区に抗議するとともに、神宮通公園の「利用禁止」の解除を求めて、渋谷区庁舎前で抗議情宣、要請行動を行う。
仲間たち、ともに声をあげよう。