事業者(企業)の参加表明は、9月1日から5日。渋谷区による検討会をへて今年12月下旬に候補事業者を決定する予定になっています。
しかし、全貌が明らかになる前の現段階においても、この整備事業には様々な問題があります!。
1、公園が10階建てに!?
今回の事業では、宮下公園は「商業地域」にあたるという理由で、公園敷地を最大に使った場合でも、南側については10階分、北側については8階分まで建物の提案が可能です。(建坪率80%、容積率南側800%、北側700%)
公園はビルの上に作ればいいというのが今回の事業計画です。(地下施設もつくることが出来ます。)
これでは公園というよりもビルの屋上にすぎません。
2、さらなる商業化!
新築した建物については、渋谷区から土地を借りること、建物を借りることができます。渋谷区に一定の使用料を払えば、整備した企業が自由に使い収益をあげることが可能になります。施設の条件を「賑わいの創出」としていることからも、耐震補強の計画がいつの間にか、大規模な商業施設の誘致にすりかえられていることが分かります。
3、さらなる管理化!
宮下公園は、現在でも夜10時30分から朝8時30分まで夜間施錠をしています。また、今年7月からは防犯カメラが広場などに設置されました。商業施設内に公園が併設されれば、今以上に管理が進み、自由に使えなくなります。
4、東急グループに有利な公募!
大規模開発が行われている渋谷駅周辺の発展に資すること、渋谷駅と公園のアクセスの強化を事業目的にしています。渋谷駅周辺の開発を主導しているのは、言うまでもなく東急グループです。また、宮下公園から明治通りを挟んで、都営宮下町アパート跡地の再開発(クリエイターズ・プラットフォーム)、COCOTIビル、東急建設本社など、東急グループの関連施設が多くあります。
これらとのアクセスをデッキなどで強化してもっとも利益を得ることができるのは、東急グループです。他企業はこの整備計画によって東急グループに比べ利益をあげにくいのは明らかです。東急グループのために有利な募集の条件であり、公平さに欠けています。また、渋谷駅から宮下公園までデッキで結ばれると、その間の路面店の通行量が減り大きな不利益になります。
5、耐震補強の謎
今回の事業の提案条件の1つは「耐震性能の向上を図ること」にあります。しかし、2008年9月に、耐震性に「疑問があり」との診断が、東急建設(株)一級建築士事務所によって宮下公園下の渋谷駐車場に対して出されています。それを渋谷区は現在まで放置してきました。しかも、2011年に、約4億もの費用をかけて、ナイキジャパンは公園改造(リニューアル)しましたが、耐震補強については何もしませんでした。宮下公園が、災害時の一時避難場所の指定がされていないのは、耐震性に問題があるため、というのは当時の公園課長も認めていたことです。
また、募集にあたって、耐震性について、詳細のデータを公表せず、渋谷区自ら調査もしていません。これでは、どの程度の耐震補強が必要か費用な面でも分からず、渋谷区は全面改修案に公募を誘導していることになります。
6、公園リニューアルからたった3年!
多くの反対を暴力的に排除して宮下公園がリニューアルオープンしたのは、2011年4月30日です。それから、まだ3年が過ぎたばかりだというのに、再び整備すること自体が、資材やエネルギーの無駄です。また、このように短い期間での改修は、ナイキ化計画の失策を自ら物語っています。しかし、渋谷区は、それについての真摯な反省をするどころか、さらに公園の公共性を縮小させ、商業化を進めようとしています。
7、野宿生活者の排除が前提の計画
現在、宮下公園周辺(敷地内)には、数十名の野宿生活者が暮らしています。それらの小屋は、宮下公園ナイキ化に際して、代替地・代替小屋として渋谷区自らが作ったものです。今回の事業は、野宿生活者・小屋の追い出しが前提になっています。人権上非常に問題があり、決して許されないことです。
公園は、誰もがいられる、みんなの場所です。
企業に、公園を売り渡すな!
(今後、さらに詳しい抗議文を作る予定です。)
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