2011年5月30日付けで、ホームレス総合相談ネットワークと宮下公園ナイキ化国賠弁護団より、渋谷区長と土木清掃部長に対しての警告書が出されました。
警告書
渋谷区長 桑原武敏殿
渋谷区土木清掃部長殿
2011年5月30日
ホームレス総合相談ネットワーク
宮下公園ナイキ化国賠弁護団
担当弁護士:戸舘圭之
私たちは、ホームレス状態にある人々への法的支援活動を行う法律家のネットワークですが、渋谷区職員が行った以下の行為に対して、法律専門家の立場から、下記のとおり、警告いたします。
2011年4月30日午前12時ころ、渋谷区立宮下公園(「みやしたこうえん」)のリニューアールオープンに際して、渋谷区は、警察官、その他職員を多数動員し、平穏に入園しようとしたみんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会のメンバーの入園を物理的に拒絶しました。
そして、一部、公園に入ろうとしたメンバーに対して、渋谷区職員は、その意に反して所持品を検査するなどの行為に及びました。
そもそも都市公園は、自由な公共空間として、すべての人々に開かれている場所であり、平穏に公園に立ち入ろうとしたにもかかわらず、園内への立ち入りを物理的に阻止すること自体、許されません。
渋谷区職員による所持品検査行為は、何らの法令の根拠に基づくものではなく、プライバシーを侵害するものであり、憲法13条に違反する行為です。
渋谷区立宮下公園については、ネーミングライツ協定それ自体に関する問題、2010年9月に公園内で生活していた野宿生活者らを違法手続により強制排除した問題(この点については、本年4月に国家賠償訴訟が提訴されています。)など多くの問題点が指摘されているところです。
結局のところ、渋谷区職員による今回の対応は、宮下公園ナイキ化に反対する人々を公園から排除し、その言論、表現活動を封じようとしたものと評価せざるを得ません。
私たちは、ホームレス状態にある人々に対する法的支援活動を通じて、憲法が保障する基本的人権の擁護を実践する法律家のネットワークとして、渋谷区が今回行った人権侵害行為を看過することはできません。
よって、以上のとおり、警告いたします。
以上
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