都市整備局との不全感の強い話し合いを終えた灼熱の真昼、白米に納豆、生卵お新香という、なぜか朝定食的なラインナップを都庁前でがっつり食べた。和食、新鮮。
さて、気力を回復した午後一時、輪番(東京都特別対策事業)の仕事についての話し合いを8名にて迎えた。
産労局側は、4月30日メーデー以来の石田課長に加えて、金野職員(担当)、近藤職員(古株)の3人。
交渉の眼目は、仕事終了後バスに乗せられ強制的に山谷まで行くことについてだった。
渋谷や新宿で野宿をしている私たちは、近隣の公園で仕事をしても、バスで山谷まで乗せられ、再び電車で寝床に戻っている。現地解散にくらべ、およそ2時間、2百数十円の無駄である。山谷に住まいがある人も、仕事場近くに用事の場合だってある。そもそも、仕事が終わったのに、なぜ行動を拘束されるのか、、、。
これまで、産労局は、
山谷地域の仕事であり現地解散は出来ない。バスの送迎は労働者の利便と統率を考えたもので一連の流れである。車内では自由であり使用者の指揮命令下にないので労働時間ではない。
との見解を頑なに繰り返してきた。
らちがあかないので、専門的な見地から判断してもらうために、私たちは渋谷区労働基準監督署を7月6日に訪れた。
相談員は、私たちの話をきき、産労局に電話で問い合わせを行い、
1、労働条件の書面で(事業者が)明示をしていない
2、帰りのバスは指揮命令下にあり労働時間になる可能性がある
以上の2点において労基法違反になりうる、と結論した。
バス移動中は指揮命令下にない、そのため労働時間ではないという産労局の見解に労基署はノーを突きつけたのだ。
数日後に、労基署に相談に訪れた産労局担当職員に対して、労基署が注意喚起を行ったという話も聞いていた。
そういう流れの中で迎えた8月4日、帰りのバスについて産労局の見解を正そうと意気込んでいた。それに対して、金野氏は、今日は話をうかがうだけです、と防衛的な姿勢。労基署から注意喚起をうけたはずだ、と言っても、電話はあったけど注意は受けてないと、とぼけた。労基署に産労局は相談に行ったんじゃないのか、と言っても、金野は否定。こちらは労基署から話を聞いているのに、ごまかすつもりなのか。
やりとりをしているうちに、石田課長が、一人語りをはじめた。その内容は、、、
現地解散を一律禁止にしたのは2019年からだと聞いている。それまでは運用が徹底されてなかった。現地解散できるできないでばらつきがあった。その際、そのまま就労場所に残っていたり苦情があったということから一律禁止にしたと聞いている。一方で、現地解散が禁止になったことで就労場所の近くに住んでいる場合は山谷に戻らなければいけないんだというお話も聞いて、あわせて、山谷地域の方もたまたま用があっても寄ることができなくて戻らなくてはいけない、利便性に反するという話も受けてきた。我々としては、難しいと思っていて、利便性の観点からバスを出して帰るという運用があり、ばらつきがあるから統一してほしいと言われたので、統率をもってやるという趣旨で当時は統一したのだと思うんだけど、一方で利便性という観点からは不都合が生じているという状況を聞いていて、その点については検討しています。そういった中で、監督署の方からも特就事業について聞かれ、なぜ現地解散禁止にしているのか聞かれて、当時の話などをして、向こうからは、労基署ごとに判断が異なるところがあるかもしれないが、少しグレーなところがあります、というような話があった。そういうことをうけて、関係機関と話して、少し緩和できないかなと思っています。手続きを変えるのは調整がいるので、たとえば、帰りのバスも出さなくていいのではないかという声もあったりするので、そうじゃなくて利便性の観点から(バスで)帰りたい人もたくさんいるんですよ、という話をしていて、関係機関と調整している。みなさん方からの関係でいえば前向きに検討しています。今、8月の休止中なので、9月から見直せないかなと思っています。
おーー!油断はできないが、話は大いに前進した。
まず、帰りのバスを廃止すれば費用がうくとの意見もあるようだが、私たちは帰りのバスは絶対に必要という主張の上で乗車については任意にしろと言っていることを念押しして、それらの意見の持ち主に伝えるように要求した。
つづいて石田課長は、現地解散を認めたとしても統率がとれないので途中下車はできない、と言い出した。
途中下車といっても、最寄りの駅近くの1、2カ所にすぎず、それ以上を求めてもいないし、そのことで過去にトラブルがあったという話も聞いたことがない、と説明した。加えて、駅から遠い就労場所もあり、現地解散だけでは現実的ではないこともあるとして、検討するように要望をした。
8月休業について、生きるか死ぬかの大変なことであることを伝えた。
すると、石田課長は、この事業だけで生活をたてるのは難しい、と言った。
現実として事業には野宿者も多く参加していて、月2、3万になる、それだけあれば生きていける、そういう形で生きながらえている、と言うと、野宿者むけの事業ではない、もともと事業のたてつけは、本来の仕事をやっていて補完的に特就もするということ、と石田課長。野宿者も本来の仕事やってきたんです、補完的に特就があって助かってきた、しかし今は両方ない状態だと抗弁。石田課長もうなずいていた。
石田課長が、いま予算要求の時期ですから、来年度の予算の確保することが大事だと思っている、と言うので、確保ではなくて増額でしょ、コロナなんだからバス増便していると、増額しないと仕事数、減るじゃないですか。
そこで、石田課長、愚痴がポロリ。
仕事ウェルカムなんですけど、各局から仕事が出てこないんですよ。港湾埋め立て地の都の所有が10分の1くらいにすごい減っているらしいですよ、道路もポイ捨てする人が減っているらしいですよ、健康増進法とかで。ガードレールも排ガス規制で汚れないらしい、なので、むしろ減らすような圧力を受けていて、そこをまぁまぁなんとか、って言っていて、、、
むしろ応援してほしい。
と声が上ずった。そうは言っても公園はたくさんある、公園部局が産労局にきちんと仕事を出してこないということみたいですが、もっと産労局も求めてほしい、というと、石田課長は、言ってますよ、応援してくださいよ、と。1ヶ月仕事がなくて、応援が必要なのはこっちなのだが、、、。
むしろ応援してほしい(by石田課長) |
来年度の夏期などの具体的な要望としては、
・日が落ちてきた夕方からの仕事
・屋内や日陰での仕事
・夏以外に仕事時間をふやして給与をあげる
・8月に仕事切り替え期間にする(3月、8月の長期休業を1つにまとめる)
・海上公園(港湾)の仕事
帰りのバスについては、決まり次第、電話連絡をするように約束させた。
不服な内容だったら、改めて話し合いを持つことになる。
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