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2020年4月17日金曜日

東京都産業労働局、日雇い労働者見殺しのゼロ回答

私たち、「ねる会議」は、特別就労対策事業(以下、特就事業)の停止をうけて、4月10日に産業労働局(以下、産労局)に対して、補償を要望し、のちに要望書も提出しました。そして、迎えた4月15日。特就事業の登録者を多く含む20名が都庁前に結集。
私たちにとって、生死をわけるといっても過言ではない正念場です。
13:30の約束より前に、公道に面した都庁敷地に前回対応した3人、背後に警備員や他職員多数、公道や歩道橋の上からこちらを監視する者(職員?公安?)数名が既に控えていました。
時間になり私たちが職員3人のもとへ向かうと、開口一番、敷地内に入らないよう求められました。アポイントを取り来訪した者に対し、おかしいのではないかと抗議の声が起こりました。


対応した3名は、産業労働局 雇用就業部 就業推進課長ニシカワ (右)、就業推進課長代理シマネ(左)、就業推進課主事コンドウ(中央)

シマネ氏が用意された回答文を読み上げました(以下、文字起こし)
「先週金曜日に皆さんから、野宿生活をしながら日雇いで働いている方の窮状についてお話をうかがいました。今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、困難な状況に置かれていることを改めて理解しました。
しかしながら、10日にお話ししたとおり、特別就労事業は高齢化が進んでいる労働者をバスで就労場所まで送迎し、集団で清掃等の業務に従事してもらうものであり、現下の事態におきまして、いわゆる3密の回避が難しく、感染リスクが非常に高まり、予防措置も困難であります。また、一部公園では立ち入り禁止措置も取られていることから、やむを得ず休止する判断をしました。
さて、東京都からご要望に対する回答ですが、現在はまさに非常事態であります。このような非常事態においては、特就事業が休止している間は福祉的アプローチが必要であると考えております。したがいまして、生活困窮者自立支援窓口での相談や生活保護など各種セーフティーネットの利用を検討いただきたいと考えておりますので、要望書に記されていた特就事業に登録する全労働者に対する生活保障を開始するというご要望にはお応えいたしかねます。これが東京都の回答です。」


冗談じゃない。何も進んでない。ゼロ回答だ。皆の怒りの声が飛び交いました。
前回の話し合いで、感染予防を考慮した仕事出しの仕方や現金給付について、いろいろな提案をし、セーフティネットを利用しない・できない状況についても説明しました。一体何を聞いていたのか。何も考えていないではないか。産労局は、労働者を守るために何をしたのか、と激しい追及。

このあと1時間にわたる話し合いの中で産労局は、主に以下の4点を繰り返すのみでした。
1、緊急事態なのでセーフティネットを利用してほしい。
2、感染予防に配慮した仕事出しの仕方については、できない、難しい。
3、現金給付はできない。特別就労対策事業は就労の機会を提供しその対価として賃金を支払うもので、それ以外の形で予算を使うことはできない。
4、休止が解けたのちに再開できるよう準備している。
それぞれについて補足します。
○1について
皆からは、前回同様、セーフティネットを使いたくない人もいる、生活保護は水際作戦で追い返されることも多い、いま、窓口に相談に行っても紹介されるのはほとんど相部屋の施設で、それこそ感染リスクがある、と声があがりました。
産労局は、セーフティネットの利用をしきりに勧めておきながら、実際にどのような制度がどのように運用されているのか、ほとんど理解していない様子。自分たちの無策を棚に上げて、ろくに把握してない他部局の施策を勧める無責任な姿勢を露呈しました。
奇しくも、私たちの話し合いの最中、通りかかった男性が「私も仕事を切られ、来月の家賃が払えない。ホームレスになるしかない。年金があるが住所がなければ受け取れなくなる。どうしたらいいんだ。」と窮状を訴えました。コロナの感染とそれに伴う経済危機で、今、こうした人々が激増しセーフティネットの窓口に殺到しています。
産労局は、他部局に丸投げせず自分たちで出来ることを考えろと訴えに拍車がかかりました。
○2について
当初、産労局では、送迎バスを増やして1台あたりの乗車人数を減らす形で仕事を出すことを検討・調整したとのこと。今となってはバスも多くのキャンセルが出ているが、当時はバスが手配できず断念したという説明を行いました。つまり今なら可能ではないかと問うと、予算が決まっているから出来ない、議会に再度かけるにはエネルギーを要する、と消極的。
現地集合や、人数を分散させての就労など、様々なアイデアを出しましたが、「統制できない」という理由で検討する余地を見せませんでした。
また、仕事出しが出来ない理由の一つとして「公園が閉鎖されている」ことを挙げていましたが、産労局は代々木公園が4月13日から開放されていることすら把握していませんでした。
さらに、どの公園が閉まっているのか、と追及された産労局は、日比谷公園、と答えました。その時は、日比谷公園が閉まっているなんて聞いたことない、とは思いましたが、こちらとしても確証がなく、また、都の役人がいうのだから、そうなのかな、と受け流しました。
しかし! 後日、日比谷公園の管理事務所に確認してみたところ、テニスコートなどの施設は閉めているが、公園は閉まっていないし、コロナの件で閉めたこともない、とのことでした。テニスコートは清掃の一部に入っていますが、単にコートの清掃をしなければいい(する必要がない)だけの話です。騙された!!嘘つき!!
特就事業対象の公園で現在閉まっている公園などありません。
また、大阪の高齢者特就事業など、他地域の事例も調べていませんでした。
産労局は、不十分な情報収集、間違った認識のもとで、自分たちの施策や私たちの要望を検討していることがはっきりしました。
○3について
私たちからは、特就事業もまた重要なセーフティネットであり、戦後の失対事業や山谷で事業が行われてきた目的や経緯を踏まえれば、労働局であっても福祉的アプローチを考えるべき。福祉保健局など他部局が、緊急事態にあたり、これまでにない制度運用を行っているのだから産労局も努力せよ、と再三訴えましたが、産労局は同じ回答を繰り返すばかりでした。現在、予算は執行されておらず、お金は残っている状態。このまま緊急事態宣言が長引けば予算は消化できないまま余ってしまうことを産労局は認めながら、柔軟に対応しようとする姿勢がまったくありませんでした。
1時間を過ぎたところで、産労局は一方的に話を中断しようとしました。
全体として、今回の回答は「できない」「やらない」「難しい」という結論ありきで、私たちの要求や窮状について考えようともしない酷いものでした。
当然、再検討せよという声が一斉にあがりましたが、産労局は、新しい提案があるなら検討する、書面で示せと居直りました。一体何様のつもりでしょうか。

そして、わらわらと集結する警備員に守られながら庁舎の奥に逃げ帰っていきました。
私たちは警備員に阻まれながら産労局に「休業手当を出せ!」「逃げるな!」「日雇い労働者を殺すのか!」と怒りの声をぶつけました。
私たちは、今後も、東京都そして産労局に対して、当たり前の補償をするように要求をしていきます。ご注目・ご支援、お願いします。
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以下まで、意見・抗議を!
東京都産業労働局雇用就業部就業推進課  03-5321-1111
産業労働局メール sanrou_goiken@section.metro.tokyo.jp

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