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2019年3月31日日曜日

渋谷区仮庁舎跡地で再開発計画???

今年1月15日、渋谷区の新庁舎がオープンした。宮下公園同様、三井不動産が絡んだ計画で新庁舎敷地にはタワーマンションが現在建設中だ。
その一方で、これまで使用してきた仮庁舎の跡地開発が明るみになった。
渋谷区の仮庁舎は、渋谷小学校体育館など跡地・東京都児童会館跡地・美竹公園の連続する土地を使って横並びに、第一から第三まで作られ、2015年11月より利用開始された。
体育館など跡地に作られた第一は重量鉄骨を使った本建築だが、児童会館跡地(第二)と美竹公園(第三)はリースのプレハブである。第一には生活福祉課、おやじ日本(NPO)、渋谷サービス公社などが現在も入っており、第二にある保健所は4月末で第一に移転し、第三についてはすでに利用されていない。
第二・第三は今年6月から10月にかけて解体予定だ。
第一は、神南分庁舎跡地に作られる複合施設の完成する約2年後を待って、その後に解体される予定だ。

昨年9月本会議定例会において、長谷部区長は「美竹公園の機能を確保しながら区有地と都有地を一体利用する方向で、現在、東京都と調整を進めております」と発言をした。区長発言にあるように、この構想には難点がある。第一と第三(美竹公園)は区有地だが、第二は都有地だからだ。区有地が都有地をサンドイッチしている状態だ。しかも、この都有地については、「渋谷地区ステップアップガイドライン」という指針を東京都が2011年に定めている。長谷部区長と二人三脚で宮下公園の開発などを行ってきた伊藤たけし議員は従前からこの都有地の活用を進言してきた。町会などの丸め込み役を担っている伊藤議員が地元要望という形も整えたこともあり、いよいよ現実化してきたかのようだった。
しかし、同計画について、昨年暮れから渋谷区総務課や公園課に直接質問をしてきたが、「区長の頭の中にはあるのではないか」「全く知りません」と胡乱な答えを繰り返してきた。

だが、都と区が昨年11月に協定を結んでいたことが、情報公開によって明らかになった。「渋谷区役所仮庁舎跡地共同開発事業に関する基本協定」がそれである。
渋谷区議事録を検索しても出てこないので、同協定は議会には一切出されていないらしく、議員にも知らされていない。まさに、トップダウンだ。



またもや「民間活力を活用した共同開発事業」である。乱開発状態の渋谷において、駅近くにある広大な土地は企業にとって垂涎の的。公園敷地を含む計画であり、宮下公園に続く企業利益優先・公園破壊の計画になる可能性が高い。長谷部区長は「美竹公園の機能を確保」と議会で言っているが、あくまでも「機能」だ。区長にとっては、5階屋上に作られる宮下公園だって「機能を確保」したつもりなのだろうから怪しい。しかも、基本協定の中では、美竹公園の機能を確保どころか、公園という言葉すら入っていない。これは大変、怪しい。

美竹公園は、野宿者や困窮者のための炊き出しが毎週行われ、厳しい冬をこえるための越年闘争が行われている場所だ。また、現在、美竹公園や仮庁舎周辺は野宿者が身体を休めるスペースになっている。これらは、宮下公園での強制排除の経緯の中でようやく得た貴重で希少な場所である。またしても、渋谷区は追い出しを行うつもりか? 公園を売り渡すつもりなのか?

実際に開発が始まるのは第一庁舎解体後の予定だが、その前にプロボーザル公募を行うことになっている。その時には大枠の内容は決まってしまっているだろう。
都と区は昨年11月以来、月1~3回、協議を行っているとのことだが、その内容についてはメモも残していないとして情報開示がされなかった。なぜ、記録を残さないのか? 水面下で動いていると言わざるえない。
渋谷区は市民に共同開発事業について明らかにしろ。
二期目を狙う長谷部区政の目玉にするつもりだろうが、困窮者を追い込み、大企業に優しい事業など、もううんざりだ。


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