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2008年9月19日金曜日

7/30記者会見の報告

 一ヶ月半も遅れてしまいましたが、7月30日に私たちが行った記者会見のご報告をしたいと思います。  会見を行うコンセプトは、「宮下公園を存続させよう」です。今水面下で進められているナイキ公園化計画の実態と、当会のとりくみをマスコミを通じて発信することを目的としました。  同時に、『私たちの大事にしたい公園』『わくわくするような理想の公園』というテーマで子どもたちと一緒に絵を描いて、公園のもつ多様性やパブリックな側面をアピールする作品の紹介も行いました。  会場は宮下公園。天気だけが心配でしたが、ありがたいことに晴れ。ほっと胸をなでおろしました。公園内は木々が多く、炎天下の繁華街から5度は違うのではないかという涼しさと心地よさでした。ここに、少々しなびた長机とパイプイスを並べました。これだけでアウトドアに来てキャンプを始めるようなわくわく感が出てきました。そしてプロのデザイナーが作ってくださった記者会見用の弾幕をはりました。グッと場がしまって素人ながら新鮮な記者会見場が完成しました。 会見には、共同通信社、日本テレビ、建築ジャーナル、アジア女性資料センター、ジャストタイムズ渋谷が来てくださいました。  まず、司会者から会見の主旨を説明。また、会が出した共同声明を紹介しました。声明に357名(個人)と37団体(7月29日時点)から賛同をいただいたことと、記者会見のために寄せられた賛同メッセージを発表しました。  次に、当日のために準備してくださった発言者みなさまの立場から、なぜナイキ公園化計画に反対するのかについて語ってもらいました。  会見には多くの方々にご協力いただき、また会見を契機にたくさんの方々から賛同や応援のメッセージをいただきました。このつながりを、これからも大切にしていきたいと思います。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。 <発言者の主な発言内容> ■Aさん(当会):  最初に皆さんに伺いたいのですが、この中でスケートボードをするという方は、手を挙げていただけますか?あ、お一人いらっしゃいますね。ありがとうございます。私は、宮下公園がナイキ公園になるというのは、こういうことなんだろうと思います。つまり、「みんなのもの」であるはずの公園で、いま手を挙げた方以外の全員が、「みんな」からあらかじめ排除されてしまう。 宮下公園は、渋谷でお金を使わずに楽しむことができる、数少ない場所のひとつです。お金さえ払えば、ナイキは公園のネーミングライツを買える、施設を有料化できるというのは、逆にいえばお金のない人は何もできない―たとえば野宿者はそこに存在することもできない―ということです。 また、宮下公園は渋谷で集会やデモをするときに使える貴重な場所でもあります。この計画は渋谷区がトップダウンで強引に進めているといわれていますが、宮下公園がナイキ公園になってしまえば、私たちが社会に対して声を挙げる機会も奪われてしまいます。そうしたわけで、私は宮下公園のナイキ化計画に反対しています。 ■Bさん(渋谷区民):渋谷区民の視点から以下の3点を話してくださいました。 1)まずは全体像を明らかにしてほしい。渋谷区に住んでいる私の両親に、宮下公園がナイキに買収される話について聞いてみたが、そんな話はしらないということでした。町会や商店街の知り合いに聞いても知らないという答えだそうです。渋谷区の一般の住民は知らないで、マスコミの報道が先行している。それが実際のところだと思います。また私は宮下公園の全面にスケートボート場とカフェを新設すると聞いています。これまで宮下公園にあるフットサル場のように部分的ならとにかく全面改修では都市公園法上問題だと思います。このような疑いがある以上、一刻も早く全体像を明らかにしてほしい。 2)計画ではネーミングライツでナイキ公園になるなどもささやかれています。これについても危惧感を持っています。私が成人式をした渋谷公会堂は現在はしぶやC.C.レモンホールとなっていますが、違和感を感じます。伝統ある音楽ホールの名称を変えたり、宮下公園の名前を企業にしてしまって、住民が地域に対しての愛着が育つのでしょうか。 3)なぜ議会にかけないで計画だけを先行させるのか。東郷神社や中央図書館などのある旧社会事業大学跡地に東京都が現在大規模留置場を建てています。このときも都議会で計画が明らかになる前にマスコミにスクープされ、それを受けて、地元が反対運動を展開するという形になりました。大規模留置場の規模は小さくなったとはいえ工事は進められています。今回の宮下公園のナイキ化計画も同じようなやり方だと思います。こういう秘密主義的なやり方で渋谷区のみどりを奪わないでほしい。  宮下公園のようなあまり大きくない公園まで企業の手にゆだねるようでは他の渋谷区の施設も同じように企業の名前がついたり、企業に管理されるのではないかと不安です。渋谷区は住民の愛着をなくすような政策を安易に取らないで、他のことに知恵をしぼってほしい。また、ホームレス政策と公園のナイキ化を一緒にするのはおかしい。宮下公園にホームレスがいることは渋谷区民は大体知っていると思うが、だからナイキ化して追い出しても良いと言うことにはならないと思う。 ■Cさん(アタックジャパン):市民団体の視点から以下の3点を話してくださいました。 1)運動団体、市民団体の集会場がなくなり、表現の自由が制限されてしまうこと。 2)宮下公園の木々を伐採することによる環境問題悪化への懸念。また環境問題に対する渋谷区政の立ち遅れを指摘せざるをえないこと。 3)ナイキ社がグローバル企業としてアジアの工場で児童労働などを行っている問題。また、ネーミングライツを買収した後に、その企業の問題が明らかになる事例が後を絶たないこと。 以下は参考記事/ロイター(サンフランシスコ)による報道です。 【ナイキ、マレーシア工場「監視下」、粉飾賃金/水準以下の住宅、移民のパスポート取り上げ】 世界最大のスポーツシューズ・ウェアメーカーのナイキ社(本社=オレゴン州)は、1日、マレーシアの契約工場「ハイテックスアパレル」で水準以下の労働者住宅や粉飾賃金が明らかになったとして、同工場を「監視下」に置いたと発表しました。 同工場はナイキ者の繊維製品を14年間にわたって製造。同社調査によると、労働者約1,200人は「受け入れがたい」状態の住居に住まわされ、移民労働者のパスポートも取り上げられていました。また工場側は労働者の賃金も粉飾して報告していました。 ナイキ社によると、同工場は同社監視下に置かれ改善措置が取られます。移民労働者には労働許可申請費など雇用関係の費用が返却され、帰国希望者には航空料金が支払われます。また労働者は同社の認可した住宅に1ヶ月以内に移され、パスポートも変換されます。 ナイキ社は10日以内にマレーシアのすべての契約工場で総点検を実施するとしています。ナイキ社はマレーシアで34工場と契約しています。

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