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2022年11月3日木曜日

〈声明〉渋谷区・東京都・ヒューリック・清水建設による「渋谷一丁目共同開発事業」のための、渋谷区立美竹公園の強制封鎖と野宿者追い出しに抗議します



<声明 > 渋谷区・東京都・ヒューリック・清水建設による「渋谷一丁目共同開発事業」 のための、渋谷区立美竹公園の強制封鎖と野宿者追い出しに抗議します 

貧困者たちの生活の場である公園を閉めるな!

2022年10月25日早朝6時半、大勢の警備員が美竹公園を囲い、作業服姿の渋谷区職員たちが、トイレと二箇所の公園出入り口を封鎖する作業をおこなった。園内に小屋を作って暮らしていた野宿者たちには、事前に何の説明もなかった。
 野宿者のひとりが、責任者はだれか、説明をしてほしい、閉じ込める気か?と渋谷区職員ひとりづつに問いかけても、ひたすら無視をして誰ひとり答えようとしなかった。他の野宿者が、トイレに行けないのか? と渋谷区職員に尋ねると、外に出て他の公園のトイレをつかって下さい、一旦出るともう中には入れません、といわれた。何の説明もなく公園の水場の蛇口もとり外されていた。

野宿者たちは、封鎖時のことを「人間扱いされていないと感じた」「身の危険を感じた」「恐怖だった」と話している。

そして7時半頃、美竹公園にいる野宿者たちのところに生活福祉課の職員2名が現れた。人権侵害ともいえる状況の中、渋谷区福祉課職員の「案内」を、拒絶することが困難だと感じた3人は従うしかなかった。公園から出る前に3人は所有物放棄のチェックリストを作成させられている。もう一人の野宿者は、外の信頼できる支援者と一緒なら話し合うと渋谷区職員に申し出たが無視され、一度出たら入れないというので出られずそのまま公園に残った。早朝、日雇いの仕事に出かけていた2人の野宿者は午後に戻り、締め出された公園の状況に驚愕した。

事前予告をせず、トイレと出入り口のフェンス封鎖作業、また、水を止めるなど、恐怖感を与えてから野宿者を追い出すという渋谷区のひきょうなやり方に対して、たくさんの支援者・野宿者が美竹公園に駆けつけた。公園出入り口の二重のフェンスごしに、中にいる野宿者を応援し、渋谷区に抗議の声をあげた。抗議の電話も渋谷区へ殺到した。渋谷区職員は公園外周のフェンスにシートをかけて、中に閉じ込められていた野宿者の姿を見えないようにした。が、抗議者たちは、公園内の野宿者を孤立させることを許さなかった。

これまで一度もわたしたちの前に現れたことがない井戸田智司公園課長が美竹公園を訪れたのは、21時半頃だった。これまで何度も野宿者排除をおこなってきた山中昌彦(危機管理対策部長)や吉武成寛(交通政策課長)も現れた。この期に及んでも井戸田課長の官僚的な「お声がけ」で済まそうとする態度に対して、野宿者の寝場所が確保されるまで抗議者たちは立ち去らなかった。福祉課に連れていかれたうち1人も、福祉をことわり公園前に戻り、抗議に加わった。冷たい雨が降る0時前に、井戸田課長は翌日に話し合うとし、一箇所の入り口とトイレを開けた。
渋谷区の公園の強制封鎖は完全に失敗に終わった。

翌10月26日の話し合いでは、トイレと出入り口を塞いだことに対して、井戸田課長は「野宿者に丁寧に声かけをおこなっている」と回答。まるで野宿者たちが納得をしたかのような言い方に、その場にいた複数の野宿者たちは驚愕し「声かけなどされていない」と声をあげた。それでも井戸田課長は「まず丁寧な声かけをしている」「福祉的なアプローチ」と繰り返した。強制封鎖に伴う人権侵害を、野宿者の自己責任に転嫁しているかのようだった。また、井戸田公園課長は、来年4月以降に解体工事を予定している〈渋谷一丁目地区共同開発事業〉の準備工事(詳細はまだ未定)に向けて公園を使用禁止にして封鎖したと説明したが、想定される野宿者へのリスクは明確であり、それよりも優先して封鎖する理由などはまったくないはずだ。

ねる会議や野宿者たちは強制排除ではなく話し合いで解決することを約束してほしいと、これまで何度も要求してきた。驚くことに渋谷区は、約束はできないと答えて、追い出しをほのめかしていた。それでもわたしたちは、10月18日渋谷区公園課窓口で荷物に貼られた除却勧告書について話し合いを行い、公園を突然閉めるようなことがないように求めたばかりだった。そのさい、2012年6月11日に予告なしの美竹公園封鎖を行った渋谷区に対して第二東京弁護士会が出した勧告書もあらためて示し、追い出しが人権にかかわることを確認したはずだった。
しかし、渋谷区はこれまでの話し合いをあざわらうように反故にし、その一週間後、美竹公園から野宿者を冷酷に追い出す計画を執行した。

渋谷区・東京都が推し進めている〈渋谷一丁目地区共同開発事業〉において、ヒューリックと清水建設の共同事業体LinkParkによって「創造文化教育施設」や「多様な都心居住を推進する施設」など民間複合施設の建設が予定されている。
野宿者排除を前提とする同事業に対する、わたしたちの抗議をヒューリックは無視し続けている。今回の渋谷区の暴挙や嘘によって、「創造文化教育」や「多様な都心居住」は、意味のない絵空事であり、それらの施設は野宿者の生活を破壊した上に建てられることが改めて明らかになった。

借り上げ民間アパート(原則3、4ヶ月のみ)の「福祉的アプローチ」の案内を断り、公園に住むことはわがままだとして、渋谷区の一連の暴挙を不問にする論調は少なくない。行政は渋谷周辺において商業主義に合わせた再開発を加速させ、低所得者のための住宅や団地を取り壊し、公園を企業に売り払っている。高額な家賃を払えるほどではないが、仕事をしながらささやかな暮らしを自身で営んでいる野宿者たちが、底が抜けたような格差を生む社会構造の矛盾を自己責任として押し付けられ、排除の対象となっていることはまったく不当だ。このような行政の態度や、悪意のある人々の発言が、野宿者への襲撃・放火など命に関わるヘイトクライムを誘発させている。
美竹公園をはじめとする公共公園は、野宿者たちや低所得者たちにとって、助け合いや情報交換の大切な場なのだ。

野宿者たちも暮らす美竹公園にわたしたちは共に居る。
渋谷区は野宿者や貧困者を追い出すな。

2022年11月2日 ねる会議

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<抗議先>

●渋谷区
公園課 03-3463-2888
まちづくり第三課 03-3463-2628
ー渋谷一丁目共同開発事業を担当

●東京都
都市整備局市街地整備部企画課 03-5320-5121
ー渋谷一丁目共同開発事業を担当

●ヒューリック
代表 03-5623-8100
広報 03-5623-8102

●清水建設
本社 03-3561-1111
東京支店 03-3561-3700



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