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2015年12月27日日曜日

<声明>年末年始の渋谷区立宮下公園終日閉鎖に断固抗議する

渋谷区区長 長谷部健殿 
渋谷区土木清掃部部長 黒柳貴史殿

12月25日、渋谷区は当会の質問に、宮下公園を12月28日22時30分から1月4日8時30分まで閉鎖すると返答した。

宮下公園は2011年4月のナイキジャパン社によるリニューアルオープン以来、説明会などで行わないと渋谷区が約束していた夜間施錠が続いている。また、2013年12月29日深夜に公園内で行われていた「越年越冬闘争」を渋谷区は大量の警察官と職員によって排除し閉鎖した。2014年にいたっては、宮下公園、近隣の美竹公園・神宮通り公園を年末年始に終日閉鎖した。
24時間だれもが使えるべき公園に対して、渋谷区は利用者を無視した恣意的運用を行ってきた。

本年12月17日、美竹公園の公園閉鎖をしない旨を渋谷区はホームページ上で発表し報道もされた。一方で、宮下公園の閉鎖についてはぎりぎりまで答えず、明確な発表も行なわないまま渋谷区は本日12月28日業務を終えようとしている。(なお、神宮通り公園北側についても閉鎖するとのこと)

渋谷区は宮下公園閉鎖の理由を「外来者による治安上風紀上、問題がある行動が起きるおそれがあるため」と当会に答えた。しかし、そのようなおそれ自体はいつでもあり、公園閉鎖をする特段の理由になりえない。また、炊き出しなどの活動は「治安上風紀上」の問題行動ではない。

渋谷区の今回の決定の背景にあるのは、2019年に営業開始予定の新宮下公園等事業だ。3階だての商業施設の上にホテルを併設する形でつくられる新宮下公園は、商業施設に付随する場所にすぎない。そのような公園をつくるために渋谷区は今から「公園とはいえない公園」を維持し強化する必要があるのだろう。
しかし、わたしたちは「公園」を求めている。公園を必要としているのは、まずはお金を持っていない人や行き場所に困っている人だ。もちろん、それは年末年始も同様だ。

長谷部区長はナイキジャパン社と渋谷区の契約を違法とする判決に対して、渋谷区は適切に手続きを進めたとうそぶき、野宿者の強制退去を違法とする判決に対しては残念とするなど、これまでの経緯を反省する姿勢が認められない。その上で、宮下公園周辺の小屋に住む野宿生活者に対し、長谷部区長は「アイリブシブヤ」というホームレス支援事業を活用することを公言している。しかし、居場所を奪われる状況で提示される選択は、当事者の主体的な選択にはなりえない以上排除である。わたしたちは美竹公園の開放を手放しで喜ぶことができない。「アイリブシブヤ」事業や宮下公園を閉鎖したままでの美竹公園開放は、商業空間=新宮下公園の実現に向けてのガス抜き・アリバイづくりである懸念を拭えない。

わたしたちは、年末年始の宮下公園終日閉鎖に抗議し、即時開放を求める。

2015年12月28日

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