宮下公園の周辺地域のみなさんへ
宮下公園ナイキ化反対! 国賠訴訟は、渋谷区に対して私たち原告団が勝利しました。
そのことをお知らせするとともに、今後の宮下公園の在り方についての私たちの考えをまとめたものを配布させていただきます。
●現在の「みやしたこうえん」は違法です
みなさんは、宮下公園がナイキジャパン社によって年間1700万で命名権が買われ、名前のみならず公園そのものが改造されたことを覚えていられると思います。私たちは、宮下公園のナイキ化計画とは、公共のものである公園を特定の大企業の商業活動の場所として売り渡し、公園で生活している野宿者を排除するものとして反対してきました。しかし、渋谷区・ナイキジャパン社は私たちの訴えに耳をかすこともなく、公園は2011年4月30日にリニューアルオープンしました。
2011年4月21日、私たちは渋谷区を被告とする国賠訴訟を提起しました。それから4年、今年3月13日に下された東京地裁判決は、ナイキジャパン社と渋谷区の契約「宮下公園ネーミングライツ基本協定」は、区議会の議決を得ていない・一般競争入札の原則に反している点で地方自治法違反であるとする画期的なものでした。また、東京地裁は、強制排除された元宮下公園野宿者に対して渋谷区に11万円の賠償を命じました。
渋谷区は東京高裁に控訴しましたが、9月17日に控訴は棄却され渋谷区は最高裁への上告をあきらめました。よって、10月1日、判決は確定しました。
現在の「みやしたこうえん」は違法な契約・手続きのもとに改修された違法な状態にある公園です。
この計画を立案し推進したのは、当時は区議だった長谷部健区長です。渋谷区及び長谷部区長は司法による判断を重く受け止め、公園の利用者に謝罪すべきです。また、地元の説得役だった伊藤毅区議もその責任は重いはずです。
公園リニューアル後から継続している公園の夜間閉鎖、広場への監視カメラなどを即刻取り止めるべきです。
●「新宮下公園」は公園ではありません
現在、渋谷区は「宮下公園等再整備事業」を準備しています。
昨年夏発表された同事業に応募したのは、東急と三井不動産でした。そのうち候補として選ばれたのは、新区庁舎を建設するなど前桑原区長との関係の深さを感じさせる三井不動産でした。計画案は、三階建ての商業施設を新築し屋上に新宮下公園をつくる・公園の原宿側には17階の高層ホテルを建てるという驚きの内容でした。
今年3月の都市環境委員会において同計画案は全会派一致で継続審議となり廃案に追い込まれました。立体都市公園制度の考えを基にしても公園敷地内に高層ホテルをつくるのは違法の可能性があります。渋谷区は再び違法を重ねるつもりなのでしょうか。
また、耐震補強を事業の理由にしていますが、ナイキジャパン社の公園改造時から耐震性に問題があることは分かっていました。整備したばかりの公園を全て壊して新築するのは計画性に著しく欠けた資源の無駄遣いです。スクラップ&ビルドという高度成長時代の発想が見え隠れしています。このような計画案が廃案になったのは当然です。
しかし、4月に桑原区長の後継者としてその職に就いた長谷部新区長は「内容を検討し、いずれあらためて、区議会に整備計画を提出するつもり」としています。現在、周辺の町内会役員などと調整中とのことです。これが実現してしまえば、ナイキ化計画についての真摯な反省もなされないままに、宮下公園は大企業の利益を生むための商業施設になってしまいます。
現在、渋谷で進められている大再開発では、今後、駅周辺だけで30階を超えるビルが4つ、その他のビルが4つ新築されます。全てが東急グループです。このような巨大再開発によって、利益を得るのは東急や三井不動産などの大企業だけで周辺の路面店にはマイナスの影響が懸念されます。事業名に入っている「等」という文字からは、駅頭と公園をデッキで連結するなどの含みをもたせた事業であることが伺えます。壁のようにそびえる商業ビルが駅周辺に作られ、そこからデッキで巨大商業施設が結ばれたら、周辺での小さい商店の経営は立ち行かなくなるのではないでしょうか?
宮下公園は、地域の人たちともつながり、また来街者が一息つき、貧困者であっても24時間誰もが利用できる無料の場所であるべきだと思います。
私たちは、違法である「みやしたこうえん」・公園とはいえない「宮下公園等再整備事業」に強く反対しています。
私たちの活動や地裁・高裁判決に関しては以下ブログを参照ください
http://minnanokouenn.blogspot.jp/
意見などは以下まで
minnanokouenn@gmail.com
2010年10月14日
みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会
★付記
●宮下公園ナイキ化計画とは何か
2008年5月、ナイキジャパン社が区立宮下公園の命名権を年間1700万で買い取り、スケートパークなどを設置するという計画を地元ミニコミ誌がスッパ抜きました。私たちは、(1)公園の公共的な価値を奪う計画内容(2)民主主義的な手続きを無視したずさんなプロセス(3)野宿を強いられる人々の追い出しがグローバリゼーションに伴う再開発の典型であると考え、この計画に反対するために立ち上がりました。
渋谷区がこの計画に初めて触れたのが2009年6月11日の区長演説、1週間後の都市環境委員会では、議員すら知らないうちに選定委員会が開かれナイキジャパンが候補者として決定していたことが報告されました。そのナイキジャパン案は、公園内に大きな広告看板を建てる・イベントの事前確認と認否をナイキが決めるなどという不当なものでした。2009年8月27日、渋谷区とナイキジャパン社は基本協定書を締結し、ナイキジャパン社及び東急建設は9月から工事を始める予定でした。一方で、渋谷区が公園の野宿者の意向調査を始めたのは9月以降のことです。このことだけでも、いかに渋谷区が野宿者を軽視していたかが分かります。結局、渋谷区は宮下公園わきの緑道に小屋を自ら作り、そこに公園内の野宿者の多くを強引に移転させました。公園内にテントを設置し工事を阻止する人たちや野宿者やその支援を行う団体と協力しながら、私たちはこの計画に異を唱え続けました。しかし、2010年9月15日早朝、渋谷区は何の予告もなく宮下公園を全面閉鎖し、同年9月24日には行政代執行によりテントなど私たちの荷物を撤去してしまいました。全面閉鎖の当日、原告の一人である元宮下公園野宿者は、渋谷区の職員・ガードマンに担ぎ上げられ園外に追い出されケガを負いました。公園がリニューアルオープンした際にも、渋谷区は私たちに対して不当な身体検査を行いました。また、反原発のステッカーを貼ったなどとして逮捕された人が2名いました。基本協定書で「宮下NIKEパーク」と命名されていた宮下公園は、世論の批判を恐れたためか、平仮名で「みやしたこうえん」になりました。しかし、リニューアルオープン以来、宮下公園は夜間施錠や監視カメラの設置を行うなど異様な状態が続いています。
宮下公園ナイキ化反対! 国賠訴訟は、渋谷区に対して私たち原告団が勝利しました。
そのことをお知らせするとともに、今後の宮下公園の在り方についての私たちの考えをまとめたものを配布させていただきます。
●現在の「みやしたこうえん」は違法です
みなさんは、宮下公園がナイキジャパン社によって年間1700万で命名権が買われ、名前のみならず公園そのものが改造されたことを覚えていられると思います。私たちは、宮下公園のナイキ化計画とは、公共のものである公園を特定の大企業の商業活動の場所として売り渡し、公園で生活している野宿者を排除するものとして反対してきました。しかし、渋谷区・ナイキジャパン社は私たちの訴えに耳をかすこともなく、公園は2011年4月30日にリニューアルオープンしました。
2011年4月21日、私たちは渋谷区を被告とする国賠訴訟を提起しました。それから4年、今年3月13日に下された東京地裁判決は、ナイキジャパン社と渋谷区の契約「宮下公園ネーミングライツ基本協定」は、区議会の議決を得ていない・一般競争入札の原則に反している点で地方自治法違反であるとする画期的なものでした。また、東京地裁は、強制排除された元宮下公園野宿者に対して渋谷区に11万円の賠償を命じました。
渋谷区は東京高裁に控訴しましたが、9月17日に控訴は棄却され渋谷区は最高裁への上告をあきらめました。よって、10月1日、判決は確定しました。
現在の「みやしたこうえん」は違法な契約・手続きのもとに改修された違法な状態にある公園です。
この計画を立案し推進したのは、当時は区議だった長谷部健区長です。渋谷区及び長谷部区長は司法による判断を重く受け止め、公園の利用者に謝罪すべきです。また、地元の説得役だった伊藤毅区議もその責任は重いはずです。
公園リニューアル後から継続している公園の夜間閉鎖、広場への監視カメラなどを即刻取り止めるべきです。
●「新宮下公園」は公園ではありません
現在、渋谷区は「宮下公園等再整備事業」を準備しています。
昨年夏発表された同事業に応募したのは、東急と三井不動産でした。そのうち候補として選ばれたのは、新区庁舎を建設するなど前桑原区長との関係の深さを感じさせる三井不動産でした。計画案は、三階建ての商業施設を新築し屋上に新宮下公園をつくる・公園の原宿側には17階の高層ホテルを建てるという驚きの内容でした。
今年3月の都市環境委員会において同計画案は全会派一致で継続審議となり廃案に追い込まれました。立体都市公園制度の考えを基にしても公園敷地内に高層ホテルをつくるのは違法の可能性があります。渋谷区は再び違法を重ねるつもりなのでしょうか。
また、耐震補強を事業の理由にしていますが、ナイキジャパン社の公園改造時から耐震性に問題があることは分かっていました。整備したばかりの公園を全て壊して新築するのは計画性に著しく欠けた資源の無駄遣いです。スクラップ&ビルドという高度成長時代の発想が見え隠れしています。このような計画案が廃案になったのは当然です。
しかし、4月に桑原区長の後継者としてその職に就いた長谷部新区長は「内容を検討し、いずれあらためて、区議会に整備計画を提出するつもり」としています。現在、周辺の町内会役員などと調整中とのことです。これが実現してしまえば、ナイキ化計画についての真摯な反省もなされないままに、宮下公園は大企業の利益を生むための商業施設になってしまいます。
現在、渋谷で進められている大再開発では、今後、駅周辺だけで30階を超えるビルが4つ、その他のビルが4つ新築されます。全てが東急グループです。このような巨大再開発によって、利益を得るのは東急や三井不動産などの大企業だけで周辺の路面店にはマイナスの影響が懸念されます。事業名に入っている「等」という文字からは、駅頭と公園をデッキで連結するなどの含みをもたせた事業であることが伺えます。壁のようにそびえる商業ビルが駅周辺に作られ、そこからデッキで巨大商業施設が結ばれたら、周辺での小さい商店の経営は立ち行かなくなるのではないでしょうか?
宮下公園は、地域の人たちともつながり、また来街者が一息つき、貧困者であっても24時間誰もが利用できる無料の場所であるべきだと思います。
私たちは、違法である「みやしたこうえん」・公園とはいえない「宮下公園等再整備事業」に強く反対しています。
私たちの活動や地裁・高裁判決に関しては以下ブログを参照ください
http://minnanokouenn.blogspot.jp/
意見などは以下まで
minnanokouenn@gmail.com
2010年10月14日
みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会
★付記
●宮下公園ナイキ化計画とは何か
2008年5月、ナイキジャパン社が区立宮下公園の命名権を年間1700万で買い取り、スケートパークなどを設置するという計画を地元ミニコミ誌がスッパ抜きました。私たちは、(1)公園の公共的な価値を奪う計画内容(2)民主主義的な手続きを無視したずさんなプロセス(3)野宿を強いられる人々の追い出しがグローバリゼーションに伴う再開発の典型であると考え、この計画に反対するために立ち上がりました。
渋谷区がこの計画に初めて触れたのが2009年6月11日の区長演説、1週間後の都市環境委員会では、議員すら知らないうちに選定委員会が開かれナイキジャパンが候補者として決定していたことが報告されました。そのナイキジャパン案は、公園内に大きな広告看板を建てる・イベントの事前確認と認否をナイキが決めるなどという不当なものでした。2009年8月27日、渋谷区とナイキジャパン社は基本協定書を締結し、ナイキジャパン社及び東急建設は9月から工事を始める予定でした。一方で、渋谷区が公園の野宿者の意向調査を始めたのは9月以降のことです。このことだけでも、いかに渋谷区が野宿者を軽視していたかが分かります。結局、渋谷区は宮下公園わきの緑道に小屋を自ら作り、そこに公園内の野宿者の多くを強引に移転させました。公園内にテントを設置し工事を阻止する人たちや野宿者やその支援を行う団体と協力しながら、私たちはこの計画に異を唱え続けました。しかし、2010年9月15日早朝、渋谷区は何の予告もなく宮下公園を全面閉鎖し、同年9月24日には行政代執行によりテントなど私たちの荷物を撤去してしまいました。全面閉鎖の当日、原告の一人である元宮下公園野宿者は、渋谷区の職員・ガードマンに担ぎ上げられ園外に追い出されケガを負いました。公園がリニューアルオープンした際にも、渋谷区は私たちに対して不当な身体検査を行いました。また、反原発のステッカーを貼ったなどとして逮捕された人が2名いました。基本協定書で「宮下NIKEパーク」と命名されていた宮下公園は、世論の批判を恐れたためか、平仮名で「みやしたこうえん」になりました。しかし、リニューアルオープン以来、宮下公園は夜間施錠や監視カメラの設置を行うなど異様な状態が続いています。
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