「ねる会議」は、 宮下公園で寝ることをきっかけに、2017年初頭から、野宿者としての生活や人権を守り、たたかいとるために、渋谷・新宿などで野宿者を中心に活動しています。
「ねる」場所を守る作戦や考えを「ねる」ための会議、が団体名の由来です。
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2024年11月30日土曜日
11月22日 2024年第三回 東京都特別就労対策事業について産業労働局との交渉
11月22日、ねる会議は東京都産業労働局との交渉を行った。野宿者の多くが従事している東京都特別就労対策事業について改善を求めるためだ。
内容は主に、①年々減っている人工数を2020年以前の51000人工に戻すこと、②来年度の夏季の仕事の出し方を見直すこと(近年、熱中症対策で8月は全休、7月と9月は熱中症警戒指数31以上で中止という措置が取られている)、③ハラスメント対策を行うこと、④日雇健康保険の運用について適切な説明を行い、厚労省年金局に対して働きかけを行うこと。
今回も東京都産業労働局雇用就業部就業推進課の金野、和田が対応。私たちが提出した要望書に対して、①②と③の一部については「これまでにもいただいている要請と同じ内容ですが、今回再度要望を出されたということを踏まえまして、東京都としましても、皆さんがこれらのことを引き続き要望しているものと改めて認識をいたしました」。え、認識しただけ?それで?
そして、③の残りの一部と④については「行う予定はございません」。
これには皆から「回答になっていない!」と怒りの声が飛んだ。そして、改めて皆で作成した要望書に沿って細かく追及。何を聞いても肝心なことは「お答えできません」とばかり繰り返す東京都に辟易しながらも、辛抱強く、様々な切り口から質問や要望を重ねた。
例えば②来年度の夏季の仕事の出し方については、ねる会議メンバーが実際に仕事現場の1つである公園で暑さ指数を測定したデータを提出。天気予報で暑さ指数が31を超え仕事が中止になった日でも、現場によっては基準値以下のところもあることを示した。
東京都は「参考にさせていただきます」とし、受託業者もまた暑さ指数計測器を持っていることを明かした。それならばそれをもっと活用して臨機応変に仕事を出してほしい、と強く要望した。
また、私たちは同じく夏季の仕事出しについて、暑さに影響を受けずに働ける屋内の現場などを他部署とも連携して検討してほしいと要求。今年の6・7月に同様の要望を出しているが、その後、何か動きはあったのか?他部署とどのようなやり取りをしたのか? これにも東京都は「お答えできません」と繰り返す一方、「野宿状態にあって就労意欲のある方については福祉の方で就労自立支援もありますので、福祉の方とは連携をさせていただいて、要望が来ているということも伝えてあります」と突然言い出した。私たちが求めているのは、特別就労対策事業の現場を増やすための他部署との連携であって、福祉と連携しろなんて頼んでいない!野宿者の訴えは何でも福祉に丸投げすればよいと思っているなら大間違いだ!
③ハラスメント対策について。特別就労対策事業の現場(職安での求職時や行き帰り含む)でも、いじめ、付きまとい、暴言などのハラスメントが起きている。改正労働施策総合推進法は2022年4月から中小企業に対してもパワハラ対策を義務付けている。受託事業者が法に則りパワハラ対策を行っているのかどうか、東京都が確認するべきではないのか、と追及した。「予定はない」「事業者の責任でやることだ」と繰り返していた東京都だが、最後には「持ち帰る」と言わせることができ、後日、「(12月から始まる現場の)受託業者の説明会において、ハラスメントを指摘する声があがっていること、行き過ぎた指導はしないようにという話を行った。また来年度の業者説明会でもするつもり。」という回答を得た。
④日雇健康保険については、厚労省年金局や保険局が扱うべきことだから自分たちが何か行う予定はないという東京都。しかし、前回の話し合いのあと、東京都は9月の手帳更新時に日雇健康保険の制度周知のお知らせを玉姫職安などに配布させた。今回、改めて、新規登録時も同様にするよう玉姫職安に話すと約束した。また、75才以上の労働者は適用除外とし保険料の返還に応じる旨、事業者に通知を出した。少しずつだが、声を上げたことが実を結びつつある。
最後に、要望書には記載していなかったが、特別就労対策事業で働く仲間たちから、冬季は仕事の休憩所にストーブを設置してほしいと声があがった。
交渉の中で東京都は、私たちの要望書について「ここで上げられていることすべてについて絶対やりませんとは伝えていません。もちろん絶対やりますとも言いません。だからここにあげられている事項の中でやることももしかしたらあるかもしれません。」と発言。何をやるのか、やらないのか、はっきり伝えて話し合おうとしないことには強い不満を覚えるが、少しでも何か変わる可能性があるならば皆の頑張りの成果だ。
私たちは、これからも自分たちの言葉で要求を伝え、野宿者にとって貴重な働く場を守り、より良い場にしていくための取り組みを続ける。
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