申し入れ書
2008年8月11日
渋谷区長殿
渋谷区土木部公園課長殿
みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会
連絡先 東京都渋谷区東1-27-8-202/080-3127-0639
渋谷区立宮下公園の全面改修計画が秘密裏に進められている。マスコミ報道や私たちが得た情報によれば、スポーツ用品大手企業のナイキ社が総事業費4億5千万円を投入し、スケートボード場やオープンカフェなどを新設、利用料をとって運営費に振り分けるという。また渋谷区はナイキ社に施設命名権(ネーミングライツ)を5年間、1億5千万円で売却、管理上、公園の周囲をフェンスで囲んで夜間施錠するという。
私たちは以下の理由からこの計画に反対する。
1 この計画によれば、宮下公園は、一企業が利益を得るための商業スペースとして、一部のスポーツ愛好家だけしか利用できない場所に変質することになる。本来、公園は誰もが能動的に自由に利用することのできる極めて公共性の高い空間のはずである。計画が実現されれば、砂場で遊んだり、ベンチで一休みすることもできなくなり、長年に渡り利用されてきた市民運動の集会などの表現の場が奪われることになる。また宮下公園でテントを張り、アルミ缶回収や日雇い労働などの収入で命をつないできた野宿者の生活と生存が脅かされることになる。
2 この計画は、区長と一部の区議会議員がトップダウンで強引に進めていると言われている。これまで区民や利用者、テント生活者などに何の説明も話し合いもない。区議会や都市計画審議会にも諮られず、区長の周辺だけで独断的に決定しようとしている。またなぜナイキ社と独占的な契約を結ぼうとしているのか不明瞭である。
渋谷区は2年前にも宮下公園において、区民や利用者などに何の説明も話し合いもなくフットサル場を設置した「前科」がある。4年前には同じナイキ社の投資によって美竹公園にバスケットコート(ジョーダンコート)を設置した。計画から工事着工までわずか1か月、区長の独断によるこの決定で砂場やジャングルジムなどは潰され、「子供の遊び場がなくなった」と嘆く近隣住民は多い。(さすがに公園課長も拙速だったと認めている) 私たちは、7月9日、株式会社ナイキジャパンに対し今回の計画について明らかにするよう申し入れ書を提出した。7月16日付の文書回答によれば、「渋谷区に対し宮下公園に関するご提案をさせて頂いていることは事実でございますが、現在、渋谷区にご検討を頂いている状況で、現時点において確定事項としてお知らせ差し上げられる内容はございません」と、計画の存在について認めた。公園課長は私たちの問い合わせに対し、「ナイキのことなど検討の俎上にあがっていない」と言っていたが、「ナイキからの提案」についてしぶしぶ認めている。(7月8日東京新聞)ここまでこの計画をめぐる問題が大きくなっている以上、もはや知らぬ存ぜぬの態度は許されない。渋谷区は速やかに計画を明らかにし、区民や利用者やテント生活者など関係者との話し合いによって問題の解決を図るべきである。
以下、申し入れる。
1 渋谷区は宮下公園改修計画についてその内容、経過について全て明らかにすること。
2 この計画をめぐる問題の解決に向けて、私たちとの交渉の場を2008年8月25日から2008年9月5日までの間に設定すること。
3 上記申し入れについて1週間以内に文書で回答すること。
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