東京都の段ボール手帳(特別就労対策事業)は、 山谷地区のみならず、 渋谷や新宿など東京各地の野宿者にとって貴重な就労機会となって いる。昨年11月以来、 今年度はじめての都庁前での産労局交渉となった。 今年度の給与が据え置きだったことを踏まえて物価指数上昇に合わ せた賃上げ、目減りしつづける人工数の回復、 夏期就労についての配慮、ハラスメント対策、 定期検診の実施などを求めた。
新任の広瀬課長代理が主に答え、おなじみの和田主任が補足した。
賃上げについて、民間求人の賃金を参考にしている( 民間の賃金は上昇している)と言いつつも、 同種の仕事より時給が高いなどと言って、 特就の労働者が物価高の中で困窮している現実を省みない発言を続 けた。
夏期に半日の仕事出しが(2020年以来)再開したのは、 この間のわたしたちを含め多くの声の結実として評価しているが、 暑さ指数に関わりない屋内や木陰の多い公園、 日没後の屋外など様々な就労機会の確保については、 出来ない理由を述べる後ろ向きの姿勢が目立った。
就労環境の件は、 ハラスメントの相談を受け付ける旨を監督が労働者に朝礼で言う、 という部分について、口頭で事業者に求めるとのことだった。
定期検診は、産労局のやることではない、と一顧だにしない回答。 多くの野宿労働者が検診を受けられない状態にある。 労働者の健康は発注者である産労局として支えるべき大切なことだ ろう。
わたしたちの交渉後の振り返りにおいて、やらないありき、 ご意見受けたまりましただけ、納得できない、 と産労局に批判の声が挙がった。
産労局には来年度にむけて、 わたしたちの申し入れについて改めてきちんと検討してもらいたい 。
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