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2020年4月28日火曜日

総務省、ホームレスは住民登録していない「今いる場所」の役所で給付を受けられるとの見解

4月27日、渋谷で主に活動している野宿者・支援者の4団体で、特別定額給付金について総務省の担当者に要望書を提出し話し合いを持った。
相手は、自治行政局地域政策課 特別定額給付金室主査のフクダ氏。わずか10分程度の時間であったが、いくつかの注目すべき発言を引き出すことが出来た。
「今いる場所の自治体の窓口で相談をしてほしい」
「野宿者についても総務省から自治体へ何らかの新たな通知などを行う」
「住民登録をしていない所でも、ない方でも、給付を受けられるようにする」
これらの発言から伺われることは、住民基本台帳に拘泥せず、野宿者について「今いる場所」を基本にして対応していくことを総務省が検討しているということだ。それは、DV被害者の方が「今いる場所」の役所で一定の要件のもと給付が受けられることになった方向性を拡張していくことを意味しているだろう。
話し合いに立ち会った野宿者は、フクダ氏の発言に希望を感じたと明るい表情になった。総務省は私たちの要望を熟慮して、きちんとした結果をもたらすようにしてほしい。
私たちはここにいる、そして、今いる場所ですべての人が特別定額給付金を受けられるように政府にこれからも求めていく。

フクダ氏との一問一答は以下。

Q 住民登録をもとにしていたら、すべての野宿者に給付できないのでは?
A 今回は迅速に配るという観点から住民基本台帳に載っている方を対象にしている。しかし、住民台帳に載っていない方もいるので、そういう方々にもしっかりと対応していく。
Q 具体的にどのように対応を考えているのか?
A 自治体の窓口に行ってご相談いただければ、やり方がわかるように説明があると思う。そのあたりの話を今われわれは詰めている。給付開始になったら、何らかの形で広報するので、それをもとに市区町村の窓口にご相談いただければと思う。
Q 住民票のあるところとは別のところで野宿している。相談するのは、住民票のある役所の窓口なのか、今いるところの役所の窓口なのか?
A 今いるところの窓口です。
Q 4月22日に出したDV被害者の方の給付の事務処理についての通知のようなものを野宿者についても総務省は出すのか?
A 通知になるかQAになるか、具体的なやり方はこれからですけど(考えている)。
Q 野宿者に対するヒアリングはしているのか
A 自治体の人に、こういうケースはどうしたらいいですか、という質問があがってきた時に答えている。
Q 住民票が消除されている人は4月27日以降であっても回復させれば受け取れる、ということを総務省は言っているけど、それ以上にいろいろとやらないと実際は貰えない人がいる。そういう部分について、新たな通知などを行うということでいいのか?
A 何らかな形で示したい。
Q まだ自治体には何も伝えていないのか?
A 大枠のことは伝えているが、細かなケースをどうするかはこれからになる。
Q 自治体に行けば分かるのか?
A 国会で予算が通って、給付を開始するという段になった時に自治体にいけば分かるようにする。
Q 住民登録をしているところで、
A いや、住民登録をしていない所でも、ない方でも、受けられるようになります。具体的な手続きは自治体によって、書くもの(書類)などは違ってくると思いますけど。
Q 自治体の力量によるということか?
A 力量ということではなく、給付する段になったら自治体にお問い合わせください、と今の段階ではそこまでしか言えない。
Q 自治体は「国がやることなので」としか言わない。細かいケースも含めて国が自治体に通知などをしないと自治体は動けない状態である。
A 承知しました。
Q 自治体に窓口を設けることも検討してください。
A 分かりました。

2020年4月27日月曜日

ホームレスに対する特別定額給付金についての要望

本日(4月27日)、渋谷区と総務省の担当者に4団体によって要望書を手交しました (詳しくは別記事にて)。
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2020年4月27日
ホームレスに対する特別定額給付金についての要望

総務省自治行政局地域政策課 特別定額給付金室殿
渋谷区地域振興課特別定額給付金担当殿

ねる会議
聖公会野宿者支援活動・渋谷
渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん)
ノラ

わたしたちは、東京・渋谷で主に活動している野宿生活者・支援者の団体です。
コロナ禍の中、篤志による炊き出しが都の要請のもと激減し、都市雑業や派遣労働、特別就労対策事業などの収入源は絶たれ、野宿生活者は瀕死の瀬戸際にあるといっても過言ではありません。
特別定額給付金について、以下を要望します。

1,住民基本台帳への記載がある/なしに関わらず、すべての野宿生活者(公園・河川・道路・駅構内などで定着/流動して生活している者)が特別定額給付金を受領できるようにしてください
2,世帯単位ではなく個人単位で当該者に直接、申請書交付・申請受付・給付をしてください
3,「今いる場所」の市区町村役所で、申請書受け取り・申請書交付・申請受付・給付を出来るようにしてください
4,住民基本台帳への記載を必須の給付条件にするならば、「今いる場所」(テントなど)または「今いる場所」にある福祉事務所を住所として住民登録が出来るようにしてください
5,野宿生活者としての認定および本人確認は、当事者に対する過重な負担にならない形での、職員の「聞き取り」によっても対応可能にしてください
6,野宿生活者としての認定は、福祉課窓口に訪問した際の記入書類(カードの類い)などによって、簡易に行えるようにしてください
7,野宿生活者の本人確認は、当該者の氏名で社会生活を送っていることが推量できる書類(特別就労対策事業の求職受付票、診察券、各種のカード(以上、期限切れを含む)、郵便物、名刺など)で簡易に行えるようにしてください
8,世帯主にアクセスできず給付が受けられない野宿生活者のために、早急に、住民票の住所以外での給付の申出の受付を開始してください。また、手続きの際、住民票のある世帯に当該者の「今いる場所」を知られることがないようにしてください。
9,野宿生活者が生活保障としての特別定額給付金をあまねく受け取れることを優先し、すべての手続きを柔軟かつスムーズに行うようにしてください。また、差別されることなく給付がうけられることを野宿生活者に対して積極的に広報するように努めてください。 

2020年4月26日日曜日

渋谷区福祉課窓口が提供していた非常食、ガクンと質が低下

4月13日から、防災課が備蓄していた非常食を窓口で提供しはじめた生活福祉課。しかし、4月22日から、その質が低下した。95カロリーのおかゆ1袋、クラッカー1袋、だけになったのだ。合わせて、たったの359カロリー。
13日から出されていたビスケットなど非常食の計1311カロリーでも足りないし、もっと腹にたまる内容にするように要望していたにもかかわらず、3分の一に目減りさせるとは、考えてもいなかった、まさかの暴挙。クラッカーをおかずに冷たいおかゆをすすれ、とでもいうのだろうか?
さっそく24日に、ねる会議では福祉課を問いただしに行った。ビスケットなどの備蓄が尽きて、防災課の在庫で手配できるものがこれしかなかった、というのが福祉課古布係長の弁。しかし、大都市渋谷の備蓄食料がおかゆだけのわけがない。早急な改善、少なくともゴールデンウィーク前には大幅に改善させるように要求した。
それについてはGW前に電話回答がもらうことになった。また、非常に使い勝手の悪いシャワー利用などについては、GW明けに予定されている金子課長と交渉で訴えていく。
多くの自治体に先駆けて、備蓄食料を困窮者に提供しはじめ、他の自治体の前例となる渋谷区が、こんな貧相な尻すぼみな内容でお茶を濁すのを黙認ずるわけにはいかない。古布係長は、予想以上の来所があり食料(300セット程度)が早くなくなったと言っていたが、それだけ食べ物を求める人がいるということである。以前は、配布のクラッカーの減る量が変わらないことを特段な対応を行わない理由にしていたが、来所者が増えたのだから対応を充実させないと以前の屁理屈とすら整合性がない
多くの要望があることを受けて、早急に食料を改善させることを改めて強く求める。

2020年4月21日火曜日

パンデミックにある全国の各自治体は早急に、貧困者に食料を提供する対策を行ってください


わたしたち、野宿者を中心として活動する<ねる会議>は、3月11日から渋谷区に、非常用の食料を提供するように要求してきました。日雇いなどの仕事出しは停止される傾向にあり、行政の自粛要請を受けて地域の炊き出しも激減し、貧困者は食べ物にありつけなくなっていました。4月10日<ねる会議>は3度目の申し入れを行うために渋谷区福祉課へ出向き、非常用に備蓄している食料を出してほしいと強く要望しました。しかし、渋谷区は非常用の食料を出すかどうかは「検討中」と回答し、一か月近く経っても変わらないその回答に対して、もう限界だと野宿者たちはその場で座り込み訴えました。
そうして、野宿者たちの粘り強い取り組みによって、4月13日、ようやく渋谷区は、非常用の食料を福祉課窓口で毎日希望者に提供することとなりました。
各自治体では現在、保健所をはじめ、新型コロナウィルスの感染から人々の健康や命を守るための困難な業務に従事していることと思います。同時に、自粛要請や緊急事態宣言の中で、各自治体の判断が遅れ、これ以上、貧困者が食べていけなくなる状況は絶対に避けなければなりません。
わたしたちは、ホームレス状態にある人や野宿者、貧困にある子ども、外国人など誰もが、すぐに食べ物を得られるように、備蓄している食料の提供を行うなど、各自治体が早急に対応することを要求します。
貧困者、支援者、のみなさま、わたしたちは厳しい局面に立たされています。しかし、統一されないまま、生きるために必要なものを要求することは当然のことです。
わたしたちはここに居ます。
2020年4月18日 ねる会議

2020年4月17日金曜日

東京都産業労働局、日雇い労働者見殺しのゼロ回答

私たち、「ねる会議」は、特別就労対策事業(以下、特就事業)の停止をうけて、4月10日に産業労働局(以下、産労局)に対して、補償を要望し、のちに要望書も提出しました。そして、迎えた4月15日。特就事業の登録者を多く含む20名が都庁前に結集。
私たちにとって、生死をわけるといっても過言ではない正念場です。
13:30の約束より前に、公道に面した都庁敷地に前回対応した3人、背後に警備員や他職員多数、公道や歩道橋の上からこちらを監視する者(職員?公安?)数名が既に控えていました。
時間になり私たちが職員3人のもとへ向かうと、開口一番、敷地内に入らないよう求められました。アポイントを取り来訪した者に対し、おかしいのではないかと抗議の声が起こりました。


対応した3名は、産業労働局 雇用就業部 就業推進課長ニシカワ (右)、就業推進課長代理シマネ(左)、就業推進課主事コンドウ(中央)

シマネ氏が用意された回答文を読み上げました(以下、文字起こし)
「先週金曜日に皆さんから、野宿生活をしながら日雇いで働いている方の窮状についてお話をうかがいました。今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、困難な状況に置かれていることを改めて理解しました。
しかしながら、10日にお話ししたとおり、特別就労事業は高齢化が進んでいる労働者をバスで就労場所まで送迎し、集団で清掃等の業務に従事してもらうものであり、現下の事態におきまして、いわゆる3密の回避が難しく、感染リスクが非常に高まり、予防措置も困難であります。また、一部公園では立ち入り禁止措置も取られていることから、やむを得ず休止する判断をしました。
さて、東京都からご要望に対する回答ですが、現在はまさに非常事態であります。このような非常事態においては、特就事業が休止している間は福祉的アプローチが必要であると考えております。したがいまして、生活困窮者自立支援窓口での相談や生活保護など各種セーフティーネットの利用を検討いただきたいと考えておりますので、要望書に記されていた特就事業に登録する全労働者に対する生活保障を開始するというご要望にはお応えいたしかねます。これが東京都の回答です。」


冗談じゃない。何も進んでない。ゼロ回答だ。皆の怒りの声が飛び交いました。
前回の話し合いで、感染予防を考慮した仕事出しの仕方や現金給付について、いろいろな提案をし、セーフティネットを利用しない・できない状況についても説明しました。一体何を聞いていたのか。何も考えていないではないか。産労局は、労働者を守るために何をしたのか、と激しい追及。

このあと1時間にわたる話し合いの中で産労局は、主に以下の4点を繰り返すのみでした。
1、緊急事態なのでセーフティネットを利用してほしい。
2、感染予防に配慮した仕事出しの仕方については、できない、難しい。
3、現金給付はできない。特別就労対策事業は就労の機会を提供しその対価として賃金を支払うもので、それ以外の形で予算を使うことはできない。
4、休止が解けたのちに再開できるよう準備している。
それぞれについて補足します。
○1について
皆からは、前回同様、セーフティネットを使いたくない人もいる、生活保護は水際作戦で追い返されることも多い、いま、窓口に相談に行っても紹介されるのはほとんど相部屋の施設で、それこそ感染リスクがある、と声があがりました。
産労局は、セーフティネットの利用をしきりに勧めておきながら、実際にどのような制度がどのように運用されているのか、ほとんど理解していない様子。自分たちの無策を棚に上げて、ろくに把握してない他部局の施策を勧める無責任な姿勢を露呈しました。
奇しくも、私たちの話し合いの最中、通りかかった男性が「私も仕事を切られ、来月の家賃が払えない。ホームレスになるしかない。年金があるが住所がなければ受け取れなくなる。どうしたらいいんだ。」と窮状を訴えました。コロナの感染とそれに伴う経済危機で、今、こうした人々が激増しセーフティネットの窓口に殺到しています。
産労局は、他部局に丸投げせず自分たちで出来ることを考えろと訴えに拍車がかかりました。
○2について
当初、産労局では、送迎バスを増やして1台あたりの乗車人数を減らす形で仕事を出すことを検討・調整したとのこと。今となってはバスも多くのキャンセルが出ているが、当時はバスが手配できず断念したという説明を行いました。つまり今なら可能ではないかと問うと、予算が決まっているから出来ない、議会に再度かけるにはエネルギーを要する、と消極的。
現地集合や、人数を分散させての就労など、様々なアイデアを出しましたが、「統制できない」という理由で検討する余地を見せませんでした。
また、仕事出しが出来ない理由の一つとして「公園が閉鎖されている」ことを挙げていましたが、産労局は代々木公園が4月13日から開放されていることすら把握していませんでした。
さらに、どの公園が閉まっているのか、と追及された産労局は、日比谷公園、と答えました。その時は、日比谷公園が閉まっているなんて聞いたことない、とは思いましたが、こちらとしても確証がなく、また、都の役人がいうのだから、そうなのかな、と受け流しました。
しかし! 後日、日比谷公園の管理事務所に確認してみたところ、テニスコートなどの施設は閉めているが、公園は閉まっていないし、コロナの件で閉めたこともない、とのことでした。テニスコートは清掃の一部に入っていますが、単にコートの清掃をしなければいい(する必要がない)だけの話です。騙された!!嘘つき!!
特就事業対象の公園で現在閉まっている公園などありません。
また、大阪の高齢者特就事業など、他地域の事例も調べていませんでした。
産労局は、不十分な情報収集、間違った認識のもとで、自分たちの施策や私たちの要望を検討していることがはっきりしました。
○3について
私たちからは、特就事業もまた重要なセーフティネットであり、戦後の失対事業や山谷で事業が行われてきた目的や経緯を踏まえれば、労働局であっても福祉的アプローチを考えるべき。福祉保健局など他部局が、緊急事態にあたり、これまでにない制度運用を行っているのだから産労局も努力せよ、と再三訴えましたが、産労局は同じ回答を繰り返すばかりでした。現在、予算は執行されておらず、お金は残っている状態。このまま緊急事態宣言が長引けば予算は消化できないまま余ってしまうことを産労局は認めながら、柔軟に対応しようとする姿勢がまったくありませんでした。
1時間を過ぎたところで、産労局は一方的に話を中断しようとしました。
全体として、今回の回答は「できない」「やらない」「難しい」という結論ありきで、私たちの要求や窮状について考えようともしない酷いものでした。
当然、再検討せよという声が一斉にあがりましたが、産労局は、新しい提案があるなら検討する、書面で示せと居直りました。一体何様のつもりでしょうか。

そして、わらわらと集結する警備員に守られながら庁舎の奥に逃げ帰っていきました。
私たちは警備員に阻まれながら産労局に「休業手当を出せ!」「逃げるな!」「日雇い労働者を殺すのか!」と怒りの声をぶつけました。
私たちは、今後も、東京都そして産労局に対して、当たり前の補償をするように要求をしていきます。ご注目・ご支援、お願いします。
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以下まで、意見・抗議を!
東京都産業労働局雇用就業部就業推進課  03-5321-1111
産業労働局メール sanrou_goiken@section.metro.tokyo.jp

2020年4月15日水曜日

渋谷区が生活福祉課窓口で非常食の提供を始めました


1人1日クラッカー一袋だけではなく、もっとマシな食べ物を出してくれ、と渋谷区福祉に対して「ねる会議」は3月11日から交渉を始めました。状況を把握していない、などと言って対応する様子のなかった渋谷区ですが、緊急事態だから非常食を即決で出すように、と座り込んだ4月10日交渉をへて、ようやく重い腰をあげました。
防災課の備蓄していた非常食が生活福祉課窓口で4月13日から希望者に提供されはじめました。
栄養補助食品(棒状のビスケット)4本、クラッカー(2種類)計39枚(写真上部の13枚は従来配布品)。
合計カロリーは1311kal。今までに比べれば格段に改善されましたが、成人男性の1日必要カロリー(2000~2400kal)には足りませんし、おなかにたまるような食べ物でもありません。
コロナ禍にある貧困者への食料について、渋谷区は、これで事足れりとせず、さらなる対応をするべきです。

2020年4月14日火曜日

東京都産業労働局に要望書を送りました

4月10日交渉の際に、産業労働局が要望を文書にしてほしいとのことだったので、都知事と産労局あての要望書を4月12日に送付しました。
野宿生活者の状況は切迫しています。
きちんと検討した上で、4月15日交渉で誠実な回答をしてください!

2020年4月13日月曜日

東京都産業労働局と特別就労対策事業停止の補償について交渉を開始しました(ねる会議)

1970年代、日雇い労働の需要の落ち込みに対する労働者の要求から始まった山谷地区での特別就労対策事業(通称、段ボール手帳、以下、特就事業)。
都立公園の清掃や湾岸部の都有地の草刈りなど都の発注する公共事業に、山谷にあるハローワーク(玉姫職安など)に登録している労働者を日雇いすることで生活の安定を図るものとされています。
年間51000人分の求人で、月に1人平均3回(一回約8000円)仕事を得ることが可能です。
近年では、渋谷や新宿から登録する人も多く、野宿者の生活を支える重要な事業となってきました。

しかし、新年度4月8日から開始されるはずの特就事業は、その前日に5月6日までの全面停止(6日以降は未定)が発表され、登録している人たちに衝撃が走りました。
ねる会議のメンバーにも、特就事業で生計を立てている者や予定していた者がいます。
生活を脅かす喫緊の大問題に、4月10日、総勢約15名で、事業を主監している産業労働局(雇用就業部就業推進課)にむかいました。

都庁受付の最新機器で名前と行先を入力し、ガードマンによる検温(おでこにピッとやるやつ)を受け、入場用のセキュリティーカードを1人ずつ受け取り21階へ。
産業労働局の窓口で用件を告げると、就業推進課(課長代理)シマネ氏と同課主事だという男性(名乗らず)が対応に現れました。
動線を確保するためということで、狭い廊下に密集する形でのやり取りを余儀なくされ、シマネ氏は私たちに指摘されるまでマスク未着用でした。

シマネ氏は、厳しい状況であるという認識はある、しかしこの場で回答することはできない、何か検討しているかどうかについても答えられない、と最初に言ったきりで、その後のやり取りは、ほとんど主事男性が以下のように発言。
<コロナの感染爆発という状況を踏まえ、どうしたら3密を回避できるか、産業労働局、建設局、港湾局で検討し、日雇い労働者の安全のため仕事紹介を休止した。都としては、特別就労対策事業はそれだけで生活を成り立たせるものとは認識していない。生活保護や自治体の用意しているセーフティネットを活用してほしいと以前から言っている>

一方、私たちからは、そちらの認識とは違い、実際にはこの場にいる者も含め多くの人が野宿しながら、特別就労対策事業を貴重な収入源として食いつないでいるのが現状だということを伝えました。3月で年度末に紹介が止まって、4月の再開を皆あてにしていた。コロナで炊き出しもなくなっている。生活保護も利用しない・できない理由がある。だいたい、無料低額宿泊所などの大部屋は3密状態じゃないか、とも。

男性主事は、非常事態宣言が解除されて仕事が出せる状況になったら、そのとき休止した分を振り分ける可能性もあるが、決まっていないことについて今の時点では言えない、と発言。私たちからは、日雇い労働者は1日1日を食いつないでいる。1か月も止まるということの重要性を考えろ。このままではコロナで死ぬか、飢えて死ぬか選べと言われているようなものだ。と、皆で口々に訴え、いますぐ休業補償をするか、何らかの仕事だしの対策を講じるよう求めました。
産労局によれば、予算(業者への支払い)はまだ執行していないということでした。予算があるなら、すぐにでも応急対策ができるはずです。

私たちは、これの要望に対する回答を聞くため次回のアポイントを取り、すみやかに帰る予定でした。産労局側が要望書を出してほしいというので了解し、緊急の対応を求めているにも関わらず、次回話し合いはこの場で決められないと事態が一向に進みません。


そうこうしているうちに、別部署の職員なのか何者ともわからない人々やガードマンがわらわらと集結しフロアはまさに3密状態に。これは危険と判断し、全員で外に出て話を続行することにしました。
移動の最中、後から現れた話し合いとは関係のない総務局の職員が「責任ならとってやるよ。俺はいつ辞めても構わないんだ」と笑いながら軽口を叩いたことに1人が抗議。すると逆に激昂し暴言を繰り返すという一幕もありました。

場所は都庁前の路上へ。ここでも相変わらず堂々巡りのやり取りをしばらく続けていましたが、最終的に産労局側から日程の提案があり、最終的に話し合いは15日13:30からになりました。
産労局側は代表者をしぼれと条件を付けてきましたが、私たちはこれには応じませんでした。

命綱である特就事業の仕事が止まるという緊急事態に、担当部署の役人を捕まえて皆がそれぞれの言葉で切実な事態を訴えました。
東京都は、今回の私たちの発言を多くの特就事業労働者の声として真摯に受け止め、誠実に対応してください!

4月10日、福祉課に食べ物をよこせと要望!

4月8日から始まる予定だった「ダンボール手帳」(特別就労対策事業)の仕事は停止、さらに、「自粛」によって多くの炊き出しも停止し、多くの野宿者はますます食べ物にありつけない状況だ。
ねる会議では3月から渋谷区福祉課に、クラッカー小袋1つではなく、緊急事態に対応して、防災課と連携し必要に見合った食べ物を出せと要望してきた。
4月10日(金)朝、福祉課と3回目の話し合いをもち、もう限界だ!と強く要求をした。
すると福祉課金子課長は、クラッカー小袋を当日(4/10)から一日2袋にした、防災課・総務課と現在協議中、と返答した。
がく然とした私たちは、クラッカー2袋で生きていけるか!さっさと食べ物出せ!と怒り心頭に達し、その場で座り込んで抗議した。
福祉課は、次の月曜日(13日)返答すると逃げるように立ち去った。
すでに毎日食べられない人もいることだろう。なかなか食べ物にありつけないことと、外で暮らす中での感染予防の困難さ、二重に厳しい状況にあるが、あきらめずに共に生き延びよう!

※本日(13日)、福祉課から連絡があり、備蓄していた食料(ビスケット状の栄養補助食品など)を福祉窓口で今朝から出すことになった、とのことです。
みなさんからの福祉課への要望もあり、私たちの要求の一部はひとまず実現しましたが、厳しい状況はまだまだ続きます。
今後もひきつづきご注目よろしくお願いします。

2020年4月4日土曜日

緊急!福祉課は食料を出しなさい! 先月2回の申し入れにもこの事態の深刻さを受け止めず対応しない渋谷区へ、さらに強く要望します!


渋谷区福祉課の窓口で食べ物を求めると、一日一人クラッカー一袋を応急援護として渡されます。以前より、私たちは、クラッカー一袋(13枚 254カロリー)では、一日の必要カロリーの8分の一程度であり、食糧として全く足りないと訴えてきました。
現在、新型コロナに対する対策によって、都内の炊き出しは激減しています。
渋谷近辺における炊き出し数は、約半分になっており、ますます減少することが予想されます。
このような情勢をふまえ、私たちは3月11日、渋谷区福祉課に対して緊急で食料を出すように要請に行きました。対応した古布(相談)係長は、生活保護を受けていただきたいというのが第一だが、ご意見として受け止めます、といいつつも、「たくさんのものをお渡しすることで、野宿生活を助長することになりかねない」と発言。事態の緊急性への無理解をさらけ出しました。
つづいて、3月23日に、金子福祉課長・古布係長と交渉を持ちました。
金子課長は、クラッカーを貰う人の数が変わっていないし、食べ物に困っている声を聞いていない、とうそぶきました。クラッカーのためだけに遠くから福祉課まで歩いてくる人が多くいないことは当然です。参加者の声を直接ぶつけることで、炊き出しが減っている中で食べ物に困窮してきていることを1時間くらいかけて課長にようやく認めさせました。
炊き出しを行っている団体は、行政からの指導の中で、さまざまな工夫をしつつも、ぎりぎりの選択に迫られています。野宿者は、公共施設が閉鎖になる中で行き場所を失い、炊き出しの激減で生命の危機にさらされています。渋谷区は、事態を真摯に受け止め、いますぐ全庁的に応急援護を充実させる時です。
次回交渉は4月10日に予定されています。
以下の電話番号や意見フォームより福祉窓口での食料配布するように渋谷区に要望をとどけてください。
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渋谷区福祉課(相談係)0334632042
意見フォームhttps://shibuya-form-mayor.seagulloffice.com/kocho-uketsuke/client
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ねる会議