2021年8月8日日曜日

未だにつづくオリンピック追い出し

 <公園に侵略するな!野宿の人の寝場所を返せ!>

 競技場に隣接する広大な公園敷地が、オリンピック関係者のための特設駐車場として7月16日から占有されている。イベントステージもある広場で、ベンチもたくさんあった場所だ。今は一帯が封鎖され、フェンス内には、オリンピック公用車と警察車両が、ほんの数台だけ停まっている。9月上旬まで、このままだという。公園が大幅に狭くなり、非常に迷惑だ。さらに、組織委員会が占有している場所以外でさえ、四六時中、警察官が警棒を持ってうろつき、あろうことか、公園利用者の荷物をどかせろと脅かし、ひどい横暴ぶりだ。

 最も生活に影響を受けているのが、特設駐車場として占有されている広場の一部である陸橋下で、寝泊まりしていた野宿生活者だ。少しの雨ならしのげる陸橋下では、何人かの野宿生活者が暮らしていた。

 なぜ数台の車のためにこんなに広い敷地を占有しているのか? 競技場の敷地内には広い駐車場があり、道を挟んで競技場と隣接するビルの跡地も、オリンピックのために都有にして駐車場をつくった。しかもオリンピックは無観客で開催規模も縮小したはずだ。公共公園の敷地を闇雲に奪うことは全く理解できない。組織委員会は、必要のない占有を今からでもやめろ。


<人権軽視の組織員委員会と、過剰警備の警察による度重なる追い出し>

①野宿生活者を犠牲にしたオリンピック特設駐車場

 フェンス設置工事の約1ヶ月ほど前、陸橋下で暮らすKさんは、公園管理事務所の職員から、占有部分とフェンス設置について知らされ、荷物を移動するように言われた。Kさんの荷物はいつもコンパクトに整理されていたが、移動できる場所は簡単には探せない。雨をしのげる場所や、仲間と一緒に安心していられるような場所は、他にはなかなかない(最近、近くで襲撃が続いている)。また、管理事務所や組織委員会による、移動先での更なる追い出しを避けるために、Kさんは、どこへ移動すればいいのですか?と何度も尋ねた。しかし、公園管理側は、ここがいいと示すことはできないと言うばかりであった。

 16日、フェンス設置工事が始まった。フェンスの外側の草むらに荷物を移動させたKさんは、どこへ行けばいいのかと途方にくれた。梅雨は明けたが、炎天下の草むらへ放り出されることになった。

②警察官の過剰警備による排除

 Kさんは、日中は日陰を探して歩き、夜は荷物を置いて草むらで休む日々となった。雨の日は軒下などで雨宿りをして、寝ることができずクタクタとなった。

 フェンスが立って一週間目の夜、オリンピック警備の警察官が、草むらにいるKさんのところやってきて、ここから出ていけと言い放った。なぜ公園から自分が追い出されるのか、Kさんは驚いた。数日間、この草むらにいて、公園管理事務所もそのことを確認している。Kさんは、自分の荷物と共にいるだけなのに、なぜ公園から出ていかなければならないのか?と、警察官に理由を聞いた。しかし、警棒を腰にぶらさげた警察官は理由を答えなかった。いつも巡回している公園の警備員にKさんは事情を説明し、警備員も警察官に色々質問をした。しかし、警察官は答えず、むしろムキになっている様子だった。警察官の強硬な態度に、警備員は、Kさんを近くの道路へ誘導した。結局、Kさんは公園の外へ追い出されたのだ。理由もなく公園から出されたことは明らかな人権侵害である。Kさんは精神的にも疲れ果ててしまった。

③公園管理事務所は、占有している組織員委員会に「人を排除することはできない」と確認の電話を入れる。しかし…

 警察官に、公園利用者を追い出す権限はないはずだ。Kさんは同公園に住む仲間と一緒に、公園管理事務所へ話を聞きにいった。管理事務所も、事態を認識しており、組織委員会に連絡して「排除はできない」ことを確認したと言っていた。しかし、警察にそのことが伝わったどうかわからない。

 その晩、Kさんと仲間は草むらに向かった。案の定、警察官が「危ない」「何しているのか」など声をかけてきた。寝ているだけ、危なくない、公園にいる理由を説明をする必要はない、と答えた。驚いたことに、警察官は組織委員会の占有範囲すら分かっていなかった。配置される警察は毎日変わり、引き継ぎもしていないという。警察の怠慢で横暴な仕事のせいで、Kさんの生活は脅かされ、精神的にも追い込まれている。Kさんが寝ているところは公園敷地であり、所有者がはっきりしている荷物は「不審物」ではない。なぜ、毎晩、警察官に説明をしなければならないのか? ふざけるな。

④警察はオリンピックのための過剰警備をやめろ。

 他のエリアのオリンピック会場の近くにいる、ある野宿者が言うには、仕事へ向かう途中、毎日同じところで警察官の職質にあうそうだ。違う警察官が立っいて、毎回止められるらしい。

 警察はオリンピックのために前のめりになっているようだが、過剰警備によって人権を侵害していることを自覚してほしい。警察官の配備も明らかに過剰だ。人々を脅かす言動をやめろ。生活を奪う人権侵害をいますぐやめろ。

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