2015年3月28日土曜日

「三井不動産」による新宮下公園等整備事業(注1)が廃案に!

三井不動産の提案した案が、3月26日渋谷区都市環境委員会において全会一致で継続審議になりました(注2)。4月に統一地方選挙を控えているため、事実上の廃案です。
宮下公園等整備事業は、昨年8月に渋谷区が公募し計6回の非公開の検討会を経て、今年2月に三井不動産が候補者として選ばれました。落選したのは、東急急行株式会社。
新庁舎を作る三井不動産と駅周辺大規模再開発を進める東急、この2社の応募しかないこと自体が渋谷区と密着している企業に有利な内容であることが分かります。(公募期間も1ヶ月と短いものでした)
三井不動産の提案は、現在の宮下公園を更地にし3階建ての商業施設の上に公園を新築し、公園敷地(約10%相当)に17階建ホテルを建設するというもの。
公園とは名ばかりの商業施設への転用です。
しかも、公園範囲に上限を設けて(柱で宙に浮かせた)ホテルをつくるのは、都市公園法(立体都市公園)では全く想定されていません。行政自らが法の抜け道を探るという不見識さです。また、この点について水と緑・公園課(以下公園課)は「これから都や国と協議する」として、そもそも建設可能かどうかもはっきりしないままに協定締結を提案するという杜撰なものでした。
ナイキのネーミングライツとの関係についても「これから協議する」(公園課)。年間1700万の命名権料も工事中も貰えるのかどうかも「これから協議する」(公園課)(注3)。
また、宮下公園の1Fに居住する野宿者については、商業施設(路面店)による排除を前提としたイメージ図が発表されました。2010年にナイキ提案の公園を実現するために、この場所に小屋を造り公園内の野宿者を強制的に移転させたのは渋谷区です。その人たちを検討会において考慮することもせず(公園課発言)何の相談・説明もなく三井提案がなされたのも大きな問題です。

今回の都市環境委員会では、全会派一致で継続審議(注4)になりました。
ある議員によると、区長提案が廃案になるのは画期的、とのこと。
提案内容の酷さだけではなく、4月の統一地方選挙・桑原区長の引退、をにらんで様々な政治的な動きが関係していることでしょう。
また、宮下公園ナイキ化国賠で渋谷区の計画の進め方に違法と判断が下されたことも影響しているはずです(注5)。

今回の新宮下公園整備自体が、ナイキ公園が失策であったことを証明し、この一連の出来事と三井不動産案を候補とすることが、渋谷区の節操もなく商業主義に加担する姿勢を改めて明らかにしました。

来年度の4月以降、形を変えて再提出される公算もあり決して油断できません。

これからも公園の商業化、野宿者の軽視・排除に反対します。

注1 宮下公園等整備事業の候補事業者が決まりました 渋谷区HPhttp://goo.gl/aCsmis
宮下公園等整備事業イメージパース 渋谷区HPhttp://goo.gl/Sh8vPe
注2 「新宮下公園等整備事業に関する基本協定締結について」「定期借地権の設定」の継続審議。
注3 渋谷区は、三井案について、新宮下公園、と呼称しメディアにも報じられましたが、現在の公称「宮下公園」を変更していない以上通称であり、ナイキ社の命名権に抵触するのではないだろうか。
注4 渋谷区の委員会は、重要な討論部分は休憩にして傍聴させないようにする。また、議事録にも載らない。そのため各委員の意見が秘匿され公にならない。
注5 判決を踏まえ、区議会が開かれている最中の3月23日、私たちは渋谷区議全員に対して、判決文を抜粋したビラを配布、宮下公園は現状、違法な手続きの下に改修された違法な公園であるといわざるをえないことを強く訴えました。

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