2020年8月11日火曜日

総務省に署名提出、8月4日5日、泊まり込み連続交渉!!

●いざ総務省へ

「ホームレスで住民票のない人にも特別定額給付金を求めます」署名には、10日ほどで5121筆(賛同77団体)が寄せられました。
4日13時、総務省前に、大阪や山谷や渋谷、三多摩などから約60名が集まりました。
しかし、(総務省)給付金室は、屋外で署名を受け取らない、交渉は行政相談室という小部屋で6名で30分、という条件を直前に出してきました。皆の前で署名手交・全員での交渉という私たちの要望とは大違いです。
また、屋内と屋外をオンラインで結ぶことすら前日に断ってきました。さらには、大臣や事務次官ではなく、決定権限のない課長補佐しか出てこないとのことです。
そのため、はじめから給付金室と揉めることになりました。

ガラス越しに見えるところで署名を受け取る、と給付金室は提案しましたが、建物の隅の見通し悪い場所。中身のあるやりとりをにじませるフクダ主査に、署名提出は保留し6名で交渉することにしました。

●交渉内容は?

交渉は、こちらの要望内容と「住民登録によらない給付のスキーム」(給付スキーム)を巡って行われました。
相手は鳴田課長補佐とサカキ課長補佐、他2名。
給付スキームについて「事務負担」「法的制約」「2重給付」を問題点として否定。
貰えない人より2重給付の懸念をなぜ優先するのか、という問いかけに対しては、公金ですので、という答え。
法的制約については、住民登録を前提にしないと住基ネットの照会や戸籍の附票の取り寄せができない(注)、との見解。
渋谷区利用の住民登録できる無料低額宿泊所は1カ所しかないこと、自立支援センターは満室であることを伝え、仮に福祉を活用しても住民登録出来ない現実を訴えました。
「住民登録の意思」があれば、給付スキームなどの法的制約はなくすことができるのではないか、とも提案しました。給付室は、明確な回答をしませんでした。また、今までの通知で示したところが最大限できるところ、との説明でした。
2重給付については、給付スキーム中の例外的なケースである「本籍も最終住民登録地も不明な場合」について、その可能性について指摘するだけだった。
私たちは厚労省への現状確認とともに、期限の延長を求めましたが、住民登録の申し出があれば柔軟な対応(申請期限をまたいでも支給される場合がある)、との答え。
本日の話は受けたまわって内部で検討します、と交渉開始から30分たったことを理由に無内容のままに終わろうとするので、期限までもう時間がないんだ、回答もらうまで帰れない、と伝えました。しかし、外で待っている人たちの意見を聞きに行った人が戻る前に給付金室は退室してしまいました。
(注)戸籍の附票の取り寄せは、総務省住民制度課の見解では住民登録を前提とせずとも役所間で可能であるとのこと

●外からの質問

1,申請期限を延長できない理由
2,申請期限は住民登録のある人に対してのものであり、住民登録がない人の施策はこれからはじめるべきである。
3,受給できない人がいることについての見解

●記者会見、署名提出、そして泊まり込み

総務省正面玄関前で記者会見を行いました。交渉の報告、署名をはじめた理由、渋谷や山谷や大阪での取り組み、住民票のない当事者の思い、などを訴えました。
そのまま敷地内に座り込みながら、大臣や事務次官などに対して、署名を受け取るようにマイクアピール。フクダ主査は、相談室で代表1名だけによる受け取りを主張。ねばり強い電話交渉の末、19時すぎにみんなの前に鳴田課長補佐らが出てきました。
総務省の看板の前で、署名本文を読み上げ手交。しっかりやれ!との声が飛び交いました。「外からの質問」などを聞き及ぼうとしたところ、交渉ではない、として逃げるように引き上げていきました。
私たちが回答を求めていると、庁舎管理室長などがガードマンとともに出てきました。給付金がもらえない窮状を訴えるとともに、庁舎管理が給付金室にうるさく言うからこんな事態になったのだと追及すると「オンライン会議はどんどんやってほしい」「署名の受け取りはどこでも構わない」などと給付金室から聞いた話と全然ちがう。どうやら給付金室は庁舎管理室をだしに、こちらの要望を独自判断で否定していたようでした(騙された!)。
ねる会議で用意したサンドイッチを夜食にたべて(夕食は山谷のカレーだった)ダンボールをしいて、思い思いの場所で横に。3回ほど庁舎管理が「出て行ってください」など声をかけてきましたが、30名ほどで総務省敷地に堂々と就寝しました。

●5日、再交渉



朝6時起床。マイクアピールやビラまきなどをしました。しかし、地上を通るのは隣接する警視庁職員が主でビラの受け取りは残念な感じでした。今年一番の猛暑に見舞われながらも、のど自慢が歌を披露。
朝食のあと、「外からの質問」や要望について全員の前での回答を求めると、昼ころ、給付金室の鳴田課長補佐らが庁舎管理室室長らと出てきました。

①について。そもそも住民票がない方に対しての給付は困難だから、延長の必要はない、との答え。
②について。基準日(4月27日)に住民登録がなくても申請日までに登録していただければ給付できます、と答えになっていない。
改めて、渋谷での現状を示して、どうすれば受給できるのかと問い詰めました。最終的には自治体の判断です、との答え。
住民票がないために受給できない人、2重給付する人、それぞれどれくらいの数になると考えているのか?と聞くと、仮定の話にはお答えできません。
③について。我々(総務省)は最大限対応させていただいたということです、との答え。
給付金のために福祉を受けて感染症リスクが高い大部屋に入るのはおかしい、と迫ると、ご意見はお聞きしました。
改めて検討することを約束しろ、と求めると、納得されないかもしれませんが検討の結果が以上です、と言って、課長補佐らはまたもや帰ってしまいました。逃げるな、との声が沸き上がったのは言うまでもありません。

●あきらめないぞ

給付金室が帰ってしまったので、庁舎管理室室長に対して、次回交渉設定か要望の再検討を給付金室に伝えることを求めました。渋っていた庁舎管理室だが、根負けしたのか伝えることを約束。しばらくしても返事がないので給付金室に電話すると、庁舎管理室から返答する、とトンチンカンなことをフクダ主査が言いました。
結局のところ、給付金室の返答は、すでに回答は尽しているので交渉や検討はしない、とのことでした。
酷暑のなか、みんなでドリフを踊ったり歌ったりしながら、今後の対応を考え、給付金室に対して、またくるし、あきらめないぞ、と通告しました。
そして、18時すぎシュプレヒコールで行動を締めくくりました。総務省の姿勢を大きく変えるには至りませんでしたが、様々な団体が協力し、参加した方たちががんばり抜いて、総務省敷地(玄関正面)に60名で座り込み、30名で泊まり込んだ前代未聞の行動は強い影響を与えたと思います。
すべての人が給付金を受給できる日まで、様々なやり方を一緒に考えていきたいと思っています。

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